大学入試センター試験



時事要素の強いテーマが問題文・設問となり、図版・地図・統計資料を利用した設問が姿を消す

大問数
減少 | 変化なし | 増加 
設問数
減少 | 変化なし | 増加 
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問数6題、小問数36問の問題数は昨年と同様で、2016年度に変更された大問ごとの配点は、今年も踏襲された。昨年は、地図と写真の組合せや視覚資料を4つ用いた新しい形式の設問もみられたが、今年は図版・地図・統計資料を利用した設問が全くみられなかった。一方で、史料の読解を求める設問が目立ち、昨年度よりも丁寧な読解力が求められた。第3問でテーマとされた年号(元号)については、2019年5月から新元号となることを意識した出題と考えられる。

(時代)
旧石器時代〜弥生時代を正面から扱った問題は昨年同様みられなかったが、戦後史からの出題が昨年度より2問増加して4問となり、幅広い範囲(1990年代まで)が対象とされた。

(分野)
例年通り、政治・社会経済・外交・文化とバランス良く出題されているが、政治史の比重が高まり、昨年度若干増加した文化史の比重が低くなったため、受験生には比較的取り組みやすい分野構成であったと考えられる。

(出題形式)
第1問は昨年度同様に会話形式、第6問が日米関係を題材としたテーマ史のパターンで出題された。空欄補充・正誤文組合せ・正誤文選択の問題数は昨年度と変化はなく、歴史用語と説明文との組合せ問題が1題増加し、かわりに年代整序問題は1問減少した(15年度3→16年度4→17年度6→18年度5→2019年度4)。史料問題は昨年度と同様に4題出題されたが、読解は難解で思考力と判断力が問われた。史料問題の出来で差がついたと思われる。初見史料の読解力を高める学習の重要性を示唆する問題だった。

(史料)
史料(円仁『入唐求法巡礼行記』、那須国造碑文、「安房国川名村と金尾谷村での採草地をめぐる争論」、「占領軍進駐ニ伴フ報道取扱要領等」)、が設問の素材として用いられた。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 地名とその土地の歴史 6 6 16
第2問 原始・古代の歴史研究と資料 6 6 16
第3問 中世の政治と社会 6 6 16
第4問 近世の社会・政治・文化 6 6 16
第5問 近世・近代における公家と華族 4 4 12
第6問 近現代の日米関係 8 8 24
2018 第1問 地域とその歴史的文化財 6 6 16
第2問 原始・古代の国家・社会と音楽との関係 6 6 16
第3問 中世から近世初期までの地震とその影響 6 6 16
第4問 近世の外交・思想・宗教 6 6 16
第5問 幕末から明治維新にかけての軍制改革と西洋医学 4 4 12
第6問 石橋湛山 8 8 24
2017 第1問 東アジア情勢と国内外の交通・通信 6 6 16
第2問 古代の思想・信仰と政治・社会との関係 6 6 16
第3問 中世の政治・社会・文化 6 6 16
第4問 近世の文化・政治・社会 6 6 16
第5問 幕末から明治期の大坂(大阪) 4 4 12
第6問 近現代の公園 8 8 24
2016 第1問 史料としての日記 6 6 16
第2問 原始・古代の漆と香の文化 6 6 16
第3問 中世から近世初期までの政治・社会・文化 6 6 16
第4問 近世の政治・社会・文化 6 6 16
第5問 明治期の地方制度 4 4 12
第6問 日本とオリンピックとのかかわり 8 8 24
2015 第1問 日本人の海外移住と外国人の渡来 6 6 12
第2問 原始・古代の農業と社会の変化 6 6 18
第3問 中世から近世初期までの政治・社会 6 6 18
第4問 近世の政治・経済・社会 6 6 17
第5問 明治期の立法機関 4 4 12
第6問 林芙美子とその時代 8 8 23

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015 2014
62.19点 59.29点 65.55点 62.01点 66.32点
日本史B