大学入試センター試験

《生物基礎》 設問別分析


 
【第1問】生物と遺伝子(生物の特徴・代謝・遺伝情報とDNA・遺伝情報とタンパク質の合成)
設問数は6問、解答数は7でどちらも昨年と変わらなかった。Aでは、生物の特徴に関する知識問題と、代謝に関する知識問題と実験考察問題が出題された。問1は当てはまる選択肢を過不足なく含むものを選ばせるという点でやや難しい。問2は紛らわしい選択肢が多く、得点差がついたであろう。問3は酵素に関する実験考察問題であり、仮説を検証するための実験を解答する必要があった点が新しい。Bでは、DNAと遺伝情報に関する知識問題と、遺伝子の発現に関する計算問題が出題された。問4・問5はDNAに関する空所補充と知識問題であり、容易に解答できる。問6は遺伝情報とタンパク質の合成に関する計算問題であり、DNAが300塩基「対」であることを把握できたかで、正答率に差が生じたと思われる。

【第2問】生物の体内環境の維持(血液凝固・血液の循環・酸素解離曲線・免疫)
設問数は5問で昨年と変わらず、解答数は6で昨年より1増加した。Aでは、血液凝固に関する知識問題と、血液の循環と酸素解離曲線に関する考察問題が出題された。問1は易しい知識問題。問2は与えられた条件での血液循環の変化を考察する必要があり、解答に時間を要する。問3は酸素解離曲線に関する考察問題であり、二酸化炭素濃度による酸素解離曲線の左右へのシフトを考察する必要があり、やや難しい。Bでは、免疫に関する知識問題が出題された。問4・問5はともに解答し易い。

【第3問】生物の多様性と生態系(生態系での窒素の循環・生態系とエネルギーの流れ・バイオーム・植生とその環境・植生の遷移)
設問数は5題、解答数は5個でどちらも昨年と変わらなかった。Aでは、生態系での窒素の循環とエネルギーの流れに関する知識問題が出題された。問1・問2ともに解答し易い。Bでは、植生とその環境に関するデータ考察問題と、植生の遷移に関する実験考察問題が出題された。問3はバイオームに関する知識問題と、葉の寿命と厚さに関するデータ考察問題であり、やや難しい。問4は光‐光合成曲線のグラフを読み取る問題であり、解答に時間を要する。問5は遷移に関する考察問題であり、遷移の正確な知識を必要とするため、難しい。