大学入試センター試験
《世界史A》 設問別分析
【第1問】戦争や軍隊
Aは中華民国の国民政府、Bはヨーロッパ諸国の植民地軍、Cはクラウゼヴィッツについて述べたリード文をもとに、主に近現代の世界の動向に関する問題が出題された。Aではアメリカ同時多発テロの時期を問う年表問題が出題され、受験生が生きている「現在」に関する理解が問われた。Bではヨーロッパ諸国の協定・同盟に関する2文の正誤組合せ問題が出題され、近代の国際関係の推移についての正確な知識が問われた。Cではフランス・イギリス・ドイツの男性人口に占める軍人の割合を表した折れ線グラフを題材とした問題が出題され、戦争が起こった年代を正確に覚えているかが問われた。
【第2問】人・モノ・文化の交流
Aは中国の城壁と倭寇、Bは東南アジアの仏教、Cはモンゴル帝国期の外交について述べたリード文をもとに、前近代のアジアを中心とする問題が出題された。Aでは都市の位置を問う地図問題が出題され、普段から教科書の資料を確認して学習ができているかが問われた。Bでは東南アジアで広く信仰されている仏教の宗派を問うリード文中の空欄補充問題が出題され、現在の世界の文化に対する知識が問われた。Cではマゼラン一行の航路を問う地図問題が出題され、Aと同様に歴史的事項について語句だけでなく空間的に理解しているかが問われた。
【第3問】食べ物
Aはパンとワイン、Bは着色料について述べたリード文をもとに、主に近代以前の欧米に関する問題が出題された。Aでは壁画の作者について問う空欄補充問題が出題され、芸術家の業績に関する知識・教養が問われた。Bでは作物の伝播に関する空欄補充問題が出題され、各地域にみられる固有の食文化についての理解が問われた。中学校社会科で学習した内容に関する問題が複数見られ、中学校での学習内容が、高校で学ぶべき知識の土台となっていることが分かる。
【第4問】国家と指導者
Aはアフメトジャン=カシミ、Bはムッソリーニについて述べた文をもとに、20世紀の世界を中心とする問題が出題された。Aではオーストリア=ハンガリー帝国の成立時期を問う年表問題が出題され、19世紀後半の流れを理解しているかが問われた。Bでは国家の勢力拡大に関する当事国を問う正文選択問題が出題され、歴史的な事項について単に語句のみを覚えるのではなく、内容にまで踏み込んで理解しているかが問われた。