大学入試センター試験

《化学基礎》 設問別分析



第1問
問1 原子やイオンの電子配置を問う問題であった。各元素の原子番号と周期表がきちんと覚えられていれば正解できる。

問2 周期表の元素の分類に関する問題であった。典型元素と遷移元素がきちんと分類できるかがポイントである。 

問3 分子の極性を問う問題であった。各分子の形を覚えていたかがポイントである。エタノール分子の形は知らなかった受験者も多かったと思われる。

問4 物質の状態に関する問題であった。物質の状態変化や構成粒子の熱運動に関する基本的な知識を基に判断する。

問5 蒸留装置に関する問題であった。蒸留を行うときの主な注意点を覚えていたかがポイントである。

問6 物質量に関する問題であった。硫酸カルシウム二水和物の質量から,水溶液中に存在していたカルシウムイオンの物質量を計算すれば,CaCl2の物質量を求めることができる。

問7 生活に関わる物質に関する問題であった。教科書で扱われている基本的な物質の用途,所在などを整理できていたかがポイントである。


第2問
問1 天然に存在する塩素分子の割合に関する問題であった。質量数35の塩素原子と質量数37の塩素原子の割合を基に,質量数35の塩素原子2つから成る塩素分子の割合を求めることができる。

問2 溶液のモル濃度に関する問題であった。はじめの水溶液に溶けていたNaNO3の物質量と加えたNaNO3の物質量の合計が,得られた水溶液に溶けているNaNO3の合計であることに着目すれば求めることができる。

問3 中和滴定に関する問題であった。滴定曲線から中和点のpHを読み取れば,用いた酸と塩基の強弱が判断できる。また,滴定開始時の水溶液のpHと,中和点に達するまでに加えた水溶液Bの体積をグラフから読み取ることで、正解を求めることができる。

問4 塩の水溶液の性質に関する問題であった。各塩の水溶液の性質に関する基本的な知識を基に判断する。pHと水素イオン濃度の大小関係は逆であることに注意する必要がある。

問5 化学電池(電池)に関する問題であった。化学電池に関する基本的な知識を基に判断する。燃料電池に関しては盲点になっていた受験者が多かったと思われる。

問6 金属の溶解に関する問題であった。金属のイオン化傾向の大きさ(イオン化列)と金属の反応に関する基本的な知識を基に判断する。