大学入試センター試験

《数学I・数学A》 設問別分析



【第1問】 2次不等式・集合と命題・2次関数
[1](2次不等式)
直線の傾きやx切片の符号の条件から2次不等式を解く問題。(2)で分数式が現れるが、本質的には分子の2次式の符号を考えることで解決する。

[2](集合と命題)
3つの数の倍数の集合について、包含関係を考察する問題。4、6、24の最小公倍数である24までの自然数の分布を考えることで結論が得られる。(3)で与えられている値が選択肢のいずれの命題についての反例であるかを問われており、目新しい。

[3](2次関数)
放物線の平行移動に関する問題。放物線の軸と頂点を正しく求めることができれば、解きやすいと思われる。


【第2問】 図形と計量・データの分析
[1](図形と計量)
三角形が与えられ、それぞれの角の三角比や辺の長さなどを求める問題である。角の二等分線の性質を利用できるかどうかがポイント。

[2](データの分析)
(1)は個々の事柄に対する正誤判定を行う問題、(2)からは平成27年の男女の市区町村別平均寿命のデータを利用したデータの分析の問題である。47都道府県のデータが箱ひげ図で与えられている。与えられた散布図を正確に読み取り、平均寿命の差のヒストグラムを選択する問題は、目新しい。


【第3問】 場合の数と確率 (選択問題)
[1] 選択肢の中で正しい記述を指摘する問題。これまでにはない出題形式である。それぞれの選択肢について、確率を丁寧に求めていけば難しくはないが、形式の変化に惑わされた受験生も多かったと思われる。
[2] コインを投げ、表裏で得点の増減がある試行に関する問題。(3)までは個々の事象に関する確率の計算、また、(4)で条件付き確率に関する出題があった。典型的な問題である。


【第4問】 整数の性質 (選択問題)
n進数の循環小数に関する問題。(1)で簡単な場合である10進数の計算を行い、これをヒントに(2)で7進数の循環小数に関する考察を進める。1次不定方程式の整数解を決定する問題に帰着される。題意が読み取れれば計算は少ないが、躓く受験生も多かったことだろう。


【第5問】 図形の性質 (選択問題)
線分比と面積比、角の大きさの関係などを、平面図形に関する基本的な定理から導く問題。チェバの定理、メネラウスの定理などの基本的な定理を正しく運用していけば解き進められる。標準的な内容である。