看護師、ナース

患者の声を聞き、医師へ伝え、患者の治療をサポートする仕事

医療に関する仕事

INTERVIEW

現役の看護師に聞きました

東京大学医学部付属病院

植草由貴さん

PROFILE

うえくさ ゆき
横浜市立大学 医学部看護学科卒業

祖父の入院をきっかけに医療職としての看護師を意識し始めた植草さん。 看護師の国家資格を取得したあとも、さらに上を目指して保健師の資格を取得。 大病院の病棟で患者さんと向き合う日々の中、看護師の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 入院病棟で日々患者さんと接し、精神的・肉体的にケアを すること、具合が少しでも改善するよう、医師と力を合わせ、 様々な病気と戦うことが私の仕事です。
 具体的には、まず担当の患者さんとコミュニケーションを とって、その日の容態や精神的な安定度合いを確認します。 点滴や採血、薬剤の投与、包帯の取り替えなどを行いながら、 雑談を交えてお話をうかがうことが多いですね。
 そうやって患者さんやそのご家族と接する中で、「もっと こうしてほしい」「この薬は体に合わないから変えてほしい」 などのご要望をうかがう場合には、きちんとそのご要望を医 師へ伝え、患者さんにとって最善の治療ができるように検討 を重ねていきます。
 こうした患者さんの意向や容態の変化は、日勤・夜勤の引 き継ぎ時に行うカンファレンス(情報共有の場)で、必ず情報 を共有します。そうすることで、私の退勤後に患者さんの容 態が急変しても、他の看護師が適切に対応できるのです。 夜勤の場合は、患者さんが寝ている時間なのでコミュニ ケーションをとる機会は限られますが、その分、点滴や心電 図、脳波計などのモニターから目を離さないこと、定期的に 巡回し、肉眼で患者さんの様子を確認することが重要です。
 他にもナースステーションにある薬剤や包帯、注射器とい った医療用具の在庫チェックを行い、必ず決まった数がそろ っているようにします。電話の受け答えや事務作業なども欠 かせない仕事です。

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このお仕事の醍醐味は?

 何よりも、患者さんからの「ありがとう」という言葉が、素 直に嬉しいです。起き上がれなかった人が車椅子で退院し た、あるいは車椅子の方が歩いて退院されたなど、少しでも 回復して退院する姿を見ると、本当に感動します。
 この仕事に終わりはありません。いくら医学書を丸暗記し ても、病気は星の数ほど。同じ病気でも、程度や苦痛の度合い は患者さんそれぞれで違う、オンリーワンのケースです。そ こにどう対応するかが一番の難しさでもあり、やりがいで す。だからこそ、若いうちから色々な病気や症状と出会い、学 んでいかなければと思っています。

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看護師を目指す人にアドバイス

 第一に体力。1日中動き回れるタフな持久力は必須です。 また、忙しい日が続いても自分の健康をきちんと維持できる 自己管理能力も重要です。
 精神面でも忍耐力が求められます。仕事上、患者さんと医 師との間に立ち、双方の歯車がうまく噛み合うよう配慮しな ければなりません。多少のことでもへこたれない気丈さ、た とえ気持ちが凹へこむようなことがあっても、患者さんの前では 元気と明るさを絶やさないことが大切です。
 こうしたことは一朝一夕に身につくものではありません。 高校生のうちから少しずつ訓練していきましょう。

ある日の植草さん

  

7:45

出勤。受け持つ患者さんの情報を夜勤の看護師と共有したあと、当日の予定を確認

8:30

業務開始。患者さんの朝食の摂取量や内服薬の確認、点滴の準備や確認など

13:00

手術から帰室した患者さんの 経過観察

13:30

昼のカンファレンス

14:00

術前準備、抗生剤の投与、翌日の検査や処置の指示など

15:00

本日の記録を書き始める

16:45

定時終了。勉強会や研修に参加

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