建築士

依頼主の要望を聞いて住宅やビルなどを設計する仕事

インテリア、建築に関する仕事

INTERVIEW

現役の一級建築士に聞きました

一級建築士事務所

寺澤 秀忠さん

PROFILE

てらさわ ひでただ
中央工学校 建築設計学科卒業

模型や絵が大好きで、住宅広告の間取り図を見ながら「自分だったらこうする」と子どもながらにアイディアをひねりながらペン入れをしていた、という寺澤さん。
 一級建築士として独立・開業している寺澤さんに、建築士の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

私の仕事は、依頼者から希望する建物についての要望をうかがい、それが実現するよう最大限の努力を傾けて建物を設計すること、建築基準法などにもとづく手続を行い、建築工事を監理することです。
依頼者の要望は漠然としていたり、予算の見込みがズレていたりする場合がよくあります。それを土台に、いかに要望を満たし、予算内に収まる建物とするか……暗中模索しながら設計のアイディアをひねり出す作業が多くあります。外観デザインや内部空間のデザインと共に、使い勝手を良くするためにはどうすればよいのかと考え、依頼者に満足していただけるよう工夫します。
設計作業は、依頼者との打ち合わせはもちろん、強度計算などを受け持つ構造建築士や電気・水道などを担当する設備設計士と話し合いを重ね、安全な構造や適切な配管を検討しながら進めます。そのため、建築材料に関する調べ物や強度計算など、1日の大半がデスクワークとなる場合もあります。
 また、建築現場での打ち合わせでは、職人の作業を観察し会話を重ねる中で、新しいアイディアが生まれることがよくあります。考えたこともなかった空間の使い方を学ぶこともできます。こうしたことは1人では決して身につかないものばかりです。現場での立ち会いは、とても魅力的な時間なのです。こうして、日々生活を重ねていける「安心できる建物」「快適な空間」を創造するのが、私たちの仕事だと思います。

2

このお仕事の醍醐味は?

 完成した建物を見て、「良い建物だね」と喜んでもらえるのはもちろん、入居後数カ月経ってから住み心地や使い勝手の良さを褒めていただけると、心底ホッとします。
 私は依頼者の要望・家族構成・間取りの使い方などを考え、窓を作る場所1つにも気を配って設計しています。そこを「よさ」として実感してもらえるのが何より嬉しいのです。
 私が手がけた建物は様々な場所に点在していますが、ある地域内で手がけた建物が増えれば、いつかその地域は“私が手がけた街並み”になります。街並みを作る、という広がりがある仕事であることも建築士の醍醐味だと思います。

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一級建築士を目指す人にアドバイス

 表現力・伝える力が重要です。すぐれたアイディアやデザインでも、説明の文章が相手に伝わらなければ仕事へつながりません。人を惹きつける表現力を身につけてください。
 また、依頼者の要望を正確に把握するために、会話力や観察力を含めたコミュニケーション力を高めることが大切です。
 アイディアのストックも大切です。興味のある建物や工夫を凝らした作品を見つけたら、どんどん観察して写真やスケッチなどに記録しておくと実践で役立ちます。街並みを観察し、展示場・内覧会・作品展へも積極的に出かけましょう。芸術作品も発想を広げ、表現力を豊かにしてくれます。

ある日の寺澤さん

  

9:00

事務所へ。メールチェックや電話での打ち合わせなど

10:00

工事現場へ出発。現場で建築会社など工事関係者との打ち合わせ。進捗確認などを行う

12:00

昼食時間

13:00

デスクワーク。打ち合わせ時のメモや依頼者の要望書などを参考に図面を引く時間

15:20

小休憩

15:40

再び設計作業。問い合わせや連絡の電話・メールにも対応

18:00

夕食

20:00

新規案件の設計プラン作成。図面の校正。終わり次第、終業

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