弁護士

法律の知識を駆使し、会社や個人の困難を法的に解決する

法律に関する仕事

INTERVIEW

現役の弁護士に聞きました

松田綜合法律事務所

夏苅 一さん

PROFILE

なつかり はじめ
首都大学東京大学院
社会科学研究科法曹養成専攻修了

高校時代、裁判の厳粛さに惹かれて法曹界を目指した夏苅さん。弁護士を選んだのは、アクティブに活動して困っている多くの人の手助けをしたかったからだそうです。
幅広い弁護士業務を扱う夏苅さんに、弁護士の仕事についてうかがいました。

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お仕事の内容は?

 私が比較的多く担当しているのは、企業を取り巻く案件です。例えば、不動産会社からの賃貸借に関する案件や、会社従業員の懲戒(義務違反に対する制裁)に関する案件、経営が困難になった会社の倒産処理案件など様々です。紛争を予防するために、契約書を作成する業務なども行います。個人の方からご依頼いただいており、交通事故などの損害賠償事件や離婚・遺産分割などの家族に関わる事件も扱います。
案件によっては、現地へ出向いて状況などを調査することもあります。遠方にお住まいの依頼者もいますし、裁判は全国各地の裁判所で行われますから、地方へ出張する機会も少なくありません。
 昨今は、国民全体の権利意識の高まりや法律知識へのアクセスの容易さから、法的なトラブルも多くなりました。しかし、すべて裁判に至るわけではありません。なぜなら、依頼者に費用と時間の負担をかけないように、訴訟前に交渉を行い、紛争解決の道を探るからです。それでも解決できなかった場合に裁判となるのです。
 裁判では、訴状や答弁書、準備書面をはじめとする主張を記載した書面を提出します。登記簿や会計帳簿、預金通帳などの証拠書類や、重要な証言をしてくれる証人など、主張を裏づける証拠を過不足なくそろえることも弁護士の大切な仕事です。そうした証拠について、いかに適切なものを用意できるか、それらを軸に裁判をどう組み立てるかで、弁護士の技量が問われることとなります。

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このお仕事の醍醐味は?

 人の役に立ちたい、誰かを助けたいという気持ちで弁護士を目指しました。やはり依頼者から感謝していただくことに最も喜びを感じます。依頼者には企業の方もいれば、個人の方もいます。その依頼内容も様々で、財産関係、労働関係、さらには夫婦関係まで幅広く、どれも依頼者には一大事です。そのため、日々の生活の中でも様々なことへの興味、関心を持つようにして、依頼者の置かれている状況やお気持ちを理解しようと努めています。もちろん、難しい壁に突きあたることも多々あります。だからこそ、うまく解決できたときの依頼者の笑顔が、何にもかえがたいものに感じます。

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弁護士を目指す人にアドバイス

 弁護士を目指すからといって法の知識だけを求めるのでなく、様々な学問に興味を持ち、社会や職業を取り巻く多種多様な制度やシステムを幅広く学び、知識として蓄えてください。それが依頼者の抱える問題の本質を把握し、解決へ導くことへとつながります。その中には当然、一般常識やマナーも含まれます。また、今後日本社会はさらにグローバル化していくことを考えると、海外案件にも目を向けることも考えなければなりません。国内企業と海外企業との提携や国内企業の現地法人におけるトラブルに対応することも視野に入れ、的確に対応できる語学力を身につけることも有効でしょう。

ある日の夏刈さん

  

10:00

出勤。メールやFAX、メモなどを見て、留守中の問い合わせを確認。必要に応じて電話やメールなどで回答する

11:00

担当する依頼者への法律相談。 電話・メール・訪問などの対応をする

14:00

裁判所へ。必要な書類のやり取りが中心。和解交渉などを行う場合もある

15:00

裁判所での仕事が早く終わったので、別件の現地調査へ。

16:00

事務所に戻り書類作成。判例を調べながら進める場合も多い

19:00

勉強会へ出席。終了後は帰宅。担当案件の進捗状況によっては事務所へ戻り書類作成。深夜に及ぶ場合も

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