文化財修復技術者

美術、演劇に関する仕事

文化財修復技術者になるためには?

文化財修復技術者になるための資格は特にありません。美術系の大学や専門学校・大学の史学科や文化財学科を卒業して修復工房に就職し、長年修業を積みながら技術を習得していきます。油絵などを修復する技術は、ヨーロッパなどに留学して習得する人もいます。優秀な文化財修復技術者は、国内に限らず海外にも活躍の場が広がります。確かな技術さえ備えれば、海外進出が期待できる職業といえます。

国宝や文化財の修復を行っている工房は、全国に10カ所程度です。その他にも、絵画など個人所蔵の作品の修復を請け負う工房もあります。神社仏閣などの建造物を修復する宮大工と協力しながら、建築物の彫刻などの装飾物を修復する共同作業も行われています。なお、日本国内では、国宝・重要文化財を中心とした文化財の保存修理を専門的に行う修復技術者集団「国宝修理装潢師(こうし)連盟」が、国の選定保存技術である「装修理技術」の保存と発展・向上を図るべく文化財修理とそれに関連する諸事業を展開しています。

東京大学などでは、国宝を科学的に検証する研究室があります。一方、研究機関や美術館は考古学的なアプローチで文化財に関わることに重点が置かれています。自分の希望と照らし合わせながら進路を考えましょう。

貴重な文化財は世界各地に存在し、修復を重ねつつ現在まで受け継がれてきました。文化財の修復は、人類の財産を守る価値ある仕事です。

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