国家公務員

社会のあらゆる側面に関わり、国を運営していく仕事

政治・行政に関する仕事

INTERVIEW

現役の国家公務員に聞きました

文部科学省研究振興局 戦略官付総括係

春田 鳩麿さん

PROFILE

はるた やすまろ
東京大学 法学部卒業

 親しい仲間と「霞が関OBツアー」を組み、先輩を訪ねたのは高2生の頃でした。「理想に満ち、エネルギッシュに働く先輩に感銘を受けた」と語る春田さん。
 先端的な研究に関するお仕事で忙しい春田さんに、国家公務員の仕事についてうかがいました。

1

お仕事の内容は?

 私の仕事は、日本国内における医療や創薬をはじめとするライフサイエンス分野の研究開発の推進です。
 文部科学省は、個人の遺伝情報に合わせた医療のオーダーメード化や近年注目を集めている放射線医学や、インフルエンザなどに代表される感染症の予防と効果的な対策などの先端的な研究に対する補助金など、様々な支援を行っています。日本の研究が国際競争力を維持し、発展していくために、研究の進捗を毎年度確認し、期待した成果は出ているか、施策に見直しは必要かといったことなどを議論しています。
 ただし、私たちが持つ知識だけでは、決して十分とはいえません。そのために、各分野に精通した方々にアドバイスを求めたり、検討してもらう場を設けたりするのも重要な仕事です。その中で成果の達成度を比較検討し、次年度にどのような施策を行うべきかを詰めていきます。研究内容によっては、海外との連携が必要なものや、法律・制度の改正が必要な場合もあり、幅広い専門家にアドバイスを求めます。
 このように、国として取り組むべき新たな分野や難しい分野の研究開発をどう進め、その成果をどう社会や人の間に根づかせていくかを考えるのが私たちの役目です。
 その他、省庁外との交渉や連絡業務もあります。例えば、その分野に関心を持つ国会議員からの問い合わせへの対応、厚生労働省や経済産業省といった関連省庁や関連機関との打ち合わせなどです。いずれの場合も、正確さを追究しながら、根気強く仕事に取り組む姿勢が求められます。

2

このお仕事の醍醐味は?

 仕事柄、知的好奇心を満たせるのが魅力です。普段から第一線で研究を進める先生方とお話をし、最先端の研究成果に触れられることは知的興奮を得られる仕事だと思います。
 ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生に代表されるように、日本のライフサイエンス研究は世界トップレベルです。私はまだ経験が浅く、ノーベル賞受賞のような場面を体験したことはないのですが、研究者の方々を支援し、その成果を間近で見ることができるのは何事にもかえがたい経験だと思います。私が担当する先生方もやがて新聞のトップ記事を飾るような成果を発表するかと思うと今からワクワクしてきます。

3

国家公務員を目指す人にアドバイス

 国家公務員は、1つの分野だけを理解していればよいというものではありません。しかし、社会人として課題に直面して初めて、不足した知識や経験を補わなければならないのが現実です。だからこそ、時間のあるうちに社会の色々な側面を見聞し、体験すること、自分なりの思考を形成し、課題への取り組み方を学ぶことが重要です。
 特に大学時代の講義は、1つの課題を突き詰めて考えるという点で非常に有効です。課題を解決するための情報をきちんと分析し、整理する力を鍛え、そこから論理的に考え、端的にまとめ上げる力を養う努力を惜しまないでください。

ある日の春田さん

  

9:30

出勤。英会話をリスニングしながらニュースをチェック

10:00

1日100 件を超えるメールに対し、上司と相談しながら課内や関係機関へ対応を依頼

12:00

昼食

13:00

政務官と上司との打ち合わせに随行。打ち合わせ中は、必要な資料をすぐに取り出せるように準備

16:00

各所へ依頼していた資料の取りまとめ。内容を確認後、上司と相談しながら発注元に回答

18:00

国会議員からの問い合わせに回答するための資料作成。わかりやすく、ミスのないように細心の注意で臨む。他に当日中の作業がなければ退勤

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