螟ァ蟄ヲ蜈・隧ヲ繧サ繝ウ繧ソ繝シ隧ヲ鬨楢ァ」遲秘溷ア2014
《日本史B》 設問別分析



第1問 博物館の展示(会話文)
例年通り、今年度の第1問も会話文形式の問題であった。奈良時代から1970年代までと出題範囲が広いため、大きく歴史をとらえ、それぞれの時代の特徴を把握しているかどうかが試されている。古文書関係の写真が計4つ掲載されたが、問1を解答する際、写真1をヒントにすることができる。写真などの説明文や史料の注は、問題を解く上での重大なヒントになることが多いことに注意しておきたい。
問3は得点差の生じやすい土地制度に関する中世〜近世の年代整序問題であったが、それぞれの文章に示された時代を特定することができれば確実に得点できたであろう。
問4は教育史に関してのやや細かな知識がないと失点する可能性が高い。
問5にみえる「ひめゆり隊」や「女子挺身隊」は、2012年第6問の問5でも出題されている。
問6のグラフの読解問題では、「朝鮮戦争が勃発した」、「日本万国博覧会が開催された」、「三池争議(三池闘争)が発生した」、「大日本産業報国会が結成された」といった史実の正確な年代把握が必要であった。
全体的には標準的な問題が多かったため、ケアレスミスが得点差につながったと思われる。

第2問 原始・古代の社会・国家と交通の関係
原始・古代の社会と交通といった、過去のセンター試験・日本史Bでもよく出題されていた頻出テーマである(たとえば2011年追試験第2問の問2「古代における人々の移動や交通」)。
問1・問2では、縄文・弥生時代を正面から扱った問題が久々に復活したが、問1で引用された地図は三内丸山遺跡と大森貝塚の所在する都道府県を把握できていれば解答可能であった。また、問2で引用された史料(『魏志』倭人伝からの引用)は、昨年の第2問の問2と出題のされ方が類似しており、形式面でとまどうことはなかったと思われる。
問3の年代整序問題は、選択肢で示されている時期の間隔がやや狭いが、6〜7世紀の大まかな政治動向を把握できていれば難しくはない。
一方、地方行政区画や駅制に関する問5は、律令制下の交通・通信制度に関するやや細かな理解が必要であった。
基本的な問題が多くを占めたため、受験生の間で得点差が生じにくいと予想される問題であった。

第3問 中世の政治・経済・文化
Aでは東大寺再建をテーマとして源平の争乱や中世の流通に関する設問が、Bでは「足利義満像」や「柳生徳政碑文」がとりあげられ、15世紀から16世紀にかけての社会・文化を中心とする設問が出題された。問題文は「織田信長」や「豊臣秀吉」など近世初期にまで触れられており、「大坂城」も出題された。しかし、「大坂城」以外の設問は中世に限定されており、第3問が対象とする時代は例年通りであったといってよいだろう。Aの引用史料は初見であるとはいえ、現代語訳されているため、あわてることはなかったと思われる。
問3の年代整序問題は「中世の流通」であるが、「宋→元→明」という中国王朝の変遷を押さえておけば解けるため、対外関係の要素を強くもつ問題であった。
問1の「源平の争乱」と問6の「徳政」に関する正誤問題は、習熟度の差から得点差が生じた可能性が高い。

第4問 近世の文化・外交
分野的には文化・外交を中心に社会経済史も含まれ、時代的には近世初期から幕末までを対象とする総合問題であった。史料や日本地図など、用いられた素材は豊富であったが、各設問は「産業」や「近世の印刷物」などテーマが限定されており、全体的に正答を導きやすい問題が多かった。
問1は受験生にとって初見史料であると思われるが、史料中の「天の四郎」や「絵像」から容易に解答できる。
問6は地図上の場所を指摘させるパターン化した設問で、日米和親条約やモリソン号事件の内容を正確に理解しておけば正答は容易に得られる。
ケアレスミスでの失点が得点を大きく左右したと思われる。

第5問 明治期の租税制度
昨年は「明治期における特許制度」というやや特殊なテーマであったが、今年は明治期の租税制度という、誰もが一度は学習したことがあるであろうテーマがとりあげられた。昨年の第6問の問8で「消費税」が出題されたことを考えれば、2014年の「消費税増税」という、社会的に重大な出来事を受験生に意識させた内容であったといえよう。
問2の日英通商航海条約は、昨年のセンター試験・日本史Aの第3問の問4で出題されている。
問4の表の読解については、例年通り、著名な歴史事項に関する正確な年代の把握が必要であった(本問では「日露戦争」と「関税自主権の完全回復」)。

第6問 手塚治虫とその時代
漫画家の手塚治虫が問題文にとりあげられ、1920年代から戦後の高度経済成長期までを対象とする設問が出題された。昨年はみられなかった人物史の問題が復活したが、政治家や外交官など、教科書に必ず登場しているわけではない漫画家をとりあげたこの問題は、新傾向の問題だといえるだろう。
問1は問題文と下線部をよく読んだ上で時期を判断しなければならない設問で、「問題文を読まなくても解答できる」と考えている受験生に警鐘を鳴らす性格をもつものであった。
太平洋戦争中について、かなり細かい知識が必要とされる地図問題や、1980年代の問題などがみられた昨年の問題に比して、全体的に平易であったが、「革新首長」や「日本学術会議」などは、受験生にとってみればややなじみの薄い歴史用語であったと思われる。
大学入試センター試験解答速報2014
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