大学入試センター試験解答速報2012
《日本史A》 設問別分析



第1問 地域の歴史と人々
会話文形式の設問を第1問で出題する構成は昨年度と同様である。過去問対策を講じてきた受験生は落ち着いて対処できたであろう。問2の「公園」は目新しいテーマであるが、選択肢はいずれも基本事項であるから容易に年代把握ができる。

第2問 近世後期から明治前期の政治・経済・社会
幕末から明治前期にかけての経済発展が庶民生活にどのような影響を与えたか、を大きなテーマとする問題。問3のグラフの読み取り問題は、選択肢中の歴史事項の年代についての知識も必要とされている。問6の史料(表)の読み取り問題は、表に掲載されている事柄を丹念に拾っていけば確実に正答にたどり着くことができる。

第3問 明治期における日本の領土
明治期における日本の領土を題材に、主に日本と東アジアとの関係をテーマとした出題である。外交史に関する出題は基本的な内容なので、点数を落としたくない。問4の市制・町村制の制定理由に関する出題は、史料を正確に読み取る力が試された問題であった。

第4問 幕末期以降の貿易・商社
幕末期以降の貿易と商社を題材にした出題であるが、落ち着いて対処すれば解答にたどりつく問題ばかりであった。問4の時代整序問題は、選択肢の中のキーワードを手がかりにしながら相対的に判断する力が求められている。

第5問 市川房枝
近代日本の代表的な女性運動家である市川房枝を題材にした出題であり、戦後史からの出題も3問に及んだ。戦後史の学習がどの程度きちんとできていたかが結果に大きな影響を及ぼした問題である。しかし、公職追放や戦後政治史などについてのきちんとした理解があれば点数を落とすことはない。問4の戦時経済統制策に関する出題は、その時期に該当しない歴史的事項を見つけさえすれば、消去法で正答にたどり着くことができる。

第6問 近現代の社会・文化
近現代の社会と文化をテーマとした出題であった。太平洋戦争期に関する出題が3問に及んだ。戦後の教育に関する出題もみられたため、近現代の文化史に対するきめ細かい学習も求められた。
大学入試センター試験解答速報2012
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