大学入試センター試験

《英語》 設問別分析



【第1問】A 単語の発音 B 単語のアクセント 
今年も例年同様に発音とアクセントの出題で、Aは「下線部の発音がほかの三つと異なるもの」を選ぶ問題が3問、Bは「第一アクセントの位置がほかの三つと異なるもの」を選ぶ問題が4問と、形式・問題数ともに変更はなかった。発音問題は、全問において、下線部の発音の違いが明らかであり、昨年より易しい。アクセント問題は基本的なレベルであった。

【第2問】A 文法・語法 B 整序英作文 C 対話文中の英文完成
例年同様の出題形式で、Aが文法・語法問題、Bが整序英作文問題、Cが対話文中の英文完成問題であった。Aは基本的な出題が多かったが、単語の正しい使い方や定型表現を知っているだけでなく、それをどれだけ正確な形で修得しているかが鍵となったと思われる。Bは正しい英文を作る力が試されており、どのような意味の英文を完成させるべきかを文脈から素早く推察して文を作らなければならず、あせりを感じることもあったかもしれない。Cは対話文空所補充問題と英文完成問題が融合された問題で、B同様、内容を素早く理解した上で、適切な内容かつ、文法的に正しい英文を完成させる必要がある。内容をきちんと理解できなければ正解に至らず、やや難しく感じられた受験生もいたのではないだろうか。

【第3問】A 不要な文の選択 B 意見内容の要約
昨年からの形式上の変更点はなく、A不要文選択の問題、B意見内容要約問題の2題であった。Aの不要文選択問題は、落ち着いて文脈を追うことができれば不要な文、つまり文章の流れを妨げる1文を選ぶのは、それほど難しくなかったのではないかと思われる。Bの意見内容の要約問題は、昨年までは1人の発言者の意見内容を選ぶ問題に加えて、複数の発言者に共通する意見内容を選ぶ問題であったが、今年は全員の意見をふまえて次にすべきことに言及する発言を選ぶものになった。

【第4問】A 図表を使った説明文読解 B 説明文書などの読み取り
問題形式・設問数に大きな変更はなかった。Aはスポーツにおける練習方法の違いとその効果を、ボールを的に当てるという実験で検証した文章で、例年通りの図表を含む読解問題であった。設問形式は、図表の内容から数値を計算させる問題や、後に続くであろう文章の内容を選ばせる問題など、昨年とは異なった出題もあった。Bはフリーマーケットの出店申請案内の読み取り問題で、設問数は昨年と同様であった。表の内容から計算させる問題など、設問内容・設問傾向も大きな変化はなく、読み取るべき内容をすばやく判断・抽出することが求められる点は例年通りである。

【第5問】物語文の読解
配点・設問数は昨年と同じ。内容はファンタジーが含まれるが、身近な題材で読みやすいものであった。作者が山で愛犬とはぐれてしまい、数週間後に探しに行くと、そこで不思議な老人と出会って、愛犬を取り戻すことができ、安堵感を得るという話。英文も文章の展開も平易でわかりやすく、設問にも紛らわしい選択肢はほとんど見られなかったが、話の内容をきちんと把握して、その意味をしっかりと理解する必要があった。本文の語数は昨年とほぼ同じ650語。

【第6問】論説文の読解
配点・設問数は昨年と同じであった。昨年は「道」の発達が人類の進歩につながったという話題だったが、今年は「自動販売機」の起源とその発展に関するもの。本文の語数は昨年とほぼ同じであった。問題形式も昨年とほぼ同じで、設問別に見ると、Aは昨年同様、指定されたパラグラフに関するオーソドックスな内容一致問題が4問、本文全体の主旨を問う問題が1問で、下線部を説明する問題が1つ含まれていた。Bは6つのパラグラフの内容をまとめる見出しを問うもので、ほぼ昨年と同じであった。総じて言えば、本文も設問も昨年とほぼ同じかやや易しいレベルであり、難解な語句は含まれていないので、落ち着いて考えれば理解できたであろう。