大学入試センター試験

《生物基礎》 設問別分析



【第1問】生物と遺伝子(生物の特徴・代謝・ミクロメーターの使い方・細胞構成成分・遺伝情報とDNA・遺伝情報とタンパク質の合成・DNAの研究史)
設問数は6問で昨年と変わらないが、マーク数は10個で昨年と比べて3個増加した。Aでは、生物の特徴・代謝・細胞構成成分に関する知識問題と、ミクロメーターを用いた計算問題が出題された。問1は生物の特徴や代謝に関する知識問題であり、平易。問2はミクロメーターを用いてミトコンドリアの長さを求める計算問題。問3は生体構成物質に関する知識問題であるが、やや解答しにくい。Bでは、遺伝子の発現や塩基の相補性に関する知識問題と、DNAの研究史に関する考察問題が出題された。問4は問題文が長いが、問われている内容は遺伝子の発現に関する基本的な知識であり、平易。問5はDNAとRNAの塩基の相補性に関する知識問題であり、平易。問6はDNAの研究史に関する考察問題であるが、実験内容を覚えていた受験生は素早く解答ができたであろう。

【第2問】生物の体内環境の維持(体液の濃度調節・ホルモン・免疫)
設問数は5問で昨年と変わらないが、マーク数は5個で昨年より1個減少した。Aでは、体液の濃度調節に関する考察問題とホルモンに関する知識問題が出題された。問1は硬骨魚類の体液の塩類濃度に関する考察問題である。淡水魚と海水魚の尿中の塩類濃度を比較する考察はやや難しい。問2は塩類細胞がおこなう塩類の輸送に関する考察問題であるが、塩類の輸送方向を知識として習得していた受験生は素早く解答ができたであろう。ホルモンに関する知識問題は平易。問3は硬骨魚類における外界の塩類濃度の変化に対する体液の塩類濃度に関する考察問題であり、やや難しい。Bでは、免疫に関する知識問題と考察問題が出題された。問4は細胞性免疫に関する知識問題であるが、正確な知識が要求されており、解答に時間を要する。問5は体液性免疫に関する考察問題である。実験内容と図を組み合わせて考察する力が問われており、解答に時間を要する。

【第3問】生物の多様性と生態系(バイオーム・炭素の循環・生態系とエネルギーの流れ・地球温暖化・大気中の二酸化炭素濃度の変化)
設問数は5問で昨年と変わらないが、マーク数は8個で昨年より3個増加した。Aでは、バイオームや炭素の循環、生態系とエネルギーの流れに関する知識問題が出題された。問1は平易。問2は主要な元素が炭素と窒素のいずれであるかの判断に時間を要する。問3は平易。昨年度も同じような問題が出題されている。Bでは、地球温暖化に関する知識問題と大気中の二酸化炭素濃度の変化に関する考察問題が出題された。問4は平易。問5は大気中の二酸化炭素濃度の変化に関するデータ考察問題であるが、季節変動の大きい地域と小さい地域での光合成をおこなう期間の長さに関する考察に若干の時間を要する。