大学入試センター試験

《生物》 設問別分析



【第1問】生命現象と物質(オペロン、細胞周期)
Aはラクトースオペロンと真核生物の転写調節に関する知識問題、Bは細胞周期に関する知識問題と実験考察問題である。全体に易しめである。問1〜3は教科書レベルの知識があれば解けるだろう。問4は、細胞数が2倍になる目盛りを読めるかどうかが勝負。問5は図2のグラフ1を二次・私大の過去問で練習していれば難しくはない。

【第2問】生殖と発生(ホヤの発生、花のABCモデル)
Aはホヤの発生運命の決定に関する実験考察問題、Bはアサガオの花の形成とABCモデルに関する知識問題である。Aの実験結果の解釈が難しく得点差がついたであろう。問1は易しめの知識問題である。問2、問3は実験結果の解釈が難しく、大きく得点差があついたであろう。問4、問5は、考察問題のようであるが、ABCモデルの基礎知識があることが前提になっているので、覚えていないと大きく失点したであろう。

【第3問】生物の環境応答(視覚、神経、筋収縮、カイコガのフェロモン、植物ホルモン)
Aは視覚、神経系、筋収縮に関する知識問題とカイコガのフェロモンに関する実験考察問題である。全体に易しめである。問1、問2は、教科書レベルの知識問題、問3の実験考察問題は、易しめであり、得点差がつかなかったであろう。問4、問5は、選択肢の文章が平易であり、図1、図2と照らし合わせていけば正答にたどりつけ、難しくはない。問6は、易しい教科書レベルの知識問題である。

【第4問】生態と環境(個体群、種間関係)   
Aは個体群に関する1問1答式の知識問題であり、Bは個体群の間接効果に関する実験考察問題である。全体に易しめである。問1〜問4は、教科書レベルの知識があれば解ける。問5は実験の内容だけを見ると解釈が難しいが、正答にたどりつけるように誘導されているので、見かけほど難しくはないだろう。

【第5問】生物の進化と系統(進化のしくみ、集団遺伝、遺伝子突然変異、植物の系統)
Aは進化の知識問題、集団遺伝の計算問題、遺伝子突然変異に関するデータ考察問題、Bは、植物の系統に関する知識問題である。教科書のすみずみまで覚えておかないと失点する内容で、比較的得点差がついたと思われる。問1は突然変異の大部分は中立であることを知っていないと失点するだろう。問2は、簡単な計算問題である。問3は、非同義置換が起こるほど、生存必須のタンパク質ではないことが理解できないと正答できず、大きく得点差がついたと思われる。問4は易しめの知識問題である。問5はクックソニアと地質時代に関する知識がないと得点できず、難しい知識問題である。問6は易しめのデータ考察問題である。

【第6問】生命現象と物質、環境応答(タンパク質、スプライシング、光受容体)
タンパク質の細胞内の分布や、スプライシング、光受容体に関する実験考察問題で、全体に難しめである。問1は実験の内容さえ理解できれば難しくはないが、文章がやや難しめで時間がかかるだろう。問2は、終止コドンより手前のアミノ酸数に気づくかどうかで正答を導くことができる。問3は、文章の内容を整理して、解釈するのに時間がかかり、失点した受験生が多かったであろう。

【第7問】生物の進化(進化と大気の変遷、地質時代、動物の系統、光合成色素)
進化と系統に関する総合問題である。全体的に知識問題に偏っており、教科書レベルの知識がしっかりしていないと失点する。問1は教科書レベルの知識問題であり、易しめである。問2は、動物の系統樹をしっかり覚えきっていないと失点するだろう。問3は、緑藻、紅藻、褐藻の光合成知識と、図1を照らし合わせていけば難なく解ける。