大学入試センター試験

《世界史B》 設問別分析



【第1問】文化の繁栄や受容
Aはフランドルの代表都市ブルッヘ(ブリュージュ)、Bはパルテノン神殿、Cはメキシコ市北部の礼拝堂に祀られる「グアダルーペの聖母」についてのリード文であった。Aではイタリアについての設問のほかに、交易や宮廷文化について、地域・時代ともに幅広く出題された。Bでは文化の受容についてab正誤組合せが出題された。Cでは指導者や南北アメリカについて出題された。全体的に、文化史を含めた幅広い知識が定着しているかが問われたと言える。


【第2問】戦争や対外関係
Aは英仏抗争史、Bは冷戦、Cは日中関係の発展におけるケ小平の役割についてのリード文であった。Aではイギリスとフランスの抗争やその帰結についてab正誤組合せが出題された。Bでは冷戦に関する年代整序6択問題が出題された。Cではケ小平や中国の対外関係についてアジア史を中心に幅広い時代から出題された。全体としては、戦後史を含めた幅広い知識が問われた。


【第3問】図書館と書物
Aはカリフたちによって建てられた三つの図書館、Bは大英博物館図書部、Cはドイツを代表する啓蒙思想家イマニュエル=カントについてのリード文であった。Aの年表補充問題では昨年と同様、中世に関する知識が問われた。Bでは植民地化や1848年革命について地域・時代ともに幅広く出題された。Cではナチス=ドイツに関する地図問題を含め、西洋史を中心に出題された。全体的に、年表補充問題や地図問題などへの対応力が鍵となった。


【第4問】人やモノの移動
Aは漢の武帝が設置した敦煌郡、Bは播州高砂出身の船乗り徳兵衛、Cは第一次世界大戦により変容したドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国についてのリード文であった。Aでは漢の武帝やユーラシアの東西を結ぶ人やモノの動きについて、中国史を中心に幅広く出題された。Bでは移民や移住、芸能や文芸について、文化史の知識を含めた幅広い知識が問われた。Cでは近年定番となったグラフ問題が出題された。グラフについては、年代の知識を問う問題であったため、歴史の流れの正確な把握が求められた。