大学入試センター試験

《数学II・数学B》 設問別分析



【第1問】三角関数、指数・対数関数
[1](三角関数)
(1)は三角比の不等式を解き進める問題である。誘導は丁寧で、流れに沿って計算すれば難しくはない。基本的な内容である。(2)は方程式の2解をsinθ、cosθとする問題で、解と係数の関係、三角比の相互関係を用いて計算を進める典型的な問題である。こちらも基本的な内容である。

[2](指数関数・対数関数)
(1)は指数の基本的な計算、式の対称性を利用した計算である。典型的な出題である。(2)は対数不等式を多項式に置き換えて解く問題である。置き換えまでは基本的だが、整数解の決定という後半の設問で戸惑う受験生は少なくないだろう。


【第2問】微分法・積分法
2つの放物線の共通接線、およびそれらが囲む図形の面積に関する問題。よく出題される設定ではあるものの、曲線同士の位置関係などが読み取りにくく、また、計算もやや煩雑である。計算の工夫を行わないと、最後まで解き進めることは難しいだろう。


【第3問】数列(選択問題)
複雑な漸化式を、誘導に従い変形を進めて一般項を求める問題である。文字同士の対応関係、階差数列の理解、和の計算の工夫、など一通りの内容を理解していることが求められる。また、置き換えがやや複雑であり、正確に計算を進める力が求められる。


【第4問】ベクトル(選択問題)
(1)(2)は成分によるベクトルの大きさ、内積の計算である。(3)は四角形の形状を問う問題であるが、2線分が垂直であること、対辺の長さの比から判断できる。(4)では四面体の体積を問われている。(3)までで求めた事柄を利用して、必要な長さを求めれば解決できる。総じて、方針は立てやすいものの計算量が多い。ミスに注意しながら着実に解き進めたい。成分計算で進めるか、ベクトルのままで大きさと内積から計算を進めるか、要所で適切な判断が求められる。


【第5問】確率分布と統計的な推測(選択問題)
ある市の市立図書館の利用状況に関する調査の問題である。ある1週間で借りた本の冊数や利用者数、利用時間についての基本的、標準的な計算が中心である。最後に信頼度95%の信頼区間を求める問題が出題された。