共通テスト 1日目解答

地理歴史

9:30-11:40

公民

9:30-11:40

国語

13:00-14:20

英語

15:10-18:10

共通テスト 2日目解答

理科①

9:30-10:30

数学①

11:20-12:30

数学②

13:50-14:50

理科②

15:40-17:50

地理歴史 地理B

設問別分析

【第1問】世界の自然環境と自然災害

知識で処理しうる設問は少なく、高い考察力を必要とする。なかでも、時間的・空間的スケールから現象を判別させる問1は新傾向である。問2・問3・問5なども、初見の受験生を苦しめたであろう。

問1 時間スケールだけでも判別可能。モンスーン=季節風だから、数カ月間の事象。
問2 サンゴ礁は、温暖で透明度が高い海域。海流は北半球で時計回り、南半球でその逆。
問3 南半球パースは1月が夏、亜寒帯ヤクーツクは年較差大、高山ラパスは常春。
問4 Jは変動帯=プレート境界周辺に、Kはハリケーンが来襲する北米南東岸に対応。
問5 沈み込み帯に沿った深震源と、地殻内部の浅震源。Rは2つの沈み込み帯を横断。
問6 短時間に内水氾濫が生じる都市型水害の特徴を想起。人工被覆との関係が重要。

【第2問】資源と産業

問1を除いて、統計データの読み取りが決め手となる設問が並んだ。基本的な知識を十分に活用して考察したい。遺伝子組み換え作物を題材とした問3では、注意深い正誤判定が求められる。

問1 中世に発達した三圃式農業の圃場。短冊状の分割は農民ごとの割り当てを示す。
問2 東アジアの水田耕作は灌漑が前提のうえ、二期作などの集約的農業により単収大。
問3 上位5か国にはインドが含まれる。EU諸国は遺伝子組み換え作物の規制厳格。
問4 生産量ではなく輸出比であることに注意。水牛を含むためインドも牛肉輸出国。
問5 大西洋に面するポルトガルは海洋国家。航空貨物は小型・軽量で高価な品目。
問6 大市場の米国、市場の小さいカナダとも森林資源が豊富なためパルプ割合が高い。

【第3問】日本の都市と人口

例年と異なり、日本に限定した出題となった。標準的なレベルの設問が中心であるが、第2問と同様に統計の処理が重要となる。問5では「従属人口指数」の意味を的確に読み取って判断する必要がある。

問1 この期間に東京一極集中が強まる。四国は関西と結合。遠隔の九州は東京へ。
問2 地価はバブル期に急騰、のち暴落。産業空洞化で町工場は海外移転。街は高層化。
問3 駅前中心部Dは空洞化、周囲が農地のEは宅地開発、Fは郊外の幹線道路沿い。
問4 地方圏では人口全体が減少しており、高齢化率が上がっても老年人口は増えない。
問5 従属人口指数が低い=生産年齢人口の割合高い=高度経済成長の条件。
問6 ポーランドのEU加盟は2004年だから、西側諸国への移住はその後。

【第4問】インドと中国

センター試験時代、中国地誌は2017年、2020年(比較地誌の一方)など、インド地誌は2008年、2016年(比較地誌の一方)などで出題されている。本問は、比較地誌というよりも、2か国を広域的に扱ったユニークな問題である。問2では、グループ設定基準の意味が分かれば、主要な稲作地域・小麦地域の分布から判断できる。

問1 やや難。森林割合が決め手になるが、Cだけでなく、4地域とも判定する習慣を。
問2 アは稲作=華南・東北やインド東岸、ウは小麦地帯=華北やパンジャブ地方など。
問3 インド政府による家族計画プログラムは、不妊手術などが国民の反発に合い失敗。
問4 工業化は中国先行、農業割合高いインドではICT関連産業の発達で通信業が成長。
問5 移民=労働力は途上国から先進国へ、オーストラリアの資源は工業国の中国へ。
問6 Sではシベリア内陸から海洋へ吹く季節風の影響。土壌はほとんど移動しない。

【第5問】地域調査(利根川下流域周辺)

地理A第5問と共通の問題だが、過去問と比べると利根川下流域という舞台設定はユニーク。常識的に処理できる問題が多く含まれるが、会話文の分量や資料点数が多いうえ、やや深い考察を必要とする設問も目立つため、落ち着いて対応できたかが分かれ目となった。

問1 Aから下流に辿ると東京湾。取手-佐原間は約40km=40000m、1万分の1は?
問2 Fは交通の便が良く、中心地機能が高いため、建物が密集しているであろう。
問3 1931年当時、aは市街地周縁部でb付近に官公庁が集中。道路交通は利便性重視。
問4 「利根川の支流への逆流」を防ぐ場所を考える。低平な下流域では決壊が怖い。
問5 近年、中国産などの輸入が急増。天然の鰻には海から遡るための魚道が必要。
問6 常識的に処理しやすいタイプだが、やや悩ましい。目的と手段の関係に留意。