大学入学共通テスト(以下共通テスト)リーディングは、長文読解問題が中心となります。文法や語彙の知識を直接問う問題は出題されませんが、文法や語彙の知識の重要度が下がったわけではありません。それらの知識も前提としたうえで、英文・イラスト・図・グラフなどから必要な情報を読み取り、正しい選択肢を判断する力が必要になります。短時間で多くの情報を処理する情報処理能力も必要になります。さらに令和7年度から新課程共通テストがスタートします。大学入試センターが発表している「令和7年度大学入学共通テスト試作問題」では1つの議題に対して様々な観点の意見を読んだ上で特定の立場に立ち、その主張を補強するために複数の資料を活用する問題が出題されました。また自分が作成したエッセイに教師の指摘を反映させるという設定の問題も出題されました。このように問題解決に向けて周囲の意見を参考にしながら、様々な情報を収集・整理・分析するという「探究」力が求められることが予想されます。
【今後の学習方針】
対策として必要なことは、まずは文法や語彙の知識を身につけ、盤石なものにすることです。次に四技能(聞く・読む・話す・書く)を意識しながらたくさん英文に触れ、その知識を「正しく」「迅速に」活用する練習を重ねましょう。これにより本質的な文法力・語彙力を自分のものにすることが可能になります。遅くとも高校3年生になるまでに英検2級レベルの語彙や文法のインプットを終了させ、その後は模試や過去問を利用して問題を解く経験を積んでいきましょう。
【学習アドバイス】
文法や語彙を修得するためには、品詞や意味を暗記するだけではなく、正しい音を意識して音読を通して覚えることも有効です。正しい音を意識しながら学習することで、リスニング力の向上にも繋がります。また、単語のみを覚えるのではなく、例文も使用しながら覚えるようにしましょう。大切なのは毎日継続して学習を行うことです。一日のスケジュールのどの時間に「英語」の学習をするのかを決めることも有効です。隙間時間の活用なども受験成功の鍵を握ります。
文法や語彙の知識が身についてきたら、長文読解の練習をする前に構文力を鍛えましょう。英文を読む際に主語・述語・修飾関係などに注意して読み進めることで構文力は身につきます。また構文の学習においても音読が非常に有効です。英文の構造や内容を把握しながら音読を重ねましょう。長文読解の速度を上げることにも音読学習は有効です。
共通テストのリーディングで高得点を取るためには、共通テストのリーディングの問題を繰り返し解いて、分析することが大切です。まずは今回の共通テストの復習をしっかり行ったうえで、模試をできるだけ多く受験し、実践形式での練習を重ねていきましょう。