共通テスト 1日目解答

地理歴史公民

9:30-11:40

国語

13:00-14:30

英語

15:20-18:20

共通テスト 2日目解答

理科

9:30~11:40

数学①

13:00-14:10

数学②

15:00-16:10

情報

17:00~18:00

地理総合、地理探究

設問別分析

【第1問】食料の生産や消費

自然環境・生活文化・地球的課題などの単元に結びつける形での出題でさまざまな単元にまたがる総合的な大問である。問3のコーヒーと茶の消費量に関する統計判定では、各国の食文化に対する理解が求められる。問4では食品ロスに関連してフードバンクが取り上げられた。

問1 高位に属するサウジアラビアなど産油国と日本との共通点は、「農業生産は不足するがお金はある」こと。中東産油国では乾燥気候、日本では工業化を背景に食料自給率が低い。
問2 ケープタウン周辺は、夏より冬の降水量が多い地中海性気候区である。
問3 イギリス人といえば紅茶を嗜む習慣、でも米国チェーン店などの影響などでコーヒーも飲むようになっている。中国人は烏龍茶、イタリア人はエスプレッソコーヒーが知られる。
問4 年中高温多湿なら、収穫時期には幅がある。一方で腐敗しやすいことがロスを生む。

【第2問】地域調査(愛知県東三河地域)

どの設問も図版の判読・考察や組合せ式への対応などに手間がかかり、受験生を焦らせる大問だった。設問数は少ないが、時間配分に注意したい。問1の新旧地形図の読図は、判読内容こそ過去問と同じレベルだが、形式が面倒な組合せ式になっており注意が必要。
問1 cについて、新図の8.8mの水準点と19mの標高点を見れば、どちらが高いかわかる。
問2 1000人以上のメッシュが4つあるから4000人以上≧3.6万人×0.1。三河湾臨海地区は、その名の通り港湾に面して立地。「海外メーカーの流通基地」もヒント。
問3 乏水のやせ地でも育つサツマイモは救荒用として江戸期に栽培が広がった。用水完成後、アクセスが良くなった名古屋など大都市へ新鮮な野菜を届ける近郊農業が発達。
問4 隣接しない遠い大阪には鉄道も使うだろうが、同じメガロポリス内の経済圏として結びつく静岡とは日常的に自動車で行き来するだろう。

【第3問】世界の自然環境と自然災害

問1・問5・問6など、慌てていると引っかかる可能性がある。落ち着いて対処したい。問3でラニーニャ現象が扱われたが、エルニーニョ現象を正しく理解していれば迷わない。問5では問題文の内容を理解してヒントにしたい。

問1 サハラ砂漠では低位だから②か③。②の線の中間での断絶をBにおける変動帯の大山脈の存在と結びつけたい。
問2 アは全体的に平坦、イには火口らしい地形を持つ山があり、ウは全体として高峻な山岳地帯を示す。
問3 北上する寒流ペルー海流の離岸と、これを補う湧昇流の影響で東太平洋赤道付近の海面はふだん冷たい。エルニーニョ(男の子※)が起きるとこの海水温が上昇。湧昇流に含まれる有機塩類のお陰で集まるアンチョビー(カタクチイワシ)は不漁となる。ラニーニャ(女の子)現象はその逆に平年以上に海水温が下がる。
※具体的には「神の子」イエスのこと。クリスマスの時期に短期間の海水温上昇が起きて不漁になりやすいため、ペルーの漁師は「神の子がくれる休暇」と考えてこう呼んだ。しかし、これが数ヶ月も続くと「エルニーニョ現象」と呼ばれ、漁師の生活にも深刻な打撃を与える異常気象の問題となる。
問4 先進国では堤防などの防災や気象情報の発達などで被災者数は少ないが、経済水準が高いため被害額は大きくなりやすい。途上国ではその逆。とくに人口密度の高いバングラデシュでは水害の起きやすい低平地に多くの貧困層が居住している。
問5 温暖化により北極海では海氷の融解が進み、問題文にあるような日射の反射が減って、海面での日射エネルギー吸収が高まる。したがって、高緯度帯においては南半球に比べて北半球の平均気温上昇が著しい。
問6 浸水想定区域にあって人口分布の多い場所が、避難場所からの特定の距離圏に入っていなければ、避難が間に合わない人がたくさん出るだろう。落ち着いて対処すれば、知識不要で解答可能。

【第4問】エネルギーと産業

問1の発電や問4の観光などの統計問題では、日本の動向(福島第一原発事故後の原発の地位低下、インバウンド観光の増加とアウトバウンド観光の低迷など)が判読の鍵となる。問2では製造過程の読み取りが重要。問5ではファブレス企業(自前の工場を持たない企業)の経営構造が題材となった。問6は注釈を利用して指数の意味を正しく理解したい。

問1 アは全体的に発電量を拡大する新興国、イは原発事故の影響で火力に依存せざるを得ない国、ウは再生可能エネルギーの開発に努めて脱原発と脱火力政策を進める国。
問2 醤油は原料の大豆に水を混ぜるから製品のほうが重く、ワインは原料のぶどうを絞って皮や種は除去するから製品のほうが軽い。原油は分離するだけで重量の変化は小さい。
問3 繊維工業は伝統的産地である北陸や中国地方などにも分布。商業は都市圏に多いが、小売業よりも商圏の広い卸売業のほうが大都市に集積する。
問4 温暖なスペインは寒冷なドイツなどから観光客を受け入れる。タイは東南アジア有数の観光国だが自国民の海外旅行はごくわずか。日本はインバウンドが急拡大したが、長年の不況、所得の停滞でアウトバウンドが減少。
問5 題材は新しいが、判別は基本的。外部企業への委託は人件費を主としたコスト削減のためであり、部品も製品も小型軽量で輸送費割合の小さいハイテク製品では市場への近接性は立地の主要因にならない。
問6 注釈より、正の値は貿易黒字(輸出超過)、負の値は貿易赤字(輸入超過)。日本は自動車輸出国。中国は電気機器などの輸出国。世界最大の市場をもつ米国は工業製品輸入国。

【第5問】産業構造の変化に伴う都市の変容

大問内で各設問の難易度に差が少ないため、受験生の間で差がつきやすいと思われる。問1・問2・問4など日本の産業・社会の変化に関する設問は、以前から多く出題されており、常識力の向上を含めた配慮が必要である。問3では地域別の都市人口率に関する理解だけでも判断可能。

問1 70年代の石油危機後、基礎素材型産業を主軸とした三大都市圏を含む太平洋ベルトは地位が低下し、産業構造の高度化で重要になった加工組立工業の立地は地方に分散。
問2 D・Eともに高齢化の進んでいるカが新しい時期。ニュータウンには働き盛りの夫婦とその子どもからなる核家族が一斉に入居するため、ピラミッドに2つの山ができる。
問3 都市人口率について、アジアの新興国は低かったが急上昇、ヨーロッパ諸国は農業も保護されてそこそこ高く、新大陸の国は企業的農業に人手が不要なため極めて高い。
問4 最近の流行語でいえば「オールドメディア」の出版・新聞は共に衰退傾向だが、地方紙(ブロック紙)や全国紙の地方発行本社も存在する新聞業に対して、出版社は大手も中小も東京に集中している。
問5 「同心円状」の意味がわかれば判断できる。ドックランズの再開発は重要事項。

【第6問】インド洋とそれをとりまく地域

2013年・2019年には地中海沿岸、2024年には環太平洋地域が出題されているから、このような主題設定は驚くには当たらない。問3はインドネシアとシンガポールの判別が決め手。問5で「こんな小さな島国のことは知らない」と投げ出さないこと。判断のポイントは基本知識に過ぎない。

問1 熱帯低気圧は転向力の働かない赤道上では発生せず、緯度5°-20°付近で発生して高緯度方向へ移動する。
問2 インダス川流域は主に乾燥帯だが、上流のパンジャブ地方では地下水の汲み上げによる灌漑農業によって、稲作と麦作の二毛作を行う。
問3 ペルシャ湾岸の産油国はインドなど南アジアから建設労働力として多くの移民を受け入れる。東南アジアの国際分業のハブ(中軸)となっているシンガポールは、周辺諸国に多くの工業製品を輸出している。
問4 タンザニアのスワヒリ語、インドのムガル帝国、ミャンマーのロヒンギャ人を想起する。言語・宗教などの民族問題については個別の知識が不可欠である。
問5 モーリシャスの主な宗教はヒンドゥー教となっているが、これはインドの民族宗教であり、インドの旧宗主国はイギリスである。そのため、世界各地の旧イギリス植民地には印僑と呼ばれるインド系移民が多い(マレーシア、ガイアナ、フィジーなど)。

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