大学入試センター試験

《物理》 設問別分析



【第1問】小問集合
問1では、点Oから一様な棒の重心までの距離を考えればよい。
問2では、1本の導線のまわりの磁力線を考え、2本の導線の流れる電流が同じ向きであることから選択すればよい。
問3では、経路ADCがどれだけ長くなると再び最小になるかを、λで表すとよい。クインケ管は引き出した距離と経路差が異なることに気を付ける必要があるが、今回の問題ではその旨が問題文に書いてあるので、それにならって解答すること。
問4では、ボイル・シャルルの法則と気体の内部エネルギーの式から考える。
問5では、衝突前の小球Aの運動する方向とそれに垂直な方向で、運動量保存則を考えればよい。


【第2問】電磁気
Aはコンデンサー回路についての出題である。
問1では、図1(b)、(c)より導体の部分を導線に描きかえればよいことに気づくかどうかで差がつく。
問2では、問1と同様に回路図を描きかえたうえで、導体Q、R間のコンデンサーの電圧を考えると正解できる。
普段自分で回路図を描いているかどうかで差がついただろう。

Bは磁場中と電場中を運動する荷電粒子についての出題である。
問3では、フレミングの左手の法則を用いて磁場中の荷電粒子にはたらく力の向きを考え、磁場は荷電粒子に仕事をしないことから判断する。
問4では、電圧によって生じた電場から荷電粒子がされた仕事と運動エネルギーの関係から考えるとよい。


【第3問】波動
Aは水面波のドップラー効果に関する問題である。
問1では、振動数と周期の関係など、物理量の理解が正確に出来ているかで差がついたであろう。
問2では、x軸の正の向きに波源が運動するとき波長がどのように変化するかを考えて、グラフを選択するとよい。

Bは光の干渉に関する問題である。
問3では、光の干渉条件の式から明線の間隔の式を求め、明線の間隔と光の波長やスリットの間隔の関係から正解を選択できる。
問4では、異なる媒質同士の境界面における反射による位相の変化と屈折率による光路長の変化について、正しく理解していると正解できる。


【第4問】力学
Aは小物体の衝突と鉛直円筒面内の小物体の運動に関する問題であった。
問1では、運動量保存則を考えるとよい。
問2では、まずエネルギー保存則から点Pにおける小物体の速さを求め、点Pにおいて小物体にはたらく重力と遠心力を考慮して垂直抗力が0以上となる条件を考えれば良い。典型問題のため、答えを覚えている受験生も多かったであろう。

Bは鉛直ばねでつながれた2物体のつりあいと運動を考察する出題であった。
問3では、小球1、2それぞれにはたらく力に着目して、力のつりあいの式を立てる。
問4では、問3と同様に小球1、2それぞれにはたらく力に着目して、ここでは運動方程式を立てる。


【第5問(選択)】熱力学
水槽中に浮かぶ円筒容器に封入された気体の状態変化に関する問題である。
問1では、浮力と重力のつりあいから考える。
問2では、垂直抗力がどうなると上昇を始めるか、水圧と気体の圧力による力のつりあいから考える。
問3では、体積が大きくなると浮力も大きくなるので、上昇を始める。温度はボイル・シャルルの法則から求められる。


【第6問(選択)】原子物理
原子核と放射線に関する問題である。
問1では、放射性崩壊による原子番号や質量数の変化から考える。
問2では、与えられた数値と核反応式から求める。
問3では、α線、β線、γ線がどのように帯電しているかから求める。