共通テスト 1日目解答

地理歴史

9:30-11:40

公民

9:30-11:40

国語

13:00-14:20

英語

15:10-18:10

共通テスト 2日目解答

理科①

9:30-10:30

数学①

11:20-12:30

数学②

13:50-14:50

理科②

15:40-17:50

国語

全体概観

昨年から大問数は変化なし。設問数は2つ、マーク数は1つ増えた。第1問の評論。昨年に続き二つの文章を読ませる複数テクスト型の出題であった。第2問の小説は戦後初期の小説。問7は広告を掲載した説明的な資料を用いた新傾向の設問。第3問の古文は歌論『俊頼髄脳』。歌論の出題は2018年度センター試験『石上私淑言』以来5年ぶり。第4問の漢文は白居易の『白氏文集』からの出題であった。

大問数
減少 | 変化なし | 増加
設問数
減少 | 変化なし | 増加 +2
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 +1
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化
 大問数4題、各大問の配点50点。大問数は変化なし。設問数は2つ、マーク数は1つ増えた。

 第1問の評論では、ル・コルビュジエの建築における窓について異なる観点から論じた二種類の文章が【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】という形式で出題された。この形式は昨年同様。【文章Ⅰ】、【文章Ⅱ】ともに引用文が含まれており、【文章Ⅱ】には写真が含まれていた。問1の漢字問題では昨年の傾向が踏襲された。問2、問3、問4は【文章Ⅰ】から、問5は【文章Ⅱ】からの出題(傍線部問題)、問6は【文章Ⅰ】と【文章Ⅱ】の関連を問う問題。生徒の発言の途中に空欄(X・Y・Z)が設けられ、空欄に入る発言を選ばせる形式であった。

 第2問の小説は、戦後派の梅崎春生「飢えの季節」からの出題で、引用箇所の字数は昨年より多く、設問数は2問増えた。問1~6は「私」の心情などを問うオーソドックスな設問で、まぎらわしいものも含まれている。問7は雑誌広告とそれについての説明文を掲載し、その資料による構想と考察から空欄補充の設問が用意されているが、広告という視覚的材料に目を奪われないように注意したい。

 第3問の古文の出典は歌論『俊頼髄脳』。本文は一つで、問4に『散木奇歌集』から和歌と詞書が引かれている。歌論の出題は2018年度センター試験『石上私淑言』以来。本文が一つで、設問に和歌の引用があるのは、2021年度第1日程や昨年度追試験と同じ。教師や生徒の発言に関する空欄補充問題の出題や、設問数が4つであることは昨年度本試験と同じ。語句と表現に関する問題、広い範囲に関する合致問題の出題は共通テストになって毎年度出題されているものである。

 第4問の漢文は著名な出典である『白氏文集』から白居易自身による、官吏登用試験の[予想問題]と[模擬答案]の組み合わせという珍しい形が出題された。語の意味、解釈、返り点の付け方と書き下し文の組み合わせ、内容説明など、例年の定番の出題に加え、比喩、空欄補入などが出題された。設問数7、マーク数9は昨年と同じであった。

難易度は国語全体としては、昨年並み
年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2023 第1問 評論:柏木博『視覚の生命力―イメージの復権』   :呉谷充利『ル・コルビュジエと近代絵画―二〇世紀モダニズムの道程』 6 12 50
第2問 小説:梅崎春生『飢えの季節』 ※問7でランプの広告あり 7 8 50
第3問 古文:源俊頼『俊頼髄脳』 ※問4で源俊頼『散木奇歌集』が出題 4 8 50
第4問 漢文:白居易『白氏文集』 7 9 50
2022 第1問 論理的文章:檜垣立哉『食べることの哲学』(文章内に宮沢賢治「よだかの星」)、藤原辰史『食べるとはどういうことか』 6 11 50
第2問 文学的文章:黒井千次「庭の男」 ※設問中に飯田蛇笏、高浜年尾、夏目漱石の俳句 5 8 50
第3問 古文:『増鏡』、『とはずがたり』 4 8 50
第4問 漢文:『揅経室集』阮元 7 9 50
2021 第1日程 第1問 評論: 香川雅信『江戸の妖怪革命』 ※設問中に芥川龍之介「歯車」 5 12 50
第2問 小説:加能作次郎「羽織と時計」 ※設問中に宮島新三郎「師走文壇の一瞥」 6 9 50
第3問 古文: 『栄花物語』 ※設問中に『千載和歌集』 5 8 50
第4問 漢文:欧陽脩『欧陽文忠公集』 『韓非子』 6 9 50
2021 第2日程 第1問 評論: 多木浩二『「もの」の詩学』 6 11 50
第2問 小説:津村記久子「サキの忘れ物」 6 9 50
第3問 古文: 『山路の露』 5 8 50
第4問 漢文:曾鞏「墨池記」 ※設問中に『晋書』「王羲之伝」 7 9 50
2020年以前はセンター試験
年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2020 第1問 評論:河野哲也『境界の現象学』 6 11 50
第2問 小説:原民喜「翳」 6 9 50
第3問 古文:『小夜衣』 6 8 50
第4問 漢文:『文選』謝霊運の詩 6 7 50
2019 第1問 評論:沼野充義『翻訳をめぐる七つの非実践的な断章』 6 11 50
第2問 小説:上林暁「花の精」(『星を撒いた街』) 6 9 50
第3問 古文:『玉水物語』 6 8 50
第4問 漢文:『杜詩詳註』 7 8 50

【参考】過去の平均点の推移

2022 2021(第1日程) 2020 2019 2018 2017 2016 2015
110.26 117.51 119.33 121.6 104.7 107.0 129.4 119.2