◆主体的に考え、社会参加の意識を持とう
成年年齢が18歳になり、消費者としても成人扱いになりました。つまり、権利とともに責任も持たねばならなくなったのです。
「公共」は、「現代社会」の知識と具体的社会活動を結び付け、自分で調べ、主体的な判断を養成して、一歩踏み込んで実践する位置づけと言えます。例えば、選挙での投票では自己の判断・決定が社会を動かし、そして成人扱いとなって様々な契約の主体とならなければならなくなったのです。選挙制度や経済行動に飛び込むにあたって、様々な知識をもとに主体的に決断しなければならなくなったとも言えます。そこで様々な制度などの理解の前提としての、思想・哲学が問われることとなりました。
◆時事問題に注意し、問題意識を持つこと
公共は、社会問題を考える入り口の科目です。最近の傾向は、資料を読んで把握し、自分で判断するように作問されていることです。したがって、能動的に日常のニュースと教科書との関連性を絶えず注視し、総合的に社会事象を考え、問題意識を持つことが求められます。それには教科書を学ぶこと。学び・知ることが問題意識の入り口です。また、資料文や様々な図表・統計などを手早く把握し、処理する能力を普段から意識的に養成する必要があります。国語力を基礎として、時事問題等に興味を持ち、自己の考えを養うことが肝心です。マスメディアや情報機器などを通じて大量の情報が入手できる時代。これからの社会では主体的に調べて判断するためには、情報の処理能力が必須でもあります。
◆新しい出題形式に慣れる必要がある
まず、「大学入学共通テスト」になって導入された、新形式の出題形式の設問に慣れることから始めましょう。選択語群を複数セットで組み合わせる設問も増えています。また図表・グラフなどの資料も大量に引用されており、すばやく読み取って答えなければなりません。過去問のない「公共」では、「現代社会」の過去問にも数多く当たり、様々な設問形式を経験しておくことが必要です。膨大な文章量・図表などを見て、何が問われているのか設問の意図を早く把握すること。それには類題を多くこなすことが一番です。
◆教科書の基礎知識を前提に、長文や諸資料の内容を概観する
設問の要求する解答の方向をすばやく予測して、総合的に判断する訓練を普段から心がけてください。東進の「共通テスト本番レベル模試」は2か月に一度、共通テスト本番と同じ形式、レベルで実施されます。定期的に受験して、問題形式や時間配分などの実戦的訓練を通じて、自分の学習進度を確認しましょう。
情報化・グローバル化の進展で、海外のニュースがリアルタイムに飛び込んできます。それを理解するためには、それぞれの社会の政治・経済の制度と、その時代的背景や地理的要件の理解が必要になってきます。したがって、歴史・地理・倫理の総合的理解があって初めて現在の社会事象を把握できると言えます。「公共」は単体としては、今回のテストが唯一の過去問ですが、類題を多くこなすのがベストです。