◆通史の学習と問題演習は学習の両輪!
共通テストの歴史総合は、歴史的事象の意味や意義、特色や相互の関連などを、多角的かつ総合的に考察する力が求められています。更に歴史総合という科目そのものが、「世界とその中の日本」という、日本史と世界史を統合して歴史を俯瞰することを期待しているため、共通テストにもその期待が反映されていると言えるでしょう。
こうした「探究」的な要素が含まれていることを考えると、史資料読解型の問題への対応が必要になってきます。ただし、あくまで歴史総合の試験であるため、歴史総合の基本知識とそれを踏まえた歴史の流れの「理解」が伴っていることが史資料を読みとる前提条件です。「理解」を深め、基本的な知識を身に付ける努力は常にし続けましょう。 入試問題は教科書を無視して作ることはできません。そのため、どの教科でも学習の時に第一に拠るべきは教科書です。教科書の熟読、学校で教わった情報の整理などを進めつつ、通史の学習を進めましょう。
ただ、歴史科目は往々にして覚えるなどのインプット学習に力点が置かれがちです。未習の部分があったとしても、積極的に演習にとりくむようにしましょう。インプットとアウトプットを繰り返すことによって、何をどこまで把握するべきかなど、学習の方針が定まってくるはずです。
◆「考える」学習習慣を身に付けよう!
歴史総合は覚える要素が比較的強い科目であり、もちろん最終的に覚えることは重要です。しかし、ただ覚えるだけでは定着の効率はよくありません。知識を定着させるために最も重要なのは「理解」することにあります。「理解」した上で覚えた知識は中々忘れにくいですし、何より共通テストではこの「理解」が問われています。
「理解」するためにできることは何でしょうか?「考え」ながら教科書を読む習慣を身に付けることをお勧めします。例えば、ロシア革命について学ぶとき、ロシア革命そのものの展開と結果はもちろん、(1)何を背景にロシア革命が起きたのか、(2)それは当時の世界のどのような情勢や出来事と関連があったのか、(3)革命は当時の世界や日本にどのような影響をもたらしたのか、(4)革命が外交・経済・社会といった他の分野にどう関連したのか、(5)他の時代に起きた革命と共通する/異なる部分は何なのか、といった様々な観点から考え整理するとよいでしょう。このようにして整理することで、教科書を精読しやすくなり、様々な知識を関連づけて覚えられるだけでなく、共通テストの問題を「考え」て正答を導くときのベースとなります。
また、教科書も本文だけでなく、掲載されているグラフ・表・絵画などにも注目してみましょう。その際に「ただ眺める」のではなく、「そこからどのような情報を導けるのか」を考察する習慣をつければ、「理解」も深まりますし、共通テストの訓練にもなります。
ただし、歴史総合という科目自体歴史が浅いため、教科書に取り組みにくいと感じる人もいるでしょう。その時はまず、中学歴史の教科書で、世界史的な情報を整理することから始めることをお勧めします。歴史総合の教科書は中学歴史で学んだ情報の上に構成されているので、中学歴史で触れた知識を中心に「理解」を深めていくことで、歴史総合の教科書も取り組みやすくなります。
「理解」しながら正確な基本知識を身に付け、早いうちから共通テストに向けて準備を進めていきましょう。
◆模試を活用して実戦力を高めよう!
学習の習慣をつけるためにお勧めしたいのが、模試の受験です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めると年間全6回実施されます。また、2022年11月に発表された試作問題や2025年1月の本試験などをふまえ、出題される可能性の高い問題を想定しながら作成されています。東進の共通テスト本番レベル模試は、本番の共通テストにおける実戦力を高め、得点を最大化するのに不可欠なツールといってよいでしょう。
新高3生対象の直近の東進模試としては、第1回共通テスト本番レベル模試(2025年2月23日実施)などがあげられます。模試を積極的に受験し、学習のペースメーカーとして活用しましょう。