大学入学共通テスト(以下共通テスト)では、リスニングもリーディングと同様100点満点となり、多くの大学で配点通り1対1の得点比率を採用しています。したがって、今までよりもリスニング対策に対する重要性が高まっていると言えます。共通テストリスニングの特徴としては、英検2級レベルまでの語彙が範囲となること、英文が一度しか読み上げられないパートがあることなどが挙げられます。特に1回読みの部分では、音声が流れる前にいかに聞く「準備」ができているかが重要です。選択肢の内容や設問文に事前に目を通すだけではなく、状況や条件を限られた時間内で把握して聞き取りのポイントを明確にする準備も必要です。
【今後の学習方針】
共通テストリスニングの対策として、まずは話されている内容を理解するために必要な基本的な語彙力と文法力を固めることが大切です。共通テストでは語彙や文法の知識が習得できていることが前提で、その知識を「正しく」活用できているか、その知識を使った情報処理能力が問われます。遅くとも高3になるまでには英検2級レベルの語彙や英文法の学習は一通り終えましょう。その際、読んだり書いたりすることも大切ですが、音声を活用して「聞いたり」、「話したり」することも大切です。正しい音で発音することを心掛けてアウトプット(実践的な演習)を繰り返しましょう。
【学習アドバイス】
リスニングの力は英語を聞かなければ伸ばすことができません。したがって日頃から英語を聞く練習を継続することが大切です。習慣的に多様な英語を聞いて耳を鍛えることがリスニング力の向上につながります。一日のスケジュールの「どこか」に英語を聞く時間を短時間でもよいので設定してみましょう。素材については、自分のレベルにあったものを使って練習することが大切です。「英単語が覚えられていない」、「単語の発音がわからない」という人は、正しく音が発音できるように単語の音から覚えていきましょう。「単語は覚えているけれど、リスニングはあまり自信がない」という人は短い文や会話から始めるとよいでしょう。初めのうちは、次々に新しいものを聞くよりも、同じ素材を何度も繰り返し聞いて、英語のイントネーションを身につけるようにしましょう。学校の教科書の音源や以前受けた模試の音源等も積極的に活用してください。
短文なら聞き取れるという人は、長めの会話や文章の聞き取り練習をし、英語を英語の語順のまま処理していく力を高めましょう。近年は、他者と認識を一致させたり、資料を用いた議論を行ったりするなど、「探究的な場面」でのコミュニケーション力がより問われる傾向にあります。ただ聞くだけでなく、その会話や文章を聞いて「自分自身がどう思ったか」を英語で表現できるようになると高得点が期待できます。その後は模試や過去問を活用して実践形式で演習を重ねましょう。