学芸員

歴史的遺産や芸術作品の研究を通じて、知識を広く発信する仕事

美術、演劇に関する仕事

こんな人に
オススメ!
  • 物事を深く追究するのが好きな人
  • ものを集めるのが好きな人
  • ものを大切に扱える人

1.学芸員の仕事とは?

学芸員とは、博物館や美術館などで、資料※の収集・保管・展示・調査・研究など、専門的な業務を行う職員のことです。「キュレーター」と呼ばれることもあります。

博物館や美術館には、たくさんの資料(作品)が展示されている他、展示する資料以外の所蔵品もたくさんあります。学芸員は、勤めている施設にふさわしい資料の情報を集め、重要なものであれば収集します。そのうえで、分析や研究を行ったり、どのように展示すればいいかを考えたりしながら資料の保管・管理に努めます。

貴重な資料を破損したり、紛失したりすることがないように、取り扱いは慎重に行わなければなりません。また、所蔵品を他の施設で行われる展覧会などに貸し出すこともあります。その際には他の施設との打ち合わせや所蔵品の運搬・展示に立ち会うこともあります。

さらに、定期的に行われる展覧会(企画展)の企画・運営も大事な仕事です。企画を立て、どんな資料を集めて展示を行うかを考えます。また、一般の人を対象に行うワークショップなどのイベントを行うのも仕事の1つです。

 

*歴史研究の材料となるものは「史料」ともいいます。

2.学芸員の役割・資質とは?

博物館や美術館などは写真・絵画・歴史・文学に関するものなど施設によって扱う専門分野が異なります。学芸員に必要なのは、その専門分野に関する深い知識です。自分の興味のある分野について情報を集め、知識を深めておきましょう。「写真が好き」「○○の絵が好き」「古銭を集めるのが好き」など、何か1つのことに興味を持って、深く追究していくことは、学芸員の仕事に通じるものがあります。普段から博物館や美術館に出かけ、作品や資料を観ておくことも将来につながる良い経験となります。

また、普段は目にすることのできない貴重な資料を間近で見たり触れたりすることができるのが学芸員の魅力でもあります(もちろん、その際は手袋とマスクが必須です)。

展覧会の企画など自分がやってきた研究や仕事が展示という目に見える形で表現でき、観覧者の反応という評価を得られるのも、喜びを感じる瞬間だといえるでしょう。

3.学芸員になるためには?

学芸員資格は「博物館法」という法律にもとづいた国家資格です。ひとことで博物館や美術館といっても、それらは博物館法の適用を受けた「登録博物館」、博物館法の適用を受けないものの一定の基準を満たした「博物館相当施設」、それら以外の「博物館類似施設」に分類されています。

 

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POINT

  • 博物館・美術館・水族館など幅広いフィールドで活躍する
  • 自分の興味・専門を追究できる
  • 取得すると有利な資格・免許あり

関連情報

学芸員について(文部科学省) HP

学芸員資格の取得方法などを掲載している。その他、各自治体のホームページにも、学芸員の募集についてのページがあるので参考にするとよい

オススメの1冊

『ミュゼオロジー入門』

(岡部あおみ他著/武蔵野美術大学出版局)

美術館の実践活動から、ミュゼオロジー(博物館や美術館に関する学問)の方法論を探った1冊

近年、学芸員の資格取得について法改正の動きがある。最新の情報をチェックしておこう!

INTERVIEW

現役の学芸員に聞きました

東京都写真美術館 学芸員

藤村 里美さん

PROFILE

ふじむら さとみ
多摩美術大学 美術学部芸術学科卒業

 東京都写真美術館の藤村さんは、中学生のときに写真部に在籍していたほどの写真好きで、高校生の頃から学芸員になりたいと思っていたそうです。
 展覧会の準備などで忙しく毎日を過ごしている藤村さんに、学芸員の仕事についてうかがいました。

1

お仕事の内容は?

2

このお仕事の醍醐味は?

3

学芸員を目指す人にアドバイス

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この職業に近づく大学は?
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早稲田大学:文学部考古学コース

文献による学習に加え、遺跡や遺物の物質調査による研究と学習も重視する。発掘作業を中心に測量、撮影、資料採取などの調査技術や遺物、記録類の整理などの基礎技術を習得する。旧石器時代から近代までの考古学分野や世界各地の考古学を学ぶことができる。

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駒澤大学:文学部歴史学科

3つの専攻を設置。日本史学専攻では史料から歴史像を構築し、論理的かつ客観的に考える力を養う。外国史学専攻では歴史学を通じて過去を学び、世界の今と未来を展望する力を養う。考古学専攻では遺跡や遺物を通じて過去の人々の暮らしや社会の様相を学ぶ。

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國學院大学:文学部史学科

希望する進路に応じ、公務員や一般企業への就職希望者向けのS-プログラムと、大学院への進学や教職を目指す学生向けのP-プログラムのいずれかに所属する。そのうえで、日本史学、外国史学、考古学、地域文化と景観の4つから専門とするコースを選択する。

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京都府立大学:文学部歴史学科

日本史・日本文化史、東洋史・東洋文化史、西洋史・西洋文化史、文化遺産学の4つのコースで構成される。各自の研究課題を決め、演習などを通して卒業論文に取り組む。文献や史資料の調査・収集力、読解・分析力を養い、歴史研究をもとにした応用力を鍛える。

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学芸員をより詳しく知ろう
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カンボジア密林の巨大寺院と大橋梁と大貯水池 ―アンコール王朝の歴史の謎(9世紀〜15世紀)―

上智大学13代学長
上智大学アジア人材養成研究センター所長
石澤 良昭先生

研究やビジネスの最前線を走る“現代の偉人”を講師に迎える「トップリーダーと学ぶワークショップ」。今回は、アジアのノーベル賞といわれる「ラモン・マグサイサイ賞」を2017 年に受賞した上智大学13代学長、上智大学アジア人材養成研究センター所長の石澤良昭先生をお招きし、カンボジアでのアンコール・ワット遺跡の保存修復をテーマにご講演いただいた。大いなる歴史の謎に迫ると同時に、文化遺産の保存修復を通じてカンボジアの人々の誇りの回復に尽力する石澤先生。多くの高校生たちが胸打たれた当日の模様をお伝えする。

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