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藤倉 なるみさん  東京都 私立 桜蔭中学校 中1
東進衛星予備校つくば南大通り校

題名:「AI農業」の研究について

 みなさんは、日本の食料自給率を知っているだろうか。ご存知の方も多いだろうが、カロリーベースの食料自給率は38%と、先進国の中でも最低となっている。日本の食料自給率が低いことには、耕地面積が小さいことや米中心の食事からパンや肉を多くとる食事に変化したことなどが考えられる。農業の人手不足問題が進む中、このまま何の対策もとらなければ、食料自給率はもっと下がってしまうだろう。その中で、私はAI農業についての研究者になりたいと考えた。

 AI農業とは、農作業にAIを利用することで作業の効率化や人員のさく減をはかるものである。私が、なぜAI農業について興味を持ったのか。まず私の祖父母は農業を趣味としてやっていて、私も祖父母の手伝いをしているうちに農業の大変さを感じ、もっと楽にできないかと考えたことが理由の1つとして挙げられる。その時はまだ「AI農業」についてはほとんど知らず、中学受験の教科書でほんの少し学んだだけだった。しかし、それから少しした時に、いちごの生産にAIを活用しているというニュースを目にした。その中では、いちごの形はめしべにまんべんなく花粉がついたかどうかで決まり、よく利用されているハチを使った受粉ではどうしても花粉のつき方にばらつきが生まれてしまい味は問題ないのに形で廃きされてしまうといういちごが生まれる。それをふせぐために、ハチがどのような動きをしてめしべに花粉をつけるのかをAIで解析し、そのデータをもとに機会を利用して、いちごの受粉をさせ、美しい形をしたいちごを作るという研究が行われていた。私はそれまで農業は肉体だけを使った単純作業で、機械やAIを利用するにしても農薬をドローンで散布したり、作物を収かくしたりするときに少し利用するだけだと思っていた。しかし、その研究の中では「受粉」という単純な作業を細かく分析してAIに学習させ、それによってえられたデータをもとに農作業を機会にやらせていた。「肉体」ではなく「頭脳」を利用して単純な作業をデータにして研究する。その美しさに心ひかれた。もちろん、データにしてそれを機秋に実践させるのにはばく大なお金がかかるだろうし、データにするのも簡単なことではない。それでも「AI農業」の研究をしてみたいと考えた。

 AI農業について研究するためには、理想論だけでなく現実も考えなければならない。先程挙げたように、AI農業にはかなりの資金が必要になってくる上に、あくまでデータなので、実際にやったらまったくうまくいかないということになるかもしれない。このようなことを考えるために、AI農業が盛んだといわれているアメリカやカナダなどの国に行って、現地ではどのようにAIを活用しているのかを調べたい。また、留学にもかなりの資金が必要になるため、留学支援のある大学に行き、英語力を磨きたいと考えている。

 AI農業は、なくてはならない「食」を頭脳を利用して生産するものである。やり方によっては多くの人を支えられるものなので、これから努力を積み重ねてたくさんの人の役に立てるようがんばりたい。