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【2026年度共通テスト実施状況概略】

 2026年1月17日(土)、18日(日)の両日、新学習指導要領に移行後、2回目となる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が全国650の会場で実施された。
 今回からオンラインでの出願となり、受験票は各自印刷して持参することになったが、大きな混乱はなかった模様。
 1日目のトラブルとしては、2科目受験の「地理歴史・公民」では、札幌北高等学校試験場(北海道)で天井からの電子音のような異音が発生したため、29人が別室に移動したことで試験時間を25分繰り下げ、係員が受験科目数の変更を受けてしまう誘導ミスにより東京芸術大学美術学部試験場(東京)では3人が150分、専修大学生田校舎試験場(神奈川)では1人に対して130分繰り下げ措置が取られた。また、日本大学理工学部船橋校舎試験場(千葉)でも係員による誘導ミスで1人が再試験の対象となった。この他、東京科学大学大岡山キャンパス試験場では、受験生が机上に置いていた小型置時計のアラームが鳴り、48人が再試験の対象に、三重大学試験場(三重)では試験時間中に受験生の携帯電話が鳴ったことから64人が再試験の対象となった。
 2日目は大阪府阪南市の南海電鉄尾崎駅で人身事故の影響で、和歌山大学試験場と県立向陽高等学校試験場(和歌山)で試験時間を20分繰り下げ、羽衣国際大学試験場(大阪)では時間通りに到着できなかった1人が2時間繰り下げて別室受験した。また、JR琵琶湖線でも人身事故が発生し、滋賀大学彦根キャンパス試験場と滋賀県立大学試験場(いずれも滋賀)で7人に対して試験時間を40分繰り下げた。
 2日間を通じては、7人が試験時間中のスマートフォン使用などの不正行為で失格となったが、全体的に見て大きな事故・トラブルはなく終了した。
 なお、追試験(受験許可者数969人)および再試験(希望者数96人)は、1週間後の1月24日(土)・25日(日)に東日本は東京農工大学(小金井キャンパス)と東京都立大学(南大沢キャンパス)、共立女子大学、西日本は京都市立芸術大学、京都教育大学等で行われる。


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【志願者数・受験者数等】
志願者数は496,237人と、前年の495,171人から1,066人の増加(前年比100.2%)し、2年連続の増加となったものの、3年連続の50万人割れとなった。出願資格別の内訳は、高等学校等卒業見込者(現役生)は420,311人で前年度の425,968人から5,657人の減少(同98.7%)、高等学校等卒業者(既卒生)は71,310人で前年度の64,974人から6,336人の増加(同109.8%)、高等学校卒業程度認定試験合格者等を含むその他は4,616人で前年度の4,229人から387人の増加(同109.2%)となった。利用大学・短大数は、私立大学・短期大学の募集停止などもあり、前年度から25大学減少して813大学となった(内訳:私立大学-11、私立専門職大学+1、私立短期大学-15 ※国立81大学、公立95大学、私立511大学、公立専門職大学3大学、私立専門職大学9大学、公立短期大学13大学、私立短期大学100大学)。
受験者数は「外国語(リーディング)」が速報ベースで456,386人と、前年度の確定数から2,718人(前年比100.6%)増加、受験率(受験者数/志願者数)は、前年度の91.6%(確定値)から0.4ポイントアップの92.0%であった。センター試験時代の2020年度の受験率が93.1%、2019年度の受験率が93.4%であったことを鑑みると、共通テストを課さないタイプの総合型選抜や学校推薦型選抜を利用して早期に進学先を決定した受験生や、私立大学専願者の共通テスト回避を含め、最終的に受験を敬遠した受験生が一定数いると思われる。

【出題内容の変化について】
 教科・科目により差はあるが、全体的には、大学入試センターから公表された「問題作成方針」中の「問題作成の基本的な考え方」に基づいた、「各教科・科目の特質に応じた学習の過程を重視した」「大学への入学志願者が高等学校教育の成果として身に付けた、知識・技能や思考力・判断力・表現力等」を問う出題といえる。
 共通テストでは、身に付いた知識を活用し、提供された多くの「資料・表・グラフ・地図・写真・文章」を読み解き、必要な情報を抽出して最終的に適切な解答を導き出す力が求められるため、全教科ともに限られた時間の中でスピーディーに問題を解く必要がある。

各科目の注目される出題としては、
「英語(リスニング)」の第4問Aでは、イラストを順番通りに並べる問題が出題されたが、従来は4枚だったイラストが1枚増えて5枚になり、不要なものが1つ含まれる形式に変更になった。
「国語」では、第3問の実用的文章で絵本(大片忠明『イワシ むれで いきる さかな』)が題材となったことが目新しい。また、第5問の漢文は、日本漢文(長野豊山『松陰快談』)からの出題であったが、日本漢文が2年連続で出題されるのは珍しい。問7で同一出典の別の箇所が出題され、複数素材の漢文の組み合わせという出題形式になった。
「数学Ⅰ、数学A」の第2問〔1〕「2次関数」は、ある範囲における最大値・最小値の条件から、放物線について考えるという目新しい設定であった。また、第4問「場合の数と確率」は丁寧な誘導が与えられていたが、その一つひとつの考察を行うのに時間を要した。
「歴史総合、世界史探究」第3問では、これまで「歴史総合、日本史探究」では出題された例があったマンガ(池田理代子『ベルサイユのばら』)を素材とした問題が出題された。そのほかにも絵画や風刺画など、複数の史資料を使用した問題が目立った。
「物理」は探究や実験、会話などの要素が減り、文章選択の要素も少なかった。一方で、今年度はこれまでになかった難しい問題に対しては類似の例を挙げてヒントが与えられ、正答しやすいような配慮がなされた。
「情報Ⅰ」は、前年度と同様、探究的問題解決をテーマにした大問がほとんどであったが、「補助記憶装置と主記憶装置の違い」、「2進数から16進数への変換」、「OR演算」、「プログラムの挿入問題」など、情報Ⅰを真剣に学習していないと解けない問題が増加した。

各教科の詳細は「東進解答速報の設問別分析」を参照してほしい。

【難易度変化について】

<難化したと予想される教科> 「英語(リスニング)」「国語」「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅰ」「歴史総合、世界史探究」「地学基礎」「物理」「情報Ⅰ」 <易化したと予想される教科> 「英語(リーディング)」「数学Ⅱ、数学B、数学C」「地理総合、地理探究」「地理総合」「歴史総合、日本史探究」「公共、倫理」「公共」「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「化学」 ※その他の科目は前年度並みと予想される。
前年度、初実施で7割近い平均点となった「情報Ⅰ」は難化し、平均点は10点以上下がる見込み。また、「物理」は2年連続難化し、平均点は5割を切る見通しとなっている。一方、前年度、平均点が5割を切っていた「化学」は易化し、平均点が大幅に上がると思われる。 <総合型6教科8科目1000点予想> 理科系600点(前年比-36.0点)、文科系593点(前年比-28.0点) 受験者が多い「リスニング」や「国語」、「数学Ⅰ、数学A」、「情報Ⅰ」の平均点が下がることで、理文ともに平均点は下がると思われる。また、「物理」の平均点が大きく下がることから、平均点の前年度からの下がり幅は理系が文系を上回る見込みである。 なお、特定教科の各科目間で平均点の差が20点以上または、15点以上の平均点の差が生じ、かつ、段階表示の区分点差*が20点以上生じた場合に実施される「得点調整」は、「中間集計その2」において最大平均点差が「化学」と「物理」の11.30点であったため、今年度は実施しないことが1月23日、大学入試センターから発表された。 *区分点差:各科目の成績の段階表示(スタナイン)の各段階の境目となる、上から4%、11%、23%、40%、60%、77%、89%、96%の分位点(得点)の差

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【共通テスト2027】出題科目や問題作成方針を公表

Resemom

大学入試センターは2025年6月6日、2027年度(令和9年度)大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法、問題作成方針などを発表した。問題作成の基本的な考え方、問題の構成・内容、出題教科・科目ごとの問題作成方針などを定めている。本試験は2027年1月16日と17日に行われる。

2026-01-20