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【2022年度共通テスト実施状況概略】

 1月15日(土)、16日(日)の両日、教室の換気や消毒、座席間隔の確保などの感染対策のもと、2回目となる「大学入学共通テスト」が全国677(16日は676)の会場で実施された。
 1日目は大雪による交通機関の遅延により、北海道・山形・福島・広島1道3県の計6会場で20~67分繰り下げて試験を開始した。東京大学本郷キャンパス試験場前では受験生ら3人が刺傷される事件が起きたが、試験は通常通り実施された。(文部科学省からの要請により、2日目は各試験会場でパトカーの巡回等、警備が強化された)
 2日目は、トンガ沖で起きた大規模な海底火山噴火による津波警報影響で、岩手県立大学宮古短期大学部試験会場の試験が中止となった。そのため、津波警報や注意報が発令された影響で2日目の試験を受験できなかった他地域の生徒も含め、再試験の対象とした。その他、津波の影響や人身事故により交通機関の一部運休や遅延の影響を受けた受験生には試験時間の繰り下げ等の対応がなされた。
 なお、今年度は前年度のような第2日程は設けられず、本試験から2週間後の1月29日(土)・30日(日)に東京を除く各都道府県1会場、東京都は2会場の計48会場で追試験が、6試験場において再試験が実施される。追試験の受験許可者は1,657人、再試験の対象者数は1日目が52人・2日目が215人の計267人である。


【志願者数・受験者数等】
◆志願者数は530,367人と、前年の535,245人から4,878人の減少(前年比99.1%)となった。減少の主な要因としては、既卒生の減少(4,222人減の76,785人、前年比94.8%)が挙げられる。一方、現役生は18歳人口の減少にもかかわらず微減(426人減の449,369人、前年比99.9%)に留まった。これは、私立大の共通テスト利用方式の拡大に加え、前年度に引き続き、新型コロナ感染症などで個別試験を受験できなくなった場合、個別試験の代わりに共通テストの成績で合否判定を行うとする大学も多く、コロナ禍拡大時のリスクヘッジとしての利用が受験生の出願を促したことによる。現役志願率は45.1%と2021年度より0.8ポイントアップし、過去最高となっている。参加大学・短大数は過去最多となった前年度より2大学減少し、864大学であった(内訳:公立大学+2、公立専門職大学+1、私立専門職大学+1、公立短期大学-1、私立短期大学-5)。

◆受験者数は外国語リーディングベースで481,573人、大幅に減少した前年から4,538人増加(前年比101.0%)し、受験率(受験者数/志願者数)も前年度の89.1%から90.8%とアップした。しかし、2020年度と2019年度のセンター試験の受験率が93.4%であったことを鑑みると、初実施にして緊急事態宣言下であった前年度の共通テスト同様、総合型選抜や学校推薦型選抜を利用して早期に進学先を決定した者を含め、最終的に受験を敬遠した受験生が一定数いると思われる。


【出題内容の変化について】
教科・科目により差はあるが、全体的には、大学入試センターから公表された「問題作成方針」中の「問題作成の基本的な考え方」に基づいた、「思考力・判断力・表現力」を問う出題といえる。前年度、第2日程で出題された連動型問題は、今年度は出題されなかった。
 今年度は前年度からの大きな出題傾向の変化はなかったが、共通テストでは、身についた知識を活用し、提供された多くの「資料・表・グラフ・地図・写真・文章」を読み解き、必要な情報を抽出して最終的に適切な解答を導き出す力が求められるため、全教科ともに限られた時間の中でスピーディーに問題を解く必要がある。
 特に今年度の数学(特に「数学Ⅱ・数学B」)では長文化した問題文を短時間に読解して理解しないと解けない、思考力を求められる問題が多く、本質的な数学の力だけでなく読解力も問われることとなった。

各科目の注目される出題としては、
◆「英語(リーディング)」では、第1問はイラストでなく写真を使った書籍情報の読み取りが出題された。
◆「国語」では、試行調査で話題となった「実用的な文章」を読み解いて答える問題は、昨年に続き今年も出題されなかった。
◆「日本史B」第2問では、前年度は見られなかった年表を用いた形式の問題が出題された。また第4問では、生徒のメモが素材として使われたり、2文正誤の問題において、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題された。
◆「生物」第3問は肢芽の発生を題材にした実験考察問題であったが、データがすべて文章で表されるという目新しい出題形式であった。実験内容を自力で整理しなければならず、全体に時間がかかったと思われる。
などが挙げられる。

各教科の詳細は「東進解答速報の設問別分析」を参照してほしい。

【難易度変化について】

※1月21日、大学入試センターから平均点の中間集計その2が発表された。
平均点の最終発表は2月7日(月)予定である。

<難化したと予想される教科>
国語、数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B、日本史B、倫理、物理基礎、生物基礎、化学、生物

<易化したと予想される教科>
リーディング、リスニング、化学基礎、地学基礎、地学

※その他の科目は前年度並みと予想される。

 初の共通テストであった前年度は平均点が高い科目が多かったため、2年目の今年度は平均点の下降が予想されていた。その予想通り、前年度平均点がアップした数学や生物は大きく平均点を下げることとなった。
 実際の受験生の受験科目の選択率を勘案した加重平均(5教科7科目900点)予想としては、理科系514点(前年比-57.0点)、文科系508点(前年比-45.0点)と予想される。
 特に基幹科目である「数学Ⅰ・A」「数学Ⅱ・B」がともに大きく平均点を下げたことが、理文ともに総合成績のダウンにつながっている。

 なお、同一教科の科目間で平均点の差が20点以上となった場合に実施される「得点調整」は、今年度は実施しないとの発表が行われた。

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