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2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様と、そのご家族・関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復旧をお祈りいたします。
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【2024年度共通テスト実施状況概略】

 2024年1月13日(土)、14日(日)の両日、現行課程では最後となる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が全国668の会場で実施された。
 1日目は、「共通テスト」では試験当日の登録科目数の変更が許可されていないにも関わらず、「地理歴史、公民」で「2科目受験」と登録していた受験生の1科目受験への変更希望の申し出を試験担当者が受けてしまったことにより、國學院大學渋谷キャンパス試験場(東京)では2時間11分、奈良女子大学試験場では1時間12分遅れで各1人が受験となった。また、大阪人間科学大学庄屋学舎試験場では「地理歴史、公民」の1科目受験をしていた受験生47人に15秒ほど早く試験を終わらせるミスがあったことから再試験の対象となっている。この他、午前11時36分ごろに京都府城陽市の近鉄京都線久津川駅と寺田駅の間で起きた人身事故の影響で、京都市や京田辺市にある試験場で「国語」を受験予定だった4人に対し、最大で1時間20分の試験開始時間の繰り下げ措置が取られた。
 2日目は静岡県のJR東海道線磐田~豊田町間で発生した沿線火災で遅延が生じたため、「数学①」から静岡文化芸術大学試験場では338人について20分、浜松医科大学試験場では1人について50分の繰り下げ実施となった。
 両日で確認された不正行為はカンニングペーパーの使用や定規の使用など4件で、4人が失格となっているが、全体的にみて大きな事故・トラブルはなく終了した。
 なお、追試験および再試験は、本試験2週間後の1月27日(土)・28日(日)に東日本は東京外国語大学を含む5会場、西日本は京都工芸繊維大学を含む7会場、そして1月1日に起きた令和6年能登半島地震で被災した受験生を対象とした石川県1会場(金沢大学)の計13会場で実施される。 追試験の受験許可者数は1,628人、再試験の対象者数は1日目が48人、2日目が2人の計50人である。


【志願者数・受験者数等】
◆志願者数は491,914人と、前年の512,581人から20,667人の減少(前年比96.0%)となり、大学入試センター試験時代の1992年以来32年ぶりの50万人割れとなった。減少の主な要因としては、現役生は18歳人口の大幅な減少と、早期に合格を勝ち取ろうと学校推薦型選抜や総合型選抜を受験する生徒が増えたこと、さらには既卒生の減少(3,422人減の68,220人、前年比95.2%)が挙げられる。現役志願率は45.2%と前年度から0.1ポイント増加し、過去最高となっている。参加大学・短大数は、私立大学・短期大学の募集停止などもあり、過去最多となった前年度から6大学減少して864大学となった(内訳:公立大学+1、私立大-5、私立専門職大学+2、公立短期大学+1、私立短期大学-5 ※国立82大学、公立95大学、私立530大学、公立専門職大学2大学、私立専門職大学8大学、公立短期大学13大学、私立短期大学134大学)。

◆受験者数は「外国語(リーディング・筆記)」ベースで450,535人と、前年度から14,508人(前年比96.9%)の減少となったが、受験率(受験者数/志願者数)は前年度の90.7%から91.6%にアップした。しかし、センター試験時代の2020年度の受験率が93.1%、2019年度の受験率が93.4%であったことを鑑みると、総合型選抜や学校推薦型選抜を利用して早期に進学先を決定した者や、私立大学専願者の共通テスト離れを含め、最終的に受験を敬遠した受験生が一定数いると思われる。
なお、石川県内に設置された7カ所の試験場では、志願者数5,229人のうち4,931人が「外国語(リーディング・筆記)」受験しており、受験率は94.3%。受験生本人はもちろん、関係者の尽力により、多くの困難を乗り越えて本試験に臨んだ。

【出題内容の変化について】
 教科・科目により差はあるが、全体的には、大学入試センターから公表された「問題作成方針」中の「問題作成の基本的な考え方」に基づいた、「思考力・判断力・表現力」を問う出題といえる。
 今年度も前年度からの大きな出題傾向の変化はなかったが、共通テストでは、身についた知識を活用し、提供された多くの「資料・表・グラフ・地図・写真・文章」を読み解き、必要な情報を抽出して最終的に適切な解答を導き出す力が求められるため、全教科ともに限られた時間の中でスピーディーに問題を解く必要がある。
なお、来年度からは新学習指導要領での共通テスト実施となるため、「情報」が加わり6教科30科目から7教科21科目に再編される。

各科目の注目される出題としては、
◆「英語(リーディング)」の第4問で出題された、記事、アンケート結果を踏まえてプリントを作成するという状況設定は、過去見られないものであった。
◆「国語」では、第2問の現代文(小説)で語句の問題が復活した。また、第3問の古文は江戸時代の歌文集『草縁集(そうえんしゅう)』で、前年度に続き和歌に関わる文章が出題されたが、共通テストでは初めての江戸時代の文章出題となった。試行調査で注目されていた「実用的な文章」は、今年度も出題されなかった。
◆「地理B」第3問で本試験では初めて生活文化が扱われた。また、第4問の世界地誌では「環太平洋の地域」が初めて取り上げられた。
◆「数学Ⅱ・数学B」では、会話文など共通テスト特有の出題形式の問題が減った代わりに、論理の流れを正しく追えるかを問う問題が多く出題された。特に、第1問〔2〕や第2問では、選択肢から正答を選ぶ設問が多く、論理に関する習熟度が問われた。
◆「化学」では医薬品やドーピング検査など身の回りの化学をテーマにした出題が増加した。一方で、前年度は見られた、方眼紙を用いた作図による実験結果の解析問題は出題されなかった。
などが挙げられる。
この他、「現代社会」では「インターネット選挙運動」、「政治・経済」では「一帯一路構想」や「人口オーナス」について出題されるなど、時事問題を扱った問題も多く見られた。

各教科の詳細は「東進解答速報の設問別分析」を参照してほしい。

【難易度変化について】

※1月19日(金)、大学入試センターから「令和6年度大学入学共通テスト(本試験)平均点等一覧(中間集計その2)」が発表された。 最終発表は2月5日(月)の予定である。(1月19日時点での採点未終了者は約500人)

<難化したと予想される教科> 「日本史B」「現代社会」「政治・経済」「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」 <易化したと予想される教科> 「英語(リスニング)」「国語」「地理B」「生物基礎」「生物」「地学」 ※その他の科目は前年度並みと予想される。 難易度が大きく変化していた過去3回の共通テストと比較すると、出題形式が落ち着いてきた感がある。 2年連続で過去最低点となり、前年度は得点調整となった「生物」についても、知識を問う問題が増加し、実験考察問題が減少したため、平均点は上がっている。 一方、最も受験者数が多い科目である「英語(リーディング)」の平均点は51.54点で、共通テストが実施されてから最も低かった前年度からさらに2.27点下がっている。試験全体の総語数が前年度より300語ほど増加し、約6300語となったことで、時間が足りないと感じた受験生も多いのではないだろうか。 <総合型5教科7科目900点予想> 理科系564点(前年比+15.0点)、文科系539点(前年比+6.0点) 「国語」の平均点が大きく上がることと、前年度と比較して大きく平均点を下げる科目が少なかったため、理文ともに平均点は上がるものと思われる。 なお、同一教科の科目間で平均点の差が20点以上となった場合に実施される「得点調整」は、今年度は実施しないとの発表が行われた。

共通テストの最新ニュース

【共通テスト2024】成績通知書の送付開始

Resemom

大学入試センターは2024年4月1日、2024年度大学入学共通テストの成績通知書の送付を開始した。成績通知書は、出願時に希望した志願者に限り、書留郵便で送付される。4月10日までに成績通知書が届かない場合は、4月11日以降に志願者専用電話へ連絡するよう呼びかけている。

2024-04-02

令和6年能登半島地震に関する令和6年度大学入学共通テストにおける 特例措置の実施について

大学入試センター

令和6年能登半島地震に関し、被災した受験者が1月13日、14日に実施する本試験を受験できない場合の受験機会を確保するため、1月27日、28日に実施する令和6年度大学入学共通テストの追試験において、次のとおり、特例措置を実施します。

2024-01-09

東大、25年度入試の「情報Ⅰ」配点発表 共通テスト全体の10%に

朝日新聞デジタル

東京大は6日、2025年1月実施の大学入学共通テストで導入される「情報Ⅰ」の配点を発表した。文科1~3類、理科1~3類のいずれも、全体の配点1千点のうち100点(配点割合10%)とした。 大学入試センターの配点では、6教科8科目を課すと全体で1千点でうち「情報Ⅰ」は100点(10%)。大学・学部ごとに配点は変更可能だが、東大はそのまま配点することを決めた。

2023-12-08