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親子で話し合っておきたい
大学にかかるお金の準備と使い方

『大学生活や学生生活の必要経費が上昇するなか、
進学を不安にしない大学受験費用計画を立てるには?』


社会や経済の大変化を前に、学費捻出の不安は尽きないもの。受験費用や初年度納付金、自宅外から通う場合は家賃や光熱費などが上昇するなか、思い込みや情報不足で進路をあきらめたり変えたりすることのないように、進学にかかる費用や、使える制度を把握して、見通しや計画を立てましょう。

各大学でも独自の給付型奨学金や学費減免制度の拡充が進み、2020年からは文科省により「高等教育の修学支援新制度」(無償化)もスタートしています。これにより、2019年度には12,128人だった新規採用者数が、2020年度には199,366人にまで増加しました。進路への意識や進学意欲を共有することはもちろんですが、大学進学にかけるお金について、いつ何にどのくらい費用を充てるのか、それをどんな方法で賄うのか、お子様の将来の夢や目標にどうつながっていくのか、親子で話し合う時間を持ってみませんか。

大学入学から卒業までにかかる費用
いつ、何に、どれくらい?

大学受験にかかる費用


日本政策金融公庫によると、受験料や交通費等の受験費用は、国公立大学で277,000円、私立大学文系で313,000円、私立大学理系で322,000円となっています(2021年度)。ほかに、模擬試験や講習受講にかかる費用、受験する大学の数や組み合わせによって異なるものですから、まとまった入学金から細かな諸費用まで、お子様の受験スケジュールにかかる費用をトータルにつかんでおきましょう。


1.願書(募集要項)の取り寄せ

国公立大学は無料ですが、私立大学は無料と有料(数百円~千円程度)とがあります。近年ではインターネット出願を導入し、大学ホームページよりダウンロードする形を採る大学も増えています。

2.入学検定料(受験料)

大学入学共通テストの検定料は18,000円(3教科以上受験の場合)、私立大学は大学によって異なり、共通テスト利用方式で15,000円程度、一般方式で30,000~35,000円程度となっています。私立大学の共通テスト利用方式は、各大学の個別試験を受ける必要がなくても、共通テストとは別途に検定料が必要です。例えば、国公立大学志望で、国公立大学の前期日程と後期日程の試験と、私立大学3校(共通テスト利用方式1校、個別試験方式2校)の計5校を受験する場合は、約130,000円かかることに。私立大学では同じ大学における複数回受験(複数の学部を併願する場合や、同じ学部であっても異なる試験方式で受験する場合等)について受験料の割引を行う大学もあるので、利用して費用を抑えることもできます。各大学のホームページなどでしっかり調べておきましょう。

3.模擬試験や講習受講

大学入学共通テストを前に、講習受講や全国模試による力試しを希望するお子様も多いでしょう。高3になって慌てるよりも、高校入学時からお子様の性格や学生生活に合わせた年間を通じた計画を立てておきたいものです。

4.その他

学校の下見や試験会場にかかる交通費や宿泊費も計算しておきましょう。

大学入学までにかかる費用

1.入学金

合格した大学に入学する意志がある場合、入学金を納入して入学手続きに進みます。国公立大学と私立大学を併願するときに注意してほしいのが、第2志望の入学手続きの期限が、第1志望の入試や合格発表よりも前に設定されているかどうか。この場合、第1志望校に合格して入学することになっても第2志望校に納めた入学金は返還されません。複数の大学を受験する場合は、入学しなかった大学の入学金費用がかかることを覚えておきましょう。

2.学費

授業料や施設設備費、諸会費を春と秋の2 回に分けて納入するのが一般的です。初年度の春学期分は、入学金と同時振り込みとする大学も多いようです。金額は学校や学部で異なりますが、大学にかかるおかねの最大の出費金額にあたるといっていいでしょう。

国立大学の学費は、定められた標準額(昼間部の場合は入学金+授業料で817,800円)の120%を超えない範囲で各大学が入学金や受験料を自由に設定できることになっています(授業料は学部によらず同額)。現在は、千葉大、東京藝術大、東京工業大、一橋大、東京医科歯科大が授業料を値上げしていますが、その他の国立大学では標準額内に据え置かれました。

公立大学の授業料は概ね国立大学に準じますが、入学金については大学を設置する地方公共団体(自治体)の出身者を優遇することが多いようです。例えば、東京都立大の場合、東京都の住民であれば入学金は141,000円ですが、それ以外の者の入学金は282,000円に、名古屋市立大の場合は、名古屋市の住民であれば入学金は232,000円ですが、それ以外の者の入学金は332,000円となるなど。

私立大学では、同じ大学でも学部系統によって学費が異なります。「文科系」では約119万円で国立大学の約1.5倍、「理科系」では約157万円で国立大学の約1.8倍となっています。

3.その他

大学にかかるお金にはうっかり失念しがちな諸費用もあります。履修する授業ごとに必要な教科書やコロナ禍で進んだハイブリッド型授業(オンラインと対面の併用)に使うノートパソコン等の購入費、大学・学部によって必要となる実習費やユニフォーム代などは、事前にリストアップして計画的な準備を。入学式のスーツや靴は就活にも使えるものを前提に購入するケースが多いようです。進学を機に一人暮らしを始める場合は、引っ越し費用や家賃、家財道具の準備も計画的に。


学生生活にかかる費用

生活費には住居費、食費、教養娯楽費、書籍・勉学費が含まれます。自宅生と比べて、自宅外通学生で膨らみがちで、国公立大学で約3.2倍、や私立大学で2.8倍の費用を要します。それらを賄うのは、家庭からの給付(仕送り)が大半を占め、奨学金やアルバイト収入も充てられています。首都圏における自宅外通学の私立大学生では、高い割合を占める生活費は住居費です。しかし、家賃は上がって仕送りが減り、生活の支えとして奨学金やアルバイトによる収入が欠かせない状況が進むなか、コロナ禍でアルバイトができず困窮する学生が増加。入学金や授業料の減免、給付型奨学金の支給制度など、学生を孤立させない支援が欠かせないものとなりました。

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現代の大学生の半数近くが活用する
奨学金


奨学金とは、経済的理由により修学に困難がある優れた学生等に対し、教育の機会均等および人材育成の観点から「貸与」あるいは「給付」の経済的支援を行うもので、
①経済的援助が必要な学生を対象
②学業成績が優秀な学生を対象
としたものとがあります。
国の奨学事業を行う日本学生支援機構(以下、JASSO)によると、2020年度には大学に進学した学生の2人に1人が何らかの形で奨学金を利用しています。JASSOのほか、大学や地方自治体、交通遺児育英会などの団体が独自に行っているものがあります。JASSOのホームページではさまざまな奨学金制度について検索できます。親子で話し合って申し込み条件や時期を把握しておくなど、使えそうな制度は早い段階で正しく理解しておきましょう。

1.給付型(返済不要)

原則として返す必要のない奨学金。学習意欲のある経済的に困難な学生に対して、授業料・入学金を免除または減額し、返還不要な奨学金を支給します。しかし募集人員は少なく、家庭の経済状況や高校での学業成績などの条件が定められています。2020年度から始まった「高等教育の修学支援新制度」も給付型です。

2.貸与型(返済必要)

卒業後に返還が必要な奨学金。「無利子型」と「有利子型」があります。無利子型は借りた金額と返す金額が同じです。有利子型は借りた金額に加えて利子の支払いが必要ですが、借りるための条件が緩やかだったり、毎月支給される金額が大きかったりするため、必要以上に借りてしまうことのないよう、返還計画を考えて申し込む必要があります。

3.減免型

現金を受け取る奨学金と異なり、大学の入学金や授業料等の一部もしくは全部の支払いを免除する奨学金。受験生が経済的理由で就学困難になることがないように「予約型」として入学前に申請し、合格後に入学後の奨学金給付を予約できるものや、入試の成績優秀者に奨学金が支給されるものなど、大学独自の授業料減免制度も多く登場しています。

4.大学独自の支援

学生の置かれた状況や社会的要請を踏まえて、大学による経済的支援も進みます。目標とする大学について、お子様と一緒に調べてみましょう。

・東京大学「東京大学学部学生奨学金」
・東北大学「元気・前向き奨学金」
・九州大学「中本博雄賞修学旅行支援奨学金」
・早稲田大「めざせ!都の西北奨学金」
・慶應義塾大「学問のすゝめ奨学金」
・立教大「『自由の学府』奨学金」
・明治大「特別給費奨学金」
・関西学院大「ランバス支給奨学金」ほか

5.その他

奨学金は入学後に発効するケースがほとんどです。入学手続き時に間に合わず、入学金等が不足しそうな場合など、各種ローンの利用を考えるケースもあるでしょう。それには、国や金融機関が行う教育ローンや、大学が民間企業と提携して実施する学費ローンがあります。学生本人が借り手となる貸与型の奨学金とは異なり、保護者が借り手となります。

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新しい社会でなりたい自分になることをあきらめないために

国際競争力が低下し、生産年齢人口も減少する中、お子様の未来の創造に学びがもたらす力は大きいもの。大学進学を通して、好きなことを追究し、高い専門性や技術力を身に付ける未来をあきらめないことは大切です。


2020年度から始まった、経済的に困難な学生等を支援する「高等教育の修学支援新制度(無償化)」。具体的には、消費税の増収分を財源として家庭の年収や成績など一定の条件を満たした学生に対して支援を行い、授業料等の減免に加えて、生活費として月額最大75,800円の給付型奨学金を支給するものとなっています。
支援が必要な低所得者世帯の経済的負担を軽減することを主眼としてスタートしているため、授業料等の減免額、給付型奨学金の支給額は、家計の状況や通う大学が国公立大学か私立大学かによって変動するほか、給付型奨学金については、自宅から学校に通うのか、自宅外(寮や下宿等)から通うのかによって変わります。

ただし、誰もが家庭の経済事情に関わらず学べる環境を整備することは喫緊の課題であり、給付型奨学金と授業料減免の中間層への拡大やライフイベントに応じた柔軟な返還(出世払い)の仕組みの創設などを経て、制度の見直しも進んでいます(2021年5月、扶養する子供が3人以上の多子世帯と私立の理工農系の学生の世帯を対象に、年収600万円の世帯まで給付の対象が拡大されました)。専門機関やプロの情報発信にもアンテナを張って、今できることから準備を始めましょう。

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参考資料/東進進学情報

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