一般・教育
「頭がいい人」の受験術

私は二〇年以上にわたって、大学受験小論文を指導してきた。そうしたなかで常々思うのは、「合格するべき人は合格する」という、ごく当たり前のことだ。
もちろん、例外はある。ふだんのその生徒の振る舞いなどから見て、「なぜ、この生徒が難関校に合格したんだろう」と疑問に思うこともないではない。だが、そんな場合も、あとで聞いて、その生徒はしっかりと計画を立てて勉強していたことが判明する。
ふだんの生活態度、勉強に対する意識、科目に対する考え方のしっかりしている生徒はきちんと効率よく勉強をし、志望校に合格する。それらの点であやふやな生徒は、迷い、ためらい、やる気を出さず、やる気が続かず、無駄なことばかりをし、意味なく焦り、結局は受験に失敗をしてしまう。
大学受験は、受験生のほとんどが一度も経験していない長期間にわたる持久戦だ。言ってみれば、これまでせいぜい八〇〇メートル走しか経験のないランナーがマラソンを走るようなものだ。受験に対する気持ちを維持するのは難しい。だが、それをうまくコントロールできれば、合格できる確率が高くなる。
そこで、本書では、大学受験生の生活態度、勉強についての考え方、受験に対する心構え、試験直前、そして当日の心構えなどをとりあげ、受験に失敗している人は、どうしているのか、どこが成功する人と違うのか、どうすれば、成功に導くことができるのかを、わかりやすくまとめてみた。
ここに書いたのは、受験生として、ある意味で当たり前のことばかりだ。だが、この当たり前のことすらできていない受験生が、実は大多数なのではあるまいか。本書に書いた、受験に失敗する受験生の例の中に自分に当てはまる例があったなら、これを反面教師にして、考え方を改めてほしいものだ。
そして、本書に書かれていることを、「受験生にとっての当たり前のこと」と感じるまでになってほしい。そうなったときには、志望校合格は目前だろう。そして、合格するべくして合格する受験生の仲間入りをしているだろう。
本書がきっかけとなって、多くの受験生が正しい受験への取り組み方を身につけ、しっかりと勉強して、志望校に合格することを祈っている。
樋口裕一