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名人の授業


名人の授業シリーズ 吉野のパワーアップ古文 和歌の修辞法編

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 何千文字も費やして自分の気持ちを相手に訴える、それをたった31文字で表現してしまう、それが和歌です。そのために歌人たちはいろいろな修辞技法を駆使しました。歌人たちもすごく苦労して和歌を作ったと思います。ということは、和歌を完全に理解するのは受験生には無理ということです。だってそうですよね、古文の普通の文章(散文)もすらすら理解できないのに、歌人たちが苦労して作った和歌だけはなぜかわかる。そんな受験生というか、そんな日本人なんていません。君たちは今まで学校や予備校で、「これとこれは掛詞、ここからここまでが序詞、これとこれが縁語。和歌は慣れましょう」って教わってきたのではないですか。そう教わった人、なぜそう教わったのか、それは古文を教える先生・講師に和歌に対する学力がないからです。和歌に対する学力がないから、説明ができないんです。「慣れましょう」って、受験生にそんな和歌に慣れる時間なんてありますか、ないですよね。慣れるまでには5年以上かかりますよ。
 教える側に必要なのは「なぜ」です。なぜそうなるのか、こうだからこうなんだと、生徒にごまかさず説明してあげられることです。この本で「なぜ」を解消していきましょう。そのために、ちょっとした修辞に関する法則は覚えてもらいます。ただ、これが絶対だなどという魔法みたいな法則はありません。まさに人生と同じです。だいたい、これが絶対だなどということは世の中に存在しないわけですから。少しでも古人たちの心に近づけるよう、今から俺がガイドをするので、一緒に一千年前の心の旅に出かけましょう。

 予備校講師になり、20年以上の歳月が経ちます。100万人ぐらいの受験生を教えたので、いろいろなところで教え子に声を掛けられます。この頃は、子どもを連れている(抱っこしている)教え子と会うのもめずらしくなくなってきました。子どもを連れている教え子は必ず、俺と子どもの顔を見ながら、「この子が受験するときには、絶対に𠮷野先生に教えてもらうんです」とまあ、気の遠くなるようなうれしいことを言ってくれます。
 予備校講師としての最大の喜び・やりがいは、不変性にあります。『源氏物語』や『枕草子』はこれから100年後も残って読まれていきます。物語と参考書は違いますが、この本は、予備校講師として世代を超えた教え子の子どもも使ってくれる、大げさですが100年も残る、そんな不変性を求めての挑戦のつもりで魂を込めて書き上げました。つまらない、くどくどとした本書の使い方などは書きません。はじめから読書をするつもりで、最後まで読んでください。今までになかった和歌修辞法の本だと確信しています。和歌の入門書としてこの本を読んで、これをきっかけに「和歌」の世界に親しんでくれたら幸いです。

仕事一本・夢一本・ロマン一筋 吉野敬介

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