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大学入試の東進衛星予備校 涙の体験記
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いいことも悪いこともかけがえのない学び
▲サッカー部の活動から得たものはたくさんあります。チームの中で自分の役割を果たす大切さを学んだり、集中力や忍耐力を養うことができました。(3段目右から3番目が藤安くん)
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藤安雄治が初めてサッカーのおもしろさを知ったのは小学校高学年のとき。遊びでゴールキーパーをやったら、みんなに「上手い!」と誉められた。それがきっかけで地域のサッカークラブや学校の部活でプレイするようになり、以来ずっとサッカーに夢中だ。
「絶対に無理だろうというボールを止めたときの快感は言葉で表わせません。その瞬間のためなら、どんなに厳しい練習にも耐えられるんです」
そう言いきるが、実は彼にとってサッカーは挫折の連続でもあった。人一倍努力しても試合に出られるとは限らない。ベンチから仲間に声援を送り続けた思い出もたくさんある。それでも「好きなこと」には不思議なパワーがある。いいことも悪いこともすべて大切な学びとなり、サッカーを通じて藤安は成長していった。
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横浜緑ヶ丘高校に入学したときも、「勉強とサッカーを両立させたい」という気持ちが真っ先にあった。だから、自分の好きな時間に授業を受けられる東進衛星予備校を知って、迷わず入学を決めた。
「東進衛星予備校には高1の春から丸3年間通いました。高1のときは週2日、高2以降は週4〜5日勉強していました」
理系に進むことを決めていた藤安は『ベーシック化学』や『高等学校対応数学』で基礎を固めるところから始めた。最初こそ映像授業に少し戸惑ったが、わからない箇所を繰り返し観るなどすぐに生授業にはないメリットを活かせるようになった。
「医学部に絞って受験するか迷っていたときも、担任助手に話を聞いて、幅広い分野の講義を受けてから専門を決めることができる東大が自分の希望に沿っていることがわかりました」
進路に迷っていた理由は適性の問題だけではない。大学でもサッカーを続けたいと考えていた彼は、カリキュラムがハードな医学部でそれが可能なのか懸念していたのだ。だが、心は決まった。東大に入って、学問もサッカーも思いっきりやろう! 目標を見据えた藤安は、それまで以上に日々の学習に打ち込んだ。
難関突破のカギは先取り学習にあり
部活と勉強を両立するため、藤安は毎朝4時に起床した。それから6時までの2時間、前日の復習やその日の授業の予習を集中してこなす。
「試行錯誤の末に朝型のスタイルに辿り着きました。夜は疲れて集中できないので……」
午前7時には学校に行き、黙々とサッカーの自主練習に励んだ。自宅を出るとき、ほかの家族はまだ就寝中。負担をかけないように朝食と弁当は自分で用意した。
藤安は受験を振り返り、「勝因は先取り学習にある」と分析する。高1で数学I・A、II・Bや化学の基礎を固め、高2以降は長岡先生の『数学ぐんぐん』などハイレベルな講座で応用力を培った。
中でも一番大きかったのは、高2の夏休みに『高等学校対応数学III・C』をひととおり終わらせたことだった。
「理系受験のカギである数III・Cのイメージを早い段階でつかめたので、学校の授業にも余裕を持って取り組めました」
高3になると理系科目の問題演習に力を注ぐ一方、英語の福崎先生や古文の荻野先生の講座を受講して、実戦力を磨いた。
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高3の5月。インターハイの神奈川県予選。高校生活最後の試合を藤安はベンチから見守った。試合終了のホイッスルが鳴り、涙を流す仲間たち。しかし藤安は泣けなかった。どうして自分はみんなのように泣けないのか? 試合に出られなかったから?
……いや違う。自問自答して藤安は気づいた。涙は全身全霊で努力した結果の勲章。自分はまだ死ぬほど力を尽くしていない。サッカーも勉強もこれからが勝負なんだ!
その日はサッカー部の仲間たちと夜遅くまで部活の思い出を語り合い、翌日からは東大受験に向けて100%気持ちを切り換えた。勉強スタイルも超朝型から一般的なサイクルへ。学校の授業が終わるとその足で衛星予備校に直行し、一日約8時間の勉強をこなしていった。
すべてが順調に見えた。高1から計画的に勉強してきたという自負もあった。しかし最難関大学のハードルは予想以上に高く、間もなく藤安を打ちのめす出来事が起こった。
初めて受験した『東大本番レベル模試』。かなりの好感触だったのに、自宅で答え合わせをしたらことごとく間違っていた。「あまりのショックにその日は何も手をつけずに寝てしまいました」
翌日、心を静めて「何がいけなかったのか」を冷静に考えた結果、はっとした。“わかる”と“解ける”の間には距離がある。
それを埋めることが入試までの課題なんだ。
やるべきことに確信を得た藤安は『東大対策数学』や『ハイレベル化学』などすでに受け終わっている講座のテキストを繰り返し復習。解けない問題を一つずつ克服していった。
まさかの失敗
前期合格は無理 ! ?
高3秋。藤安の学習量は一日平均10時間に及んだ。ハイレベルな講座で培ってきた応用力を駆使し、東大の過去問も数多く解いた。「苦手な数学は最大の悩みのタネでしたが、長岡先生の講座で多くの解法に触れ、思考力重視の東大入試に喰らいついていくだけの自信が持てるようになりました」
思うように勉強がはかどらないときは、合格後の自分をイメージ。東大サッカー部のユニフォームを着てゴールの前に立つ自分を想像し、気持ちを奮い立たせた。彼の努力を讃えるような神様からのご褒美もあった。夏に受けて散々な結果だった『東大本番レベル模試』。今度は堂々の「安全圏内」だった。
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併願校は早稲田大学など5つを受験し、うち3つに合格した。しかし、もはや藤安の頭の中には東大しかない。総合得点9割以上でセンター試験を突破し、いよいよ東大の入試日を迎えた。
1日目の国語と数学は順調に終了。だが2日目の理科でつまずき、藤安は精神のバランスを崩しかけた。考えまいと思っても昼休み中、解けなかった物理の問題が頭の中をかけめぐった。やっとの思いで気持ちを立て直し、最後の英語の試験に臨んだ。
翌日。解答速報で自己採点しながら、藤安は心臓の鼓動が速くなるのをどうすることもできなかった。物理は嫌な予感のとおり、3問完答の予定のところ1問しか正解できなかった。しかも、あろうことか、数学でも思わぬミスをしていたことが発覚した。「前期の合格は無理だ」。一瞬目の前が真っ暗になったが、落ち込んでいる暇はない。藤安は後期試験の準備に取りかかった。するといつしか、前向きな気持ちが戻ってきた。たとえ落ちたって死ぬわけじゃないさ!
前代未聞の報告 ! ? 「たぶん、合格しました」
東京大学前期試験合格発表日。藤安は発表時間の13時に本郷キャンパスに到着するように家を出た。不安でいっぱいだったが、母の気持ちを察して明るく言った。「合格していてもダメでも必ず電話をするよ」
電車の中では「落ちていたときにどうするか」を必死でシミュレーションした。地下鉄を降り、胸を張って正門に向かう。自分で自分を勇気づけるように掲示板に続く道を踏みしめながら歩いた。
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▲念願叶い、現在は体育会系のサッカー部【東京大学ア式蹴球(しゅうきゅう)部】に所属しています。部員数は約50名でゴールキーパ
ーは僕を含めて3名。みなサッカーや将来に対して意識の高い人ばかりです。
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「……あった」。探している番号を見つけると、藤安は大きく息を吐き出した。泣きたいような、笑いたいような……。人生で初めて味わう感情だった。跳び上がるほどうれしいのに、体が動かない。とりあえず母に電話をかけて、淡々と報告した。「受かったよ」。
帰宅する途中、東進の担任助手にメールを打った。しかしまだ半信半疑の藤安。送った文面は次のような奇妙なものだった。「たぶん、受かりました」。すぐに返信メールが届いた。
▲大学の講義で一番好きなのは語学系。スペイン語など英語以外の言葉を学べるのがうれしいですね。理系科目はハイレベルなうえに奥が深く、必死でついていってます!
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「たぶん?」「一応番号はあったのですが、見間違いかもしれないと思って」ふざけているのではない。大真面目だった。
家に着くと、母が満面の笑顔で迎えてくれた。手には東大合格を伝えるレタックス。それでようやく藤安は自分が受かったことを100%信じることができた。
喜びが胸の中に一気に広がるなか、自分の部屋に戻った。机の上には後期試験のためのノートや問題集が積まれていた。それらを片づける藤安の目には熱いものが溢れていた。
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