2006年01月27日
一般教養科目
いっぱんきょうようかもく
対語は「専門科目」。
所属する学部・学科に関わりなく、どの学部・学科にも共通する科目として「哲学」「自然科学史」「技術論」「文学」など、幅広い知識と教養を身につけることを目的に1、2年次に学ぶ科目のこと。この1、2年次までを「教養課程」、3、4年次を「専門課程」と言う。教養課程で学部・学科を問わない共通科目、つまりは一般教養科目を学び、専門課程で学部・学科の専門科目を「ゼミ(理系は研究室と呼ぶことも)」に属して学ぶという構成が一般的。「専門への入門教育」的内容を含む場合もある。「共通科目」(筑波大学など)、「一般教育科目」とも呼ばれる。
一般教養科目は、他の学部・学科の学生と同じ教室で受講することが多い。これに対するのが各学部・学科ごとに学ぶ「専門科目」だが、他学部の学生と教室が同じになるような科目が設置されておらず、同一学部内の他学科の学生が、共通基礎科目を同じ教室で学ぶのみとなっている大学もある(単科大学カレッジの集合型大学とも言える)。[⇒「大学」の項を参照]。
1990年以前の「一般教養科目」は、「人文科学+社会科学+自然科学」の3系列からそれぞれ3科目ずつ(+体育・外国語)を履修することが必須となっていた。この3系列3学科履修のための講義を担う専門教官の組織「教養部(1、2年次対象の「一般教育」を担当した教員組織)」が、かつては存在した。現在、教養部をおく大学はほとんどない。また、「くさび型履修」とよばれ、1年次から一般教養科目と併せて専門科目も学ぶことのできるカリキュラムを持つ大学も増える傾向にある。
一般教養科目が、いささか目的の見えにくいものになったのは、1991年(平成3年)の「大学設置基準」大綱化によって、「人文・社会・自然3分野の均等履修」のモデルがなくなったことによると言われる。
大綱化(ゆるやかなガイドライン化)が、教養課程の必要性の見直しを推し進め、同時に教養課程を経ずに入学後すぐに専門科目を学びたいとするニーズに応えることが優先された結果、一般教養科目と専門科目の接続のありかたの理念を確立できないまま、専門職業教育的な傾向が優勢になったという経緯がある。「教養」という曖昧模糊とした呼称の影響もあると言われる。
ところで一般教養科目の歴史は、ヨーロッパ中世の大学にまで遡ることができる。いわゆるリベラルアーツ(学芸)の自由7課(もしくは7科)つまり「論理」「文法」「修辞学」の3課と「天文学」「幾何学」「算術」「音楽」の4課に淵源を持つ。この7課はすべての学問に通じる「基礎」を形成するアーツ(技)とされ、この7科を修めないものは当時の専門課程である法学にも医学にも神学にも進むことが許されなかった。
日常語としての「教養」と、課程としての「教養」の重なりと違いを明確にし、中世の大学の歴史に即して見れば、「一般教養」科目というより「一般基礎」科目と呼ぶのが正確とする考え方もある。
課程としての「教養」が基盤・基礎であるとすると、その言葉の印象とは異なり、実は「基礎」ほど真に身につけることが難しいという点、それだけ重要性も大きいという点は、高校で学ぶ各教科における基礎力・基礎学力に通じるものがあると言える。
[⇒「教養課程」の項目を参照]










