教育制度

私教育

しきょういく
教育基本法が述べる「公の性質」(public nature)や、憲法が規定する「公の支配」(public control)などから比較的自由で制約の少ない条件で行われる教育。個々の家庭で行われる家庭教育から、私学による教育まで含まれることがある広い概念。

公教育

こうきょういく
日本では古くは、国や自治体・地方公共団体が運営する学校が行う教育を公教育と呼んで来たが、現在では私立学校における教育や社会教育も公教育に含まれるとされる。教育内容の公共性や、学習指導要領などの公の基準に原則的に則っているため。英国特にイングランドで、イートン校などの運営主体としては私立である学校を、パブリックスクール(Public School)と呼ぶのは、出身地や居住地に関わらず生徒を受け入れるため。イングランドでは、地元の生徒のみを受け入れる公立校はステートスクール(State School)と呼んでいる。「公教育」の対語は「私教育」。

ブレンディッド・ラーニング

ぶれんでぃっど・らーにんぐ
blended learning。集合教育とeラーニングを組み合わせることで双方のメリットを活かした教育学習 の方法。eラーニング単独の学習システムに比べて、教育学習効果が高いとされている。放送大学がテレビ・ラジオの視聴のみでなく、スクーリングカリキュラムに取り入れているのも一種のブレンディッド・ラーニングと言える。東進でも「個別と集団の融合」を教育学習スタイルに取り入れている。

集合教育

しゅうごうきょういく
教室で行われる対面型の授業が代表例。同一の空間、同一の時間帯に、複数の学習者が一人の教師から学ぶ。対語は個別教育、もしくは個別学習。今日では個別学習の代表的なシステムとしてe-learningが位置づけられている。集合教育ないし集団学習にも、個別教育ないし個別学習にも、それぞれの良さがあり、双方を組み合わせて理想的な学習システムを築くことが必要とされる。東進では「個別と集団の融合」の考え方のもとに最新の学習システムと学習環境を開発している。

LMS

えるえむえす
Learning Management Systemの略称。e-learningに関連。e-learningの基盤となる管理システムで、学習者のWebブラウザに教材コンテンツを配信するクライアント・サーバシステムのこと。学習者の登録、学習履歴の管理、学習の進捗管理、コンテンツ配信などを行う。学習履歴をサーバ内のデータベースに蓄積保存し、学習者は次回に学習するときに前回の続きから学習できるといったサービスを実現する。事前に設定された条件に応じて、学習者へのメールによる学習促進を行うことなども可能。

メンタリング

めんたりんぐ
mentoring。学習に関する支援と、精神的、人間的な成長を支援すること。メンター(mentor)は、もともと「成熟した年長者」の意で、「信頼のおける良き助言者」を言う。東進の担任が行うコーチングもメンタリングを含んでいる。e-learning(イーラーニング)に関連する技術として、学習者への進捗状況のフォロー、質問への回答、指導など学習意欲を高める機能をシステムに組み込むこと、また組み込まれたその機能を指す。

ブレンディング

ぶれんでぃんぐ
blending。e-learning(イーラーニング)に関連する技術。教育のすべてを、パソコンと通信技術でまかなうのではなく、従来からの教室対面型の集合教育や、通信教育などの教育手法と、e-Learningの良さとを組み合わせて(ブレンドして)、新しい学習形態を作り出す考え方。またその手法を指す。教育全体の30から40%をe-learningで行い、その他を従来型で行うのが標準的と言われている。受講計画、受講申込み、講義実施、評価といった流れをe-learningのシステムに統合することをブレンディングと呼ぶことがある。

イー・ラーニング

いー・らーにんぐ
e-learning。パソコンとインターネットなどコンピュータネットワークを利用して行われる学習・教育のこと。「いつでも(anytime)、どこでも(anywhere)、だれでも(anyone)」という「教育の機会均等」の理念を実現できるシステムとしても注目され、高等教育から生涯学習、企業内研修、英会話学校まで、このシステムを活用した教育プログラムや教育機関の設置が行われている。特にWebブラウザなどインターネット技術を活かしたシステムをWeb Based Training(WBT)、Webラーニングなどと呼ぶことがある。厳密にはWBTにLMS(Learning Management System)が組み込まれたものがe-learningで、学習者の学習履歴管理、研修コース設定管理機能などが付加されたシステムを言う。
東進でも、VODシステムを活用したVOD受講システムなど、e-learningによる教育学習システムの開発に積極的に取り組んでいる。
[→東進Dスクール(在宅受講コース)]

導入教育

どうにゅうきょういく
大学や企業などで、新入生、新入社員などに対して行われる教育。一般に大学における導入教育は高校レベルから大学レベルへの移行をスムーズにすることを助けるもの。1年の前期に、「導入教育科目」として課す大学では、必修科目であることがほとんど。単科大学では、その大学の分野に関する共通の理解と基礎知識を持つことを目標として設置されている。総合大学の各学部でも重視するところが増えており、例えば早稲田大学法学部では、1年次に導入教育として、法の基礎理論の学習、法律文献の検索・引用方法、小論文レポートの書き方、ディベートの方法等を訓練。裁判傍聴などを通じて、法を学ぶための基本的な事柄をマスターすることを目標としている。こうした導入教育は、「スタディ・スキル」や「専門教育への橋渡しとなるような基礎的知識・技能の教育」(以上の分類は同志社大学「効果的導入カリキュラムの開発」研究グループによる)に当たるもので、「補習」を目的とするリメディアル教育よりは大学で学ぶ専門領域に一歩踏み込んでいく積極的なものといえる。

大学校

だいがっこう
文部科学省以外の省庁が管轄する高等教育機関。準大学とも言う。防衛庁所管の防衛大学校、気象庁所管の気象大学校、厚生労働省所管の国立看護大学校、国土交通省所管の航空大学校 などがある。また各都道府県には自治体所管の農業大学校が設置されている。

高等教育 Higher education

こうとうきょういく
Higher education。中学校から高校までの中等教育を終えた後に行われる高度な教育のこと。教育機関で言えば、大学・大学院、短期大学、高等専門学校、大学校などで行われる。

三者面談

さんしゃめんだん
一般には、高校の先生と生徒に保護者が加わって進路について話し合う面談。5月から6月にかけて行われることが多い。東進でも担任と東進生、保護者の三者面談を実施している。

教育の機会均等

きょういくのきかいきんとう
教育基本法の「第3条(教育の機会均等)」が次のように規定している。「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない」。
東進は、「能力に応ずる教育を受ける機会」を、いつでも、どこでも活かせる教育・学習システムを「21世紀教育法」をもとにして、デジタル技術・インターネット・通信技術を駆使して開発している。代表例は「講義ライブラリー」、「VOD受講システム」、「高速暗記オンラインシステム」など。またスタンフォード大学との提携による、ウェブで大学の講義を受講し単位取得ができる「スタンフォード大学EPGY(英才養成プログラム)」が稼動している。
[→「東進の教育哲学」]

通信制

つうしんせい
通信制課程、または通信制教育の短縮系。主に高校・大学に設置される通信教育の課程を指す。

通信教育

つうしんきょういく
学校に通学することなく自宅などで教材を使って自学自習し、成果や試験問題の解答を通信で送り添削指導を受けるなどの方法で行なわれる教育・学習を広く含む言葉。高校の通信制課程、大学の通信制課程、社会人などのための資格・技術・趣味などの通信講座までを含む。類似する語で「通信制教育」と言えば、高校、大学での通信制課程を指す。

高等教育機関

こうとうきょういくきかん
大学・大学院・短期大学・高等専門学校などの教育機関。

リカレント教育

りかれんときょういく
recurrent education。リカレントrecurrentは、「回帰する」、「還流する」、「循環する」という意味で、リカレント教育は、学校教育を終了した社会人や職業人が、いつでも必要に応じて職場や家庭から学習の場に戻って、生涯にわたって必要、動機に応じて繰り返し学習でき、職場と学習の場とを行き来できる教育学習スタイルを言う。またそのニーズに応える教育内容、課程を備えた教育制度・環境のこと。

現代GP

げんだいじーぴー
「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」の略称。優れた教育を実践している大学を選定し、重点的に補助金の配分を行う文部科学省の事業の一つ。各種審議会からの提言など、社会的要請の強い教育に関する政策課題に対応したテーマ設定を行い、各大学などから応募された取組の中から、特に優れた教育プロジェクト(取組)を選定し、財政支援を行う。GPはgood practiceの頭文字で「優れた実践」といった意。「地域活性化への貢」「知的財産関連教育の推進」「仕事で英語が使える日本人の育成」「人材交流による産学連携教育」「ニーズに基づく人材育成を目指したe-Learning Programの開発」など、社会的今日的課題に即す明確なテーマに応じる大学の実践の中から採択する。平成17年度の採択件数は、大学・短大・高専合わせて84件。採択率16.5%。大学の特性を見る一つのヒントになる。採択プロジェクトを持つ大学は、ウェブページに掲示しているので、注目して見よう。採択プロジェクトに、慶應義塾大学の「コラボレイティブ・マネジメント型情報教育−産学連携によるプロジェクト実践と、その標準化・社会貢献をめざして−」、同志社大学の「企業法務プロフェッショナル育成−プログラムの開発・実践−」などがある。
[⇒「特色GP」の項も参照。]

特色GP

とくしょくじーぴー
「特色ある大学教育支援プログラム」の略称。優れた教育を実践している大学を選定し、重点的に補助金の配分を行なう文部科学省の事業の一つ。大学教育の改善に資する「教育課程」、「教育方法」、「学生支援」、「地域連携」など様々な取組のうち、特色ある優れたものを選定し、選定された事例を広く社会に情報提供し、財政支援を行う。GPはgood practiceの頭文字で「優れた実践」といった意。各大学の自己申請に対して採択される率は10%台と審査は厳しい。平成17年度で国公立私立大学・短大を合わせて採択件数は47件。採択率は11.5%。特色GPに採択されているかどうかはその大学の特色を示すものでもあり、志望大学評価、選択のヒントの一つになる。採択プロジェクトを持つ大学は、ウェブページに掲示しているので、注目して見よう。採択プロジェクトに、東北大学の「融合型理科実験が育む自然理解と論理的思考」、早稲田大学の「国境を越える教育的社会貢献活動の実践−行動する国際人の育成−」、慶應義塾大学の「文系学生への実験を重視した自然科学教育」、関西学院大学の「理系のためにデザインした英語教育システム」などがある。
[⇒「現代GP」の項も参照。]

全国学力テスト

ぜんこくがくりょくてすと
全国の小学校・中学校の児童生徒の学習到達度・理解度を客観的に把握し、義務教育の質の向上に取り組むために文部科学省が実施するテスト。正式名称は「全国的な学力調査」。1956年から1966年まで継続して行なわれて以降、実施されてこなかったが、2007年度以降に継続実施を再開の方向で文部科学省が検討を進めている。

相対評価

そうたいひょうか
クラス内・学校内や模擬試験を受験した生徒の総数における成績の相対的位置を示す評価。「偏差値」で示すのが相対評価の代表例。


絶対評価

ぜったいひょうか
各生徒の学習到達度で評価する方法のこと。各教科に設けられた観点別の到達度を生徒ごとに示す。たとえばある大学の合格ラインの基準を得点数値で設定し、あと何点得点すれば合格ラインに達することができるかを不足する得点数で示す。
 また、東進模試すべてに共通する評価法。
東進では、各教科に設けられた観点別の到達度を生徒ごとに示す。志望大学の合格ラインの基準を得点数値で具体的に設定し、あと何点得点すれば合格ラインに達することができるかを、不足する得点数で明示する。この評価法によって、志望大学合格に向けて、何をどのように勉強すればよいか具体的な方針と学習計画を立てることが可能になる。
[→「東進 絶対評価方式模試」]


じゅく
児童・生徒に学問・技術を教える私設の学校のこと。今日では塾と言えば小中高の学力向上や大学受験に備えるための学習塾を指すことが多い。ほかにも書道塾・算盤塾・英語塾などがある。江戸時代には、国学塾・漢学塾・洋学塾のほか武芸や芸事などを学ぶ各種の塾があり、「適塾」のように現在の大学の前身にあたる塾もある。「適塾」は大阪大学に関連のある江戸時代の塾。

ビデオオンデマンド

びでおおんでまんど
VideoOnDemand。VODと略記されることが多い。インターネットを活用し、「見たいときに見たいビデオが見られる」サービスとしてエンターテイメント分野で始まったが、現在では教育学習システムに活用する例も増えてきている。東進ハイスクールの「在宅受講コース」はその典型的例。
[→「東進ハイスクール在宅受講コース」]

オンデマンド授業流通フォーラム

おんでまんどじゅぎょうりゅうつうふぉーらむ
ブロードバンド・ネットワークを活用したオンデマンド授業の普及を通じて高等教育における新しい教育スタイルを実現するために、参加する教育機関が「特色ある授業」を相互に提供しあうプラットフォーム運営を行う組織。2005年4月に設立された。オンデマンド(on demand:「要求に応じて、要求があり次第、即座に」といった意味)授業は、一大学では満たしきれない学生の科目選択ニーズや、双方向的な授業への要望などに、ブロードバンド・ネットワークの活用によって応えようとするもので、早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学、立命館大学など46大学が参加、学生は他大学の興味ある授業や講義を、インターネットによって配信される映像を介して受講し、電子掲示板(BBS)や電子メールによる双方向の質疑応答を行うことができ、一般の講義同様、単位認定を受けることができる。
[→東進タイムズ]

OCW

おーしーだぶりゅう
OpenCourseWareの略。インターネットを活用して、高等教育の教材情報を無償で公開するためのウェブ上の教育システム。2000年に米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が開設したMIT OpenCourseWare(MIT OCW)から始まり、2001年4月に正式スタートしたもので、MIT OCWでは現在、900コースに及ぶMITの講義教材をネット公開し、利便性の高い教育資源として全世界で利用されている。OCW上の教材は、非営利かつ教育目的であれば、誰でも無償で使用することができる。OpenCourseWareの「オープン」は、コンピュータソフトウェアの「オープンソース」の「オープン」と同じ意味合いで、資源の使用権、所有権を主張せず、利用者に無償で提供することを意味する。日本でも2005年5月に「日本OCW連絡会」が発足。会を構成する大阪大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学、東京大学、早稲田大学の6大学が、各大学ごとにOCW専用サイトを立ち上げ、講義の映像、講義資料、講義ノートなど授業素材の無償公開が始まった。
[→東進タイムズ]

日本学術振興会

にほんがくじゅつしんこうかい
独立行政法人日本学術振興会法(平成14年12月13日法律第159号)に基づき、学術研究の助成、研究者の養成のための資金の支給、学術に関する国際交流の促進、その他学術の振興に関する事業を行うため、平成15年10月1日に設立。文部科学省が管轄する。「科研費」の公募・審査などを行なう。
[⇒「科学研究費補助金」の項を参照。]

偏差値

へんさち
標準的な数値からどれだけ偏っているかを示す値。模試の成績で使用されることが多いが、母集団や問題の難易によって大きく変動する。あくまでもその問題、そのときの受験者のレベルのなかでの相対的位置を知ることしかできない。データの数値の散らばり具合を数値化した標準偏差は、各受験者の得点が平均値より散らばっていると大きくなる。逆に最低点と最高点の差がそれほどない場合には、全体に標準偏差は高くなる。そこで、各受験者の得点を、全体の平均値が50、標準偏差が10になるように修正し、自分の学力が受験者全体のどのくらいかを示すことができるようにしたのが偏差値。この偏差値による評価を「相対評価」という。

完成教育

かんせいきょういく
その教育を修了すれば、社会に出て職に就くことができ、社会人として認められるように完成することを目的とする教育。米国ではハイスクール、高校卒業時点をめやすに完成教育が行われている。完成教育には、単なる知識にとどまらず、社会人としてのエチケット、感情の自己統制、強い意志力など人間としての資質も含まれる。日本の義務教育が、もともとこの完成教育理念に基づくものだが、高校進学率が上昇したことで、大学進学のための教育と、社会に出るための完成教育の両方を行うことが必要とされている。

ゆとり教育

ゆとりきょういく
2002年度から実施(高校は2003年4月から実施/完全週5日制の実施は2002年度から)された「新しい学習指導要領」が掲げた教育が目指すべきありようを示す言葉。実際に時間的「ゆとり」に関わる学校の「週5日制/週休2日制」が、この指導要領とともに制度化された。また時間だけではなく、これまで教えられていた教育内容の3割近くが削減された。しかし一方で、大学入試における受験科目は増加傾向にある。大学が受験生に求める、大学入学後の勉学についていくために必要な学力のレベルは変わらない。
高校で実施後、半年が経過した2003年10月に行われた中央教育審議会の答申では「確かな学力というものを身に付けさせることが大事」という表現が強調された。答申が強調する「教育課程を適切に実施するために必要な指導時間の確保」、学習内容の制限を緩和する「発展的な内容」の充実が望まれている。

発展的な学習内容

はってんてきながくしゅうないよう
学習指導要領に定められた範囲を超える学習内容のこと。学習内容の3割と、学習時間を削減した2002年度4月から実施(高校では2003年度新入生から段階的に実施)の「新しい学習指導要領」(現行新指導要領)は、学力低下を招くとの批判を受けて、文部科学相は2003年12月に新学習指導要領の一部改訂を告示、「指導要領はすべての児童生徒に指導すべき内容等を示した最低基準」との見解を示し、指導要領の範囲を超える内容を「発展的な学習内容」と呼び、教科書に盛り込まれ、教えられてよい許容範囲の指針とした。一度削除された内容が復活するだけの措置を「発展」と呼べるのかどうかは議論を呼ぶところだ。
2005年4月から小学校で発展的な内容の入った教科書の使用が始まる。また2005年4月の検定を通過した2006年度から使用の中学教科書にも、高校、小学校に続いて初めて「発展的内容」が登場、理科の「イオン」、「進化」、「元素の周期表」、数学の「2次方程式の解の公式」がすべての教科書で復活した。

トライネットスクール

とらいねっとすくーる
インターネットを活用した通信制高校のこと。主に不登校の生徒や中退者に再挑戦のチャンスを与える目的で設置される。1校目として2005年度に立川市砂川高校で開設される。

TLO

てぃーえるおー
技術移転機関 (Technology Licensing Organization)の略称。機関や事業者を「○○TLO」と呼ぶことが多い。この場合OrganizationがOfficeと表記されることもある。2004年4月の国立大学法人化で、学内にTLOを設置する動きも活発化している。大学の研究成果(特許の可能性などを持つ知的財産)の権利化を行い、そのライセンスを企業へ移転・活用を行うことで、産業振興に活かし、得られた資金は大学の研究の発展に用いるといった産学連携と、法人としての大学経営の重要な機能の一つになっている。

中高一貫校

ちゅうこういっかんこう
中学、高校の6年間を連続したカリキュラムで学べる学校のことで、ゆとり教育と受験勉強のギャップを解消する学制として、実際に進学率も高いこともあって、最近再び注目されている。中高一貫校には奈良女子大附属中のような(1)6年制の「中等教育学校」、私学に多く見られる(2)同一の設置者が設けた中学・高校を繋ぐ「併設型」、(3)既存の市町村立中学校と都道府県立高校で連携する「連携型」の3つの方式があるが、2004年度から目立つようになったのは国公立の動き。公立中高の併設型や、公立の6年制中等教育学校が独自性のある教育方針を打ち出し始めている。
文部科学省によって平成11年度に制度化された中高一貫教育を行う学校のこと。基本的には、前期課程で中学校の教育課程を、後期課程で高校の教育課程を学習する。高等学校への受験の負担を減らし、代わりにより幅広い知識を身につけてもらおうというのが、文部科学省の制度化当初の意図だが、私学には独自の方針で中等教育学校を運営するところも多い。

確かな学力向上のための2002アピール −学びのすすめ−

たしかながくりょくこうじょうのためのにせんにあぴーるまなびのすすめ
2002年4月実施の新学習指導要領が学力低下につながるとの懸念を受けて、全面実施前の1月、積極的な学力向上を目指すものであることを再確認するために文部科学省が示した方針の名称。この方針では、基本教科での少人数制指導やレベル別の授業展開が提案され、個別対応のきめ細やかな指導強化がうたわれている。具体的には授業時間外での補習の奨励、また朝の読書の徹底、さらに宿題による家庭学習の定着化に言及している。なお新学習指導要領は実施1年半後の2003年12月に一部改正され、あくまでもミニマム・スタンダード(最小限の基準)であることが強調された。さらに2004年度の教科書検定で、新学習指導要領が定める範囲以上の「発展的な学習内容」を盛り込む教科書が認可された。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

すーぱーさいえんすはいすくーる
文部科学省が2002年度から指定を開始した、科学技術・理科、数学教育を重点的に行う高校のこと。大学や研究機関などとも連携をとり、科学技術系の優秀な人材を育てることを目的としている。初年度77校からの応募があったが、審査の結果、26校がスーパーサイエンスハイスクールに指定された。平成17年度スーパーサイエンスハイスクールは、新規指定が22校,初年度来の継続指定が60校の計82校となる。指定校は例年年度初め4月に発表される。

スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)

すーぱーいんぐりっしゅらんげーじはいすくーる
英語教育を重点的に行う学校をスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールとして指定し、英語教育を重視したカリキュラムの開発や一部の教科を英語によって行う教育、大学や海外姉妹校との効果的な連携方策、などについての実践的研究を行うことを旨とし、平成14年度に文部科学省が開始した教育支援事業。初年度に全国の中学・高校から16校を指定してスタート、15年度に34校、16年度に25校、17年度に31校が新たに指定されている。指定校は例年年度初め4月に発表される。

新教科「情報」

しんきょうかじょうほう
平成15年度から施行された高等学校学習指導要領で新設された新しい教科。正確には普通教科「情報」と専門教科「情報」があり、普通教科「情報」は国語や数学と同様にすべての高校生が学習する教科として新設された必履修教科。 「情報及び情報技術を活用するための知識と技能の修得を通して、情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる」ことを目標としている。コンピュータ機器の使い方などを中心とする「情報A」、コンピュータやインターネットによる問題解決の方法を中心とする「情報B」、情報社会やコミュニケーション論が中心の「情報C」の3つの科目から構成されており、3科目のうち1科目は必ず履修する。A、B、Cいずれの場合も「情報活用の実践力」と「情報の科学的な理解」を各科目の特質を生かしながら学習し、発表形態の実習を行って「情報社会に参画する」態度を育てる。気になる入試との関連では、平成18年度以降(新課程)の大学入試センター試験では、文科省は、新教科「情報」は「当分の間は出題の対象としない」としている。 但し選択科目として『情報関係基礎』を並置出題する。各大学の個別入試での対応としては2006年度入試において、東京農工大学、愛知教育大学、専修大学、東京工芸大学など14大学が教科「情報」を入試教科として出題する。

新課程

しんかてい
小・中学校は2002年4月から、高校は2003年4月から実施された「新しい学習指導要領」に基づいて編成された「新しい教育課程カリキュラム)」を簡潔に「新課程」と呼ぶ。学習範囲が大きく変動したり、新しい教科「情報」が加わるなど大幅な変更が見られる。特に数学は、これまで中学校で学習してきた有理数・無理数の用語や一次不等式などなど全部で10項目以上が高校1学年の学習範囲に移行するなど、2004年度4月現在に高2生である生徒を境に、大きな学力差が出ることが懸念されている。2004年度4月現在の高2生が受験生となる「2006年度センター入試」では、新課程に基づき試験科目名や科目内の出題範囲なども変更される。 外国語「英語」ではこの新課程センター入試で初めてリスニングテストが必修となった。

産学協同研究

さんがくきょうどうけんきゅう
企業が研究費や課題を、大学が研究のノウハウを提供して共同研究を行うこと。情報産業や生産工学など最先端の分野で広く行われるようになっている。最近では経済学部など文系分野でも行なわれようになっている。研究会に属する学生にとっては、授業や実習だけでは得られない実践的知識を身につけられる絶好のチャンスでもある。専門課程4年次に行われることが多い。

サテライト(衛星)キャンパス

さてらいときゃんぱす
大学院などの「キャンパス」で、ターミナル駅周辺のビルなどに設置されたものを言う。1999年頃から増え始めた。経済・経営・法律などの社会科学系が多く、授業を平日の夕方以降や土曜日に行うなど、主に社会人のニーズに対応したもの。2001年4月の時点で、大学院を持つ494大学のうち、国公立18大学と私立28大学の計46大学が設置していることがわかっている。これは全体の約1割を占め、今後もこの動きが広がっていくことが予想される。

サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP事業)

さいえんすぱーとなーしっぷぷろぐらむ
科学技術・理科、数学教育を充実させるために、文部科学省が平成14年度から、推進している「科学技術・理科大好きプラン」の一環として実施されている教育プログラム。中学校、高等学校などを対象に、大学、公的研究機関、民間企業などと連携し、より先進的な科学技術・理科、数学の授業を提供する。 多くは「特別講義」のかたちで、中・高校に招かれた大学教授や研究員などが、中・高校生に授業を行う。各地域の大学や研究機関、研究者と中・高等学校の間で実施されている。 また、 学校と大学、研究機関などの組織的な連携によって実施する科学技術・理科、数学に関する学習プログラムへの支援、各都道府県教育委員会、指定都市教育委員会及び中核市教育委員会や、大学、研究機関などで実施される教員を対象とした科学技術・理科、数学に関する研修を実施し、学校・大学・研究機関の連携のあり方を研究開発する目的も持つ。
[⇒「高大連携」の項を参照]

5年間一貫教育プログラム

ごねんかんいっかんきょういくぷろぐらむ
「学部・修士5年一貫教育プログラム」とも言う。一般の修士課程研究者養成コースの学生より1年早く、つまり、学部入学から5年で修士課程修了することを可能にする教育プログラム。これにより、優れた研究成果を挙げることができた学生の場合、通例では学部入学から少なくとも9年を必要とする博士学位修得までの期間を1年短縮することが可能となる。このプログラムで、たとえば経済系のMBAを取得した修士が早期に就職し、社会で活躍する機会を増やすことができる。東京大学、一橋大学、中央大学など(年数は8年、4年など多様)多くの国公立私立大学で導入され始めている。
[⇒「飛び級制度」と「飛び入学制度」の項を参照]

高大連携

こうだいれんけい
高校と大学が連携して、生徒と学生の教育学習上の向上を目的として交流を図ったり、履修単位の交換ができるなど、共同の教育プログラムを実行すること。  
 1)高校生が大学で大学の授業を受講する
 2)大学の教官が高校で高校生に講義する
 3)大学で高校教員が大学生に補習授業をする
 4)大学生が高校で高校の授業を受講する
という4つの連携の形が 想定されており、1)から3)までの連携は各地域ごとに様々な試みが行われ、すでに実例が数多く存在する。1999年12月の中教審答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」で提言されたもの。高校生の「履修項目の多様性」、つまり大学での授業に必要となる科目を未履修であったり、逆に大学の授業に十分についていける学力を高校段階で修得している場合など、個々の生徒・学生の履修内容に応じて高大が柔軟に対応できるようにすることを目指す。現実には大学生に対する高校科目の補習機能などが多いが、高大共同で教育システムを開発するなど、IT分野などで積極的な試みも行われ始めている。
[⇒「サイエンス・パートナーシップ・プログラム」、「リメディアル」、「飛び級制度」の項を参照]

教育 education

きょういく
もっとも簡明には「学校」と呼ばれる場所で、「教えられる側(生徒)」と「教える側(教師)」の間で行われる活動の一切である。これを「学校教育」と括って呼ぶこともある。日本語で「教育」という語を初めて使ったのは「西国立志編」などの訳出で知られる明治期の教育家・中村正直だが、このときの「教育」は「胎教」を指し、以来日本語の「教育」は、15世紀中世の大学登場以降に使われ始めた西洋の概念educationとは必ずしも合致しない。(日本最初の大学(University)である東京大学設立は1877年)。漢籍では孟子に「天下の英才を得て、これを教育す」がある。educationの語源はラテン語のエデュカーレで「引き出す」こと。潜在的な能力や様々な可能性を引き出し、その実現に向けて導くことを意味する。[⇒「担任制」の項を参照]。日本語の「編集」を表すeditや編集者=editorの「ed」も同語源で、能力の発揮を助けたり、創作の手助けをし、作品を生み出すための「産婆役」といった原義を持つ。欧米の概念では、教師は生徒の能力を引き出す役割を担うが、日本では「知識を知っている者が知らない者に教える」という知識的側面が強調されてきた。能力解発(リリース:開発ではない)と知識学習との相乗効果的な関係が問われている。1869年刊「英華字彙」の「 教ヘ学ハセルコト(教え学ばせること)」という定義は「生徒の良いところを生徒に教え、学ぼうという気を起こさせる」と解釈すればeducationに近い。

総合的な学習の時間

そうごうてきながくしゅうのじかん
高校では2003年4月から実施の「新しい学習指導要領」のなかで「教室での画一的・知識伝達的な授業からの転換」を図る学習のありかたとして掲げられた。「総合的な学習の時間」は、まず文字通り時間枠を指す。「総合的な学習」も教科の名前ではない。むしろ各教科の時間に学んだ知識や技能を相互に関連させ、総合的に働かせる機会を作り出し、教科別に学んだことを総合して「(1) 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てたり、(2) 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の在り方、生き方を考えることができるようにすること(新学習指導要領)」を目指す方法論を指す。英国のCross Curriculum、インドのIntegrated learning system、米国のProject based programなどに近く、「教科横断型学習」と呼ばれることもある。ただ新しい学習指導要領に示す週5日制の「ゆとり」教育のなかでは土曜日が充てられることが多く、選択科目の履修や補習とのせめぎ合いに陥りがちでカリキュラム編成を難しくする側面もある。

生涯学習

しょうがいがくしゅう
「生涯にわたって学ぶ」という概念の大元は、ユネスコにある。1965年の「世界成人教育会議」で当時の成人教育部長が「永久教育」という言葉をフランス語で示し、これをユネスコがLife-long integrated educationと訳した。日本では「生涯教育」と訳されたが、ILO、国際労働機関がこの概念を取り入れて以降は「生涯学習」と訳されるようになり1990年には「生涯学習振興法」が成立した。どちらにしても重要なのは、就学年齢に制約されることなく、「人々が、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される」ような生涯学習社会の構築を目指していくことにある。文科省によれば、「生涯学習」という語は、こうした社会を作るためのキーワードであって、とくに具体的な学習内容を指すわけではない。学びたいと思い立ったときに、誰でも自発的意思に基づいて学べる状態にあるとき、「生涯学習」を実現していると言える。その意味で、高校生、大学生にも関わりの深い概念。

研究開発学校

けんきゅうかいはつがっこう
文部科学省が昭和51年から実施している「研究開発学校制度」で指定を受けた学校のこと。この制度は、教育実践の中から提起される諸課題や、学校教育に対する多様な要請に対応して、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、幼稚園及び盲学校、聾(ろう)学校、養護学校の教育課程カリキュラム)改善のための研究開発を進める制度。指定校は新しい教育課程や指導方法を開発するために現行の学習指導要領などの国の基準によらない教育課程の編成・実施が認められる。

教育基本法

きょういくきほんほう
教育基本法は、憲法に代わって教育のあり方を定める「準憲法的」法律で、教育に関するその他の法律を制定・解釈・運用する際の基準となるもの。昭和22年に制定施行された。要点は「学問の自由」「教育を受ける権利と機会均等」「無償の義務教育」「男女共学(の勧め)」など。また、教育は政治的教養や宗教の社会的意義を尊重するが、特定の政治思想や特定の宗教思想に偏してはならないことが明記されている。内容上、憲法に書きこまれていてもおかしくないことが定められているため、「教育憲法」であると理解されている。

教育課程

きょういくかてい
カリキュラムの日本語訳。単に「課程」とも言う場合も同じ意味。
[⇒カリキュラムの項を参照]

学習指導要領 Guidelines for the Course of Study

がくしゅうしどうようりょう
日本国内の学校であれば、どこでも一定以上の教育水準の教育が受けられるようにするために、小・中・高校の教育課程カリキュラム)に関して国が示す基準。教科書も「学習指導要領」に基づいて作られている。 最初の学習指導要領は1947年に発行され、各学校が教育課程を編成する際の指針・手引きとして用いられるようになった。現在のように文部科学相告示として官報に公示されるようになったのは1958年の3回目の改訂からで、告示ではあるが法的拘束力を持つと考えられるようになった。以降、ほぼ10年ごとに時代動向を反映しつつ全面改訂されてきた。「ゆとりと充実した学校生活を実現するために,各教科の標準時数を削減する」とした1977年の改訂が全面化したのが週休5日制を含む「2002年の新しい学習指導要領」。

新しい学習指導要領

あたらしいがくしゅうしどうようりょう
小学校・中学校は2002年4月より施行され、高校は2003年4月より施行されたカリキュラム編成基準。縮約して「新学習指導要領」と呼ばれることが多い。この指導要領に準拠したカリキュラムが「新課程」。これまでも学習指導要領は10年に一度くらいの間隔で改訂されて来たが、2002年度実施のこの指導要領が特に「新しい」と呼ばれるのは、「ゆとり教育」を掲げて実際に時間的「ゆとり」に関わる学校の「週5日制」を制度化するなど、これまでにない大きな「改革的」変更を含んでいるため。しかし文科相は、施行から1年半を経た2003年12月に新学習指導要領の一部改訂を告示、「指導要領はすべての児童生徒に指導すべき内容等を示した最低基準」との見解を示し、指導要領の範囲を超える内容を「発展的な学習内容」と呼び、教科書に盛り込まれ、教えられてよい許容範囲の指針とした。