ページを更新する ページを更新する

世界史B 一問一答【完全版】2nd edition

message.gif

はしがき

 4世紀、西域の都市クチャ(亀茲)の僧クマラジーヴァ(鳩摩羅什)は、幼少の頃より神童の誉れ高く、特に、いったん目にしたものは忘れることがないという、異常な記憶力の持ち主だったそうです。けれども、どんなことでも覚えていてしまうがゆえに、辛い記憶も生々しく「今」として残るため、その精神的な苦しみは常人には計り知れないものがあったと思われます。彼は、そのような自らの救いを仏教に求めたのでした。
 私たちは、幸か不幸か彼のような抜群の記憶力は持ち合わせていません。となると、記憶するために何よりも大切なことは「反復」です。本書『世界史B一問一答【完全版】』は、「センター」「国公立」「私立」すべての大学入試に対応するために、かなり分厚い、情報量の多いものになっています。一度で暗記することは無理でしょう。だからこそ、

「反復」が、この問題集を、そして大学入試を制するカギなのです。

 「繰り返して学習すると解答までいっしょに覚えてしまうので、学習効果は薄いのでは?」と疑問を投げかける人がいます。「解答を記憶するくらいまで反復してほしい」というのが私の「答え」です。学校の定期テストや入試本番で、「あっ!この答えは『一問一答』の○ページの上から☆行目にあったぞ!」と、思い浮かべられるくらいが理想です。
 本書には、いくつかの工夫を施しています。入試の出題頻度から問題となる空欄に★マークを入れ、その個数で3つのレベルを表現しています。「センター」と「国公立」対策ならば、★が3または2個の知識で十分です。ただし、「私立」を志望する人は、★が1個の知識を含めて、すべてを頭に入れて対策する必要があります。空欄以外の問題文にも、キーワードとなる語句は赤文字に、正誤問題や論述問題でよく問われる知識は太文字(ゴシック体)にしています。一問一問を注意深く解き進めてください。
 今、皆さんはいろいろなテキストやプリント、参考書や問題集などを使っていると思います。1つだけ心配なのは、あまりに多くのものに手を出すと、知識が分散してしまう恐れがあることです。そういう時に「コア」(核)となる本が1冊必要です。その「コア」となるものが本書です。学校の試験や模試でミスをしてしまったら、人名でも年号でも出来事でも、本書から探し出して、さらにそれを見つけたページごとすべてを見直すことで疑問点が解消します。新しい分野を学んだ時にも必ず本書に立ち戻ってください。
 1つのことをトコトンやり抜くと、人間は「自信」「安心感」を得ることができます。本書をトコトンやり抜くことで、世界史の本当の“実力”を身につけられます。あのクマラジーヴァが仏教に帰依して見出したもの、それが「自信」と「安心感」でした。入試本番で本当の“実力”を発揮するのもまた、「これでよい!」と思えるくらいにやり抜いた「自信」と「安心感」なのです。

2009年5月 初版によせて
斎藤 整

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 「エピソードが多くて、覚えやすい!」
 「早慶など難関大向きの細かな知識が多く載っているので使える!」
 「問題文を覚えたら、そのまま国公立の論述問題に出題された!」

など、本書は様々な方面から思わぬ好評を得てきました。「たった1冊でセンター試験から国公立二次、難関私大まで対応する『一問一答集』を!」と意気込んで本書を書き上げたのが、2009 年のこと。それからあっという間に版を重ねてきました。数多くの受験生の支持を得られたことは、執筆者として大きな喜びです。
 同時に、刊行後の数年間で新しい出題傾向も現れてきました。「海底通信ケーブル」、「ロイター通信」、「NGO・NPO」、「レイチェル= カーソン」など通信、平和活動、環境といった私たちの日常生活に身近になっているテーマが、特に増加傾向です。今回の本書改訂にあたっては、これら新傾向の入試問題をすべて盛り込んでいます。当然、掲載問題数もページ数かなり増えました。
 でも、安心してください。歴史上の様々なエピソードや学習・解答のアドバイスなどをふんだんに盛り込み、「読んで、解いて、スッキリ頭に入る!」ように工夫して書いています。楽しみながら理解して覚えるという本書の基本方針は何ら変わっていません。移動中の電車やバスの中、就寝時の枕もと、気分転換に出てみたベランダや学校の屋上……ちょっとした時間と場所でも本書を眺めていてください。きっと最小時間で最大の効果が得られることでしょう。

2013年10月 改訂版によせて
斎藤 整