大学受験|地理

一問一答【完全版】

高速マスターシリーズ


地理B 一問一答【完全版】

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 私は地理講師として、「地理は暗記科目ではない」をモットーとしています。講義でも、参考書の執筆でも、模試の作成でも、「地理なんて覚えてしまえば終わり」という考え方と戦ってきました。
 地理学は、自然科学(地形学や気象学など)と人文科学・社会科学(歴史学や文化人類学、経済学など)にまたがる学問です。地理的なコトガラには必ず原因があり、論理的に説明が可能なのです。暗記で済ませるなんてモッタイナイ! 例えば「@ 〇〇砂漠、A △△砂漠、……」と並べ立てて丸暗記するより、「大気の循環を考えると、このあたりは年中高気圧だから……」とリクツを知った方が覚えやすい。場所が離れていても「雨が少なく乾燥するところ」にはそうなる共通の理由があるのです。

 地理の成績を上げる方法は、

 (1)リクツを理解する
    ↓
 (2)リクツと結び付けて具体的なコトガラを覚える

 これだけです。ためしに石炭を例にとってみましょう。

 【リクツ】
 石炭の大産地:たいてい低くてなだらかな山地(古期造山帯)の周辺

 【コトガラ】
 大炭田: 古期造山帯のアパラチア山脈・ウラル山脈・グレートディヴァイディング山脈・ドラケンスバーグ山脈など

 古生代の地表は大森林に覆われていました。古期造山帯は、その樹木を閉じ込めた地層が山となったのち、3億年も風雨に削られてできた丘のような地形で、石炭はその樹木の化石なのです。このリクツを知ったうえでコトガラを覚えれば、「炭田はどこか?」という問いにすんなり解答できるのです。
 もちろん、場合によっては(2)→(1)の順になることもあります。具体的なコトガラを手がかりに、リクツをもち出して問題を解いていく。特にセンター試験では、その傾向が強くみられます。一方、難関私大では詳細でたくさんの「知識」まで求められます。まとめると次のとおりです。

(センター試験型)  いくつかのコトガラを手助けにしてリクツを理解する
(難関私大型)    リクツを応用して数多くのコトガラを覚えていく
(国公立大二次試験型)センター試験型と難関私大型の中間(両方とも必要)

 それでは、リクツを理解したうえで、リクツと結び付けた具体的なコトガラをどこまで覚えればいいのか。それを皆さんに伝授するのがこの本の役目です。この『一問一答』は、大学受験で地理を選択するすべての受験生に向けて書きました。センター頻出の正誤問題から、難関私大でみかける重箱の隅っこをほじくったような地名問題まで、入試地理のすべてを網羅し、かつ、一人ひとりの必要に応じた使い方が可能な一冊です。
 こんな分厚い本を手にとってくれたあなたは、その勇気とチャレンジ精神だけで、すでにほかの受験生に比べて何歩もリードをとっています。まずは、得意科目をつくって攻撃力を磨くこと。そのうえで、弱点科目の補強という守備力を育ててください。どちらにとっても、『一問一答』は役に立ちます。
 そして、自分なりの学習スタイルをつくって、継続的にコツコツと学習する習慣をつけてください。その際、『一問一答』で鍛えられるような、面倒な暗記や一見つまらない作業にも、全力で取り組むこと。一流のアスリートは練習だって本気でやるから、本番で十分な力が発揮できるのです。
 始めよう! そうすれば、その仕事は成し遂げられる!

山岡 信幸

※各国の民族・宗教構成についてはさまざまな統計が存在しますが、本書では『データブック オブ・ザ・ワールド』(二宮書店)の数値に依拠しています。あくまで、目安の数値と考えてください。

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