◆本書の特長
(1)共通テストの実戦演習となるオリジナル問題を収録
本書では,膨大な資料を徹底的に分析し,その結果に基づいて共通テストと同じ形式・レベルのオリジナル問題を5回分収録した。本書に掲載されている問題を繰り返し解き,実戦力を身につけていこう。
(2)東進実力講師による抜群にわかりやすい解説
本書では,共通テストの問題を解くための知識や技能が修得できるよう,様々な工夫を凝らしている。解説では,文章のどの部分が解答の根拠になっているかを明確に示すなど,最大限わかりやすい説明を心がけた。
(3)著者による解説動画で傾向と対策がすぐにわかる
「はじめに」と各回の解答解説扉に「QRコード」を掲載。スマートフォンなどで読み取ることで「解説動画」が視聴できる仕組みになっている。本書では,著者の大岩先生が,共通テストの勉強法と大問ごとの傾向と対策を,各3~10分程度で解説している。
◆本書「はじめに」より
入試問題の徹底的な分析
本書は,大学入学共通テスト(以下,共通テスト)「英語〔リスニング〕」対策の問題集である。共通テストの出題形式に基づき作成した5 回分のオリジナル問題と,その解答解説を収録している。
オリジナル問題の難易度・出題形式は, 2025 年度共通テストの本試験・追試験と同等に設定したが,2024年度までの共通テストの難易度・出題形式に即した問題も掲載している。これは,実際の試験の際に,形式の変更に対応できる力を身につけるためである。
CEFR とは
本書は,CEFR(Common European Framework of Reference for Languages:外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)に従い,共通テストの制作指針と同様に,A1~B1を基準に問題を作成した。A1~B1のレベルは以下の通りである。
◯難易度 (易)A1 ← A2 → B1(難)
◯言語運用能力
CEFR A1
具体的な欲求を満足させるための,よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し,用いることができる。自分や他人を紹介することができ,住んでいるところや,誰と知り合いであるか,持ち物などの個人的情報について,質問をしたり,答えたりすることができる。もし,相手がゆっくり,はっきりと話して,助けが得られるならば,簡単なやりとりをすることができる。
CEFR A2
ごく基本的な個人情報や家族情報,買い物,地元の地理,仕事など,直接的関係がある領域に関しては,文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら,身近で日常の事柄について,単純で直接的な情報交換に応じることができる。
CEFR B1
仕事,学校,娯楽などで普段出会うような身近な話題について,標準的な話し方であれば,主要な点を理解できる。 その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな,大抵の事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について,筋の通った簡単な文章を作ることができる。
英語の得点力を伸ばすために
共通テストの「英語」には,リーディングとリスニングの2 つの試験がある。おそらく多くの人は,リーディングの対策をしてからリスニングの対策に着手しているだろうが,それでは効果的に英語の得点力を伸ばすことはできない。
なぜなら先にリーディングの勉強のみを進めると,正しい発音がわからないまま読んでいくことになるからだ。例えば,patienceという単語を,頭の中で「パティエンス」と間違った読み方で読んでいくとする。何度も同じ単語を頭の中で反芻しているうちに,patienceが「パティエンス」で定着してしまうからだ。そうなると,次にリスニングの勉強を始めたとき「ペイシェンス」という単語が聴き取れなくなる。リスニングを先に対策していれば,patienceの正しい発音は「ペイシェンス」とわかったうえで,リーディングも読み進められる。
もちろん,志望校によってはリーディングの換算点の方が大きいため,リーディングの勉強を重視したいという人も多いだろう。本シリーズの「英語〔リーディング〕」には英文読み上げ音声がついているので,ぜひ活用してほしい。共通テストの第1問AはCEFR A1レベルと難易度が低くなっており,A1・A2レベルからB1レベルへと徐々に難しくなっていく。簡単な英語のリスニングから始めて→簡単なリーディング→難しいリスニング→難しいリーディング,というやり方をすることが,共通テストの得点力を伸ばす一番の近道だ。皆が正しい勉強法で効率的に英語力を伸ばし,共通テスト本番で高得点が取れることを祈っている。
2025年9月 大岩秀樹
(初版発行 2025年9月)