現代文は文章量、マーク数ともに減少した。古文は本文が昨年と比べて大幅に短くなった。漢文の設問数が1題増え7問になった。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
大問数4題、各大問の配点50点。解答数は1つ減って36になった。
「評論文」は、個体および集団における自他の境界と自己意識についての考察文で、昨年よりもやや文章量が少なくなっている。内容的には頻出テーマの自己存在に関するもの。問1の漢字が昨年に引き続きやや難しいが、問2〜問5までは基本〜標準レベルの傍線問題。特に「指示語」に絡む問題が複数出されたことが特徴といえる。問6はここ2年(i)(ii)に分かれていたが、今年は内容合致のみであり、マーク数も1つに減った。総合的には昨年並み。「小説文」は井伏鱒二「たま虫を見る」。昨年より文章量がやや減っているが、主人公「私」のいろいろな時代の境遇を「たま虫」に投影する形で書かれており、その状況下での主人公の心情をうまく汲み取れるかどうかが勝負の分かれ目になった。昨年出された問5の「傍線のない問題」は出題されず、すべての問いが例年通りの設問形式、内容であった。全体的に見て、センター小説の平均的な設問が並んでおり、難易度も昨年並みといえる。「古文」は本文量が昨年の三分の二になったが、必修単語・文法に依ると同時に、漢字の当て方や前後の脈略も見て解く必要がある。「漢文」は逸話的な文章で易化。設問数が7になり、空欄補充問題が昨年に続いて出題された。問1の意味の問題は4年連続であった。
国語全体としては、やや易化。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
---|---|---|---|---|---|
2012 |
第1問 |
評論:木村敏「境界としての自己」 |
6 |
10 |
50 |
第2問 |
小説:井伏鱒二「たま虫を見る」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
古文:『真葛がはら』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
漢文:孫宗鑑『西よ(「余」の下に「田」)瑣録』 |
7 |
9 |
50 |
|
2011 |
第1問 |
評論:鷲田清一「身ぶりの消失」 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:加藤幸子「海辺暮らし」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
古文:『保元物語』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
漢文: 黄溍『金華黄先生文集』 |
6 |
9 |
50 |
|
2010 |
第1問 |
評論:岩井克人「資本主義と『人間』」 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:中沢けい「楽隊のうさぎ」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
『恋路ゆかしき大将』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
『野鴻詩的』(黄子雲) |
6 |
8 |
50 |
|
2009 |
第1問 |
評論:栗原彬「かんけりの政治学」 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:加賀乙彦「雨の庭」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
『一本菊』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
『壮悔堂文集』(侯方域) |
6 |
8 |
50 |
過去の平均点の推移
2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
111.29点 | 107.62点 | 115.46点 | 121.64点 | 109.95点 | 125.52点 | 119.55点 | 114.15点 | 101.08点 | 112.68点 |
2001 | 2000 | 1999 | 1998 | 1997 | 1996 | 1995 | 1994 | 1993 | 1992 |
102.05点 | 112.92点 | 107.17点 | 116.02点 | 140.20点 | 137.89点 | 134.82点 | 129.62点 | 134.30点 | 122.90点 |