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大学学部研究会

講義詳細

学問
分野

第二言語習得、
心理言語学、英語教育

赤松信彦先生の写真

英語学習における日本語の影響

同志社大学 文学部英文学科、文学研究科 教授

赤松 信彦 先生

ご経歴

大阪府堺市出身。1985年、同志社大学卒業。アメリカ・ニューヨーク州立大学大学院を経て、1996年、カナダ・トロント大学大学院オンタリオ教育研究所にてPh.D.を取得。高知大学、上越教育大学を経て、2000年、同志社大学助教授。2006年から現職。

講演
内容

外国語を学ぶ時、人は母語の影響を受けます。母語は外国語学習を促進することもありますが、望ましくない形で母語の影響が現れることも少なくありません。発音(いわゆる「訛り(なまり)」という現象)はその身近な例ですが、単語や文法を学習する際にも無意識のうちに母語の影響を受け、その結果、正しい理解ができないことがあります。この講義では、第二言語習得や心理言語学の研究成果に基づき、英単語の習得や英文法の学習の妨げになりかねない日本語の影響についてお話しします。

学問
分野

環境工学、環境教育

浅利美鈴先生の写真

「ごみは意外に雄弁だ」
~40年以上の歴史を持つ調査から、未来を占う

京都大学大学院地球環境学堂 准教授

浅利 美鈴 先生

ご経歴

「ごみ」や「環境教育」「SDGs/持続可能なコミュニティ創出」などが研究テーマ。また、びっくり!エコ100選や3R・低炭素社会検定、エコ~るど京大、京都超SDGsコンソーシアム、京都里山SDGsラボ(ことす)などを立ち上げ、社会にムーブメントをおこすべく、実践・啓発活動や情報発信にも力を注いでいる。

講演
内容

誰もが日々、何気なく捨てている「ごみ」。私は、そのごみを40年以上に渡って、細かく調査する研究チームに所属してきました。最近は、SDGsの中でも注目される食品ロスや、プラスチックごみ問題も、その調査で古くから指摘されてきたものです。ごみからは、私たちの暮らし、社会の矛盾が丸見えです。それを分析すると同時に、解決に向けた糸口を見い出すべく、ごみと向きあっています。未来社会では、ごみはきっと貴重な資源になっているはず!ごみ大好き人間を一人でも増やしたいな~と野望をもってお話します。

学問
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機械工学(トライボロジー)

足立幸志先生の写真

摩擦への挑戦
-快適な生活を創る摩擦の世界-

東北大学 大学院工学研究科 機械機能創成専攻 教授

足立 幸志 先生

ご経歴

静岡県清水市(現静岡市)出身.東北大学大学院工学研究科修了.博士号取得.東北大学助手,准教授を経て2011年より現職.その間,英国ケンブリッジ大学 客員研究員,フランス国立中央理工科大学院リヨン校 客員教授.日本機械学会論文賞,モノづくり連携大賞特別賞,文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究)等

講演
内容

「摩擦」は、空気や水のように、あまり意識することはありませんが皆さんの身の回りのあらゆるところに存在しています。その「摩擦」は、快適な生活、安全な社会構築のための鍵を握っています。そして、カーボンニュートラル社会構築のための高機能機械システム実現に対し重要な役割を有しています。本講義では、快適な生活から宇宙機器、医療機器、次世代モビリティーシステム等、最先端機械機器実現の鍵を握る「摩擦の世界」や、人と地球に優しい高機能機械システムを創出するための「挑戦:摩擦研究の最前線」についてお話しします。

学問
分野

有機光エレクトロニクス

安達千波矢先生の写真

Zero to Oneの発想で未来を
切り拓こう
ー有機光エレクトロニクスの最前線ー

九州大学 工学研究院 応用化学部門 教授

安達 千波矢 先生

ご経歴

1991年九州大学大学院総合理工学研究科博士後期課程修了。(株)リコー化成品技術研究所、信州大学繊維学部助手、プリンストン大学、千歳科学技術大学助教授・教授を経て、2005年より九州大学未来化学創造センター教授。現在、九州大学工学研究院主幹教授、最先端有機光エレクトロニクス研究センター・センター長。

講演
内容

今、有機EL(OLED)が未来のディスプレーや照明デバイスとして大きな注目を集めています。九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)では、最先端の有機分子の開発に取り組み、画期的な発光材料の創出に成功しました。無限に広がる分子設計、新しい光エレクトロニクスへの展開、そして、新しい情報表示デバイスが切り拓く未来社会へご案内します。

学問
分野

バーチャルリアリティ学

雨宮智浩先生の写真

現実世界をつなぐVR,
VRがアップデートする現実世界

東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授

雨宮 智浩 先生

ご経歴

山梨県甲府市出身。2002年東京大学卒業。2004年同大学院修了後、日本電信電話株式会社入社(〜2019年)。2008年博士(情報科学)取得。2014年ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン認知神経学研究所客員研究員を経て2019年東京大学准教授。同大学バーチャルリアリティ教育研究センター運営委員。

講演
内容

人間は視覚や聴覚,触覚などの五感で世界を捉え,その情報を脳で処理した結果が感情や行動につながっているといわれている.そのため,五感に対して適切な情報を人工的に与れば,自由自在に「現実」を作ることができる.バーチャルリアリティ(VR)はこの適切な刺激をデザインする技術であるが,人間が現実をどう捉えているのかを明らかにする研究分野でもある.更新された「現実」は私たちの感情や行動を変えるのだろうか.人々の社会的なつながりはVR空間でどのように変化するのか.身近な事例を通じて,私たちの世界の捉え方を再考する。

学問
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素粒子実験

井上邦雄先生の写真

ニュートリノで解き明かす
宇宙・素粒子の大問題

東北大学 ニュートリノ科学研究センター長・教授

井上 邦雄 先生

ご経歴

大阪府四條畷市出身。1988年大阪大学卒業。大学院に進学し、1992年東京大学助手、1994年博士号取得。1998年東北大学助教授。2004年よりニュートリノ科学研究センター教授、2006年よりセンター長。カムランド実験代表。2009年、日本学術振興会賞。2012年、仁科記念賞、など。

講演
内容

「我々はなぜ宇宙に存在するのか?」、そんな素朴な疑問が宇宙・素粒子の大問題としてあります。宇宙の物質粒子の中で圧倒的多数の素粒子ニュートリノは、普段は気付くこともない幽霊のような粒子ですが、この大問題を解き明かす鍵なのではないかと考えられています。そこで重要となるニュートリノだけが持ちうる特別な性質を調べるため、岐阜県飛騨市の地下空間で、世界をリードする研究が行われています。なぜ大問題なのか、どう解明するのか、なぜ地下空間なのか、研究の最前線を紹介します。

学問
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有機化学・創薬化学

大和田智彦先生の写真

医薬品はすべて有機化合物
ー薬学研究における有機化学の力

東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻 教授

大和田 智彦 先生

ご経歴

1982年東京大学薬学部卒業。1984年東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了、1985年東京大学大学院薬学系研究科博士課程中退。1985年東京大学薬学部助手。1987年薬学博士。1998年名古屋市立大学薬学部教授。2001年東京大学大学院薬学系研究科教授、現在に至る。1992年日本薬学会奨励賞。2022年日本薬学会学会賞。

講演
内容

薬学部で有機化学の研究をしています。なんで薬学部で有機化学の研究をするのかと不思議に思うかも知れません。ほぼすべての医薬品は有機化合物です。そして薬を服用する私たちの体も有機化合物で出来ているので、薬を服用することは、有機化合物と有機化学物の相互作用を引き起こすことになります。私たちの研究グループは新しい化学現象、新たな性質をもつ化学結合を発見してきました。この純粋な有機化学の発見が、思いがけず機能ある物質、特に生物活性のある分子の創製につながりました。薬学研究における創薬とは何かをお話しようと思います。

学問
分野

科学史・教育史

隠岐さや香先生の写真

文系と理系はなぜ分かれているのか 科学史から考える

東京大学大学院教育学研究科 教授

隠岐 さや香 先生

ご経歴

1975年、東京生まれ。専門は科学史。東京大学大学院総合文化研究科・博士(学術)。広島大学大学院総合科学研究科准教授、名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て、現職。著書に『文系と理系はなぜ分かれたか』(星海社出版、2018)、共著に『「役に立たない」研究の未来』(柏書房、2021)など。

講演
内容

文系と理系の進路選択に悩まされた人もいると思います。歴史を遡ると、文系や理系という区分はありませんでした。しかし18世紀から19世紀にかけて、自然を研究する学問と人間社会を研究する学問とは根本的に違うとみなす考え方が西洋に出現しました。そして大学などの制度が変わっていきました。これは現在の文理分けの由来でもあります。この講演では、科学史という分野の考え方を紹介した上で、文系・理系に関わる学問分類についての過去の論争を歴史的に検証します。その上で現代にも通用する考えがそこにあるかを考えます。

学問
分野

 複合材料工学
(機械材料・構造力学)

荻原慎二先生の写真

軽くて強い繊維強化複合材料をいかに上手に使うか

東京理科大学 理工学部 機械工学科 教授

荻原 慎二 先生

ご経歴

徳島県阿南市出身。1989年東京大学工学部金属材料学科卒業。大学院修士課程では金属材料学、博士課程では航空宇宙工学を専攻、1994年博士(工学)取得。その後、東京理科大学に助手として赴任し2010年より現職。2019年日本機械学会機械材料・材料加工部門部門長。2021年より日本複合材料学会会長。

講演
内容

高性能で安全な機械や構造物を作るためには、それを形作る「材料」が必要です。地球上にある様々な物質を使って多様な特徴を持った材料が開発されています。航空宇宙用途では軽くて強い材料が必要で、繊維強化複合材料が使用されています。物体に力が働くと必ず変形していつかは壊れます。材料の特徴(=性質:長所と短所)を知った上で上手に使うことが大切です。材料の性質をどのように調べるのか、それをどのように構造に上手に使うのか、よりよい材料を作るためにはどうすればよいのか、についての力学的な観点からの研究を紹介します。

学問
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国際法

尾崎久仁子先生の写真

法は戦争を止められるか
ーウクライナと国際法

中央大学 法学部 特任教授

尾崎 久仁子 先生

ご経歴

広島県府中市出身。1978年東京大学出身。大学院進学後、1979年外務省入省。1982年オクスフォード大学で修士号取得。2001ー2004年東北大学大学院法学研究科教授。2006-2009年国際連合薬物・犯罪事務所条約局長。2009年外務省参与・生物多様性条約第10回締約国会議担当大使。2010-2019年国際刑事裁判所裁判官。2021年から現職。

講演
内容

社会で生じる様々な事象の中で、最も悲惨なものは戦争です。国際社会は戦争の防止のために様々な努力を行ってきており、その中には国際法による戦争の規制も含まれています。例えば国連憲章は自衛権の行使以外の武力の行使を一般的に禁止しています。また、仮に戦争が発生した場合であっても、その被害を最小限にするために、戦闘の方法や、一般市民の保護に関する法が定められています。それでは、今回のロシアによるウクライナ侵攻についても、このような法が適用されるのでしょうか。そうであるとすればなぜ戦争が続いているのでしょうか。戦争と法についてお話しします。

学問
分野

経営学(ベンチャー企業)

尾崎弘之先生の写真

シリコンバレーやベンチャー企業について知ろう

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 教授

尾崎 弘之 先生

ご経歴

野村證券、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスにおいて国際金融の仕事に携わった後、ベンチャー企業への投資や立ち上げに従事しました。その後大学教員になり、現在は理系の大学院生に新しいビジネスの作り方を教えています。

講演
内容

皆さんは「GAFA」を知っていますか?Google, Apple, Facebook, Amazonの総称です。興味深いことは、世界を動かしているこれら企業は実質20年程度の短い歴史しかないことです。日本経済はトヨタなど長い歴史を持つ大企業が動かしていますが、世界経済を牽引しているのはGAFAなどの若い成長企業です。これらはベンチャー企業と呼ばれ、志の高さ、秀逸なアイデア、スピード感を備えていることが特徴です。ベンチャー企業が多数集まる米国シリコンバレーで今起きていること、新しい事業が作られる手法を説明します。

学問
分野

教育心理学

小野田亮介先生の写真

立場は思考を操作する?

山梨大学大学院総合研究部 准教授

小野田 亮介 先生

ご経歴

明治大学卒業、東京学芸大学大学院修士課程、東京大学大学院修士課程、同博士課程修了。博士(教育学)取得。日本学術振興会特別研究員、立教大学を経て2017年より現職。2016年、東京大学大学院教育学研究科総代、日本教育心理学会城戸奨励賞。2017年、博報児童教育振興会による研究助成事業において優秀賞。

講演
内容

社会的問題には人の数だけ意見や考え方があり、絶対的に正しい立場はないといえるでしょう。一方、何らかの行動を起こす際には、賛成・反対といった立場を決める必要があり、「どちらでもないのにな…」と思いつつ、賛成!と挙手したり、投票したりすることがあります。すると、興味深い心理現象が起こります。一度立場を決定すると、自分の立場に不利な情報を考えたり、調べたりすることが難しくなるのです。今回は、このような現象が生起する原因を考えながら、人は本当に客観的な思考ができるのかという問題について考えていきます。

学問
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ウイルス学

木村宏先生の写真

ありふれたウイルスが「がん」をもたらす謎の解明

名古屋大学 医学部 ウイルス学 教授/医学部長

木村 宏 先生

ご経歴

岐阜県出身。1985年名古屋大学医学部卒業。1993年名古屋大学大学院医学研究科修了、医学博士号取得。1994年米国国立衛生研究所、客員研究員。1998年名古屋大学医学部小児科助手、2001年同講師。2005年名古屋大学医学部ウイルス学助(准)教授、2012年同教授、現在に至る。

講演
内容

私はEBウイルスという「がんウイルス」を研究しています。このウイルスは、小児期・思春期に皆が感染し、ひとたび感染すると終生、潜伏するという特徴を持ちます。EBウイルスは、わが国の成人のほとんどが感染している普遍的なウイルスですが、ごく一部の個体に悪性リンパ腫などの「がん」を引き起こします。私は、このありふれたウイルスがなぜ一部のヒトにのみがんを起こすのかについて、ずっと研究してきました。このことを解明できれば、がんの予防や治療につながると信じています。

学問
分野

貨幣の将来像、
決済システムの未来

小早川周司先生の写真

お金とは何か

明治大学 政治経済学部 教授

小早川 周司 先生

ご経歴

東京都新宿区出身。1990年一橋大学経済学部卒業。日本銀行就職後、1998年オックスフォード大学にて博士号(D.Phil.)取得。日本銀行企画局参事役、決済機構局参事役等を経て、2019年から現職。全国銀行資金決済ネットワーク有識者会議メンバー、一般社団法人日本暗号資産取引業協会理事等を務める。

講演
内容

デジタル化の進展に伴って、私たちの身の廻りには、様々な支払い手段が登場しています。SuicaやPASMOのような電子マネーのほか、最近ではPayPayやLINE PayといったQRコードを使ったサービスも登場しています。また、Bitcoinに代表される暗号資産(仮想通貨)もありますし、FacebookはLibraというステーブルコイン(価値の安定化を目指した暗号資産)を発行しようとしました。さらに、日本銀行がデジタル通貨を発行しようとしているという話も聞かれます。これらは、お金なのでしょうか。紙幣と何が違うのでしょうか。お金とは何かにまつわる話をします。

学問
分野

古生物学

小林快次先生の写真

恐竜が語ること

北海道大学総合博物館 副館長・教授

小林 快次 先生

ご経歴

1971(昭和46)年、福井県生れ。北海道大学総合博物館教授、同館副館長。1995(平成7)年、ワイオミング大学地質学地球物理学科を首席で卒業し、2004年、サザンメソジスト大学地球科学科で博士号を取得。2005年に北海道大学総合博物館助手として勤務し、現在に至る。

講演
内容

恐竜は、かつて怪獣やモンスター的な、エンターテイメントとして楽しまれていた。現在、恐竜研究は、リアルサイエンスとして確立され、生命進化のメカニズムを知る上で重要なものとなっている。今回、私がお話しする内容は、恐竜研究の科学的な重要性と、恐竜研究から学ぶことができる、人間社会の将来や、今私たちが行うことなどのメッセージについて紹介する。

学問
分野

フェミニズム/クィア理論

清水晶子先生の写真

AIDS危機からコロナ・パンデミックを見る

東京大学大学院総合文化研究科 教授

清水 晶子 先生

ご経歴

所属・経歴 など:東京大学大学院人文科学研究科英語英米文学博士課程終了、ウェールズ大学カーディフ校批評文化理論センターでPh.D取得。専門はフェミニズム/クィア理論。著書に『Lying Bodies: Survival and Subversion in the Field of Vision』(Peter Lang Publishing)、『読むことのクィア—続 愛の技法』(共著 中央大学出版部)、『フェミニズムってなんですか?』(文春新書)など。

講演
内容

過去数年のCOVID-19の感染拡大(パンデミック)を念頭におきつつ、1980年代のアメリカ合衆国におけるAIDS・エピデミックを振り返り、公衆衛生上の危機がいかに既存の社会的不均等を再生産し、また同時にそのための口実を提供するのか、そのことがマイノリティの生をどのように脅かすのかについて、考えます。

学問
分野

地球工学・耐震工学

高橋良和先生の写真

非日常を日常に変える地球工学

京都大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻 教授

高橋 良和 先生

ご経歴

京都市出身。1994年京都大学卒業。大学院進学後、1996年京都大学助手。2003年より1年間カリフォルニア大学バークレー校Research Fellow、2006年京都大学防災研究所准教授、2014年同大学工学研究科准教授を経て、2017年より現職。

講演
内容

人類は地球上に文明を築き発展させてきた。しかし人間生活を支え豊かにするための産業技術の高度化に伴う資源の大量消費や環境汚染が顕在化し、深刻な矛盾をもたらした。このような状況の中、新しい人間観と環境観を模索し、文明を再編集する実学として、京都大学は地球工学を提唱している。地球空間の持続可能な発展とその将来を開拓・保証し、災害や環境変化により人間社会にもたらされる非日常を日常に変える学問である地球工学の一端を紹介する。

学問
分野

 医学
(スポーツ医学、検査医学)

竹越一博先生の写真

Unmet needs(アンメット・ニーズ)からみたスポーツ医学

筑波大学医学医療系臨床医学域スポーツ医学/検査医学 教授

竹越 一博 先生

ご経歴

群馬県前橋市出身。1987年獨協医科大学卒業、大学院進学後1993年博士号取得。1994年筑波大学臨床医学系助手、同講師、准教授をへて2012年から現職。2001年~2002年 米国留学(カリフォルニア大学サンディゴ校;文部科学省在外研究員). 2019年5月コーニングライフサイエンス アンバサダーに選出「遺伝子ドーピング検出法開発」.日本内科学会認定専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医、日本臨床検査医学会認定専門医。

講演
内容

本来の専門は褐色細胞腫という希少な内分泌疾患の遺伝子診断やホルモン診断です。希少疾患にかかわることで、医療の世界にもunmet needs(アンメット・ニーズ:企業のマーケティング活動において、まだ満たされていない顧客の潜在的な要求・需要のこと)が限りなくあることが分かりました。その意味で、10年前から取り組んでいるスポーツ医学の分野は、極めて多彩で裾野が広く医療分野のunmet needsを解決するためのシーズの宝庫だと思います。例として、遺伝子診断を応用したアスリートの筋肉をたくさん刺さなくても採血だけで済む、新規遺伝子ドーピング検出法の紹介等に触れます。

学問
分野

地球惑星科学

田近英一先生の写真

地球環境進化史から探る生命の進化と宇宙における生命

東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 教授

田近 英一 先生

ご経歴

東京都出身。東京都立西高等学校卒業。1987年東京大学理学部地球物理学科卒業。1992年東京大学大学院博士課程修了。博士(理学)。東京大学助手、助教授(准教授)、教授を経て2016年から現職。日本学術会議会員、日本地球惑星科学連合前会長。2003年第29回山崎賞、2007年日本気象学会堀内賞。

講演
内容

地球や惑星の環境は多様でかつ時間とともに変動する。現代の地球温暖化も、人間活動によるものとはいえ、環境の変動性を示す一例といえる。地球史においては、地球全体が凍結した全球凍結イベントや大気中の酸素濃度が急増した大酸化イベントなど、破局的な地球環境変動も知られている。これらは生命の絶滅や進化とも深い関係があった。地球環境進化史は、生命進化史と深く結びついているだけでなく、宇宙において地球のように生命が生存可能な惑星の条件について重要な示唆を与える。地球惑星環境学の最新の話題について紹介する。

学問
分野

教育経済学

中室牧子先生の写真

教育に科学的根拠を

慶應義塾大学 総合政策学部 教授

中室 牧子 先生

ご経歴

慶應義塾大学卒業後、日本銀行等を経て、コロンビア大学にてMPA、Ph.D.取得。専門は教育経済学。デジタル庁デジタルエデュケーション統括、東京財団政策研究所研究主幹を務める。著書は「『学力』の経済学」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『原因と結果』の経済学」 (共著、ダイヤモンド社)など。

講演
内容

教育経済学は、子どもの学力や非認知能力を高めるために、家庭や学校、政府がどのようなことができるのかを明らかにする研究分野です。

学問
分野

 情報科学
(データベース、AI)

原隆浩先生の写真

情報技術の魅力: ビッグデータとAIが社会を創る

大阪大学大学院情報科学研究科 副研究科長・教授

原 隆浩 先生

ご経歴

広島市出身。1995年 大阪大学卒業。1997年 大阪大学博士前期課程修了。2000年博士号取得。2004年大阪大学准教授。2015年から現職。2020年から大学院情報科学研究科副研究科長を併任。2015年日本学術振興会賞。2017年大阪科学賞。

講演
内容

高校の教育現場では、情報Iの必修化や共通テストへの採用が決まりました。また、社会では、デジタルトランスフォーメーションやデジタルツインといった情報技術が注目され、ビッグデータやAIが産業、科学、日常生活のサービスなどあらゆる場面に浸透し、まさに情報技術が社会を創る時代となりました。その一方で、情報は何を学ぶ学問なのか、情報の研究は何をするのかなど、学問・研究の領域としての「情報」には明確なイメージがない高校生の皆さんが多いのではないでしょうか?この講義ではそのような疑問に応えたいと思います。

学問
分野

日本中世史

本郷和人先生の写真

日本史を現代にいかす
-大河ドラマを題材に-

東京大学史料編纂所 教授

本郷 和人 先生

ご経歴

1960年東京に生まれる。東京大学・同大学院に学び、1988年に史料編纂所入所。助手、助教授を経て、現職。主著『中世朝廷訴訟の研究』で文学博士。『天皇はなぜ生き残ったか』『天皇はなぜ万世一系か』『戦いの日本史』などの著書がある。

講演
内容

いま大河ドラマの「鎌倉殿の13人」がたいへん人気みたいですね。見てますか?皆さんご存じのように、源頼朝は鎌倉幕府という「初めての、武士による政権」を構築しました。それまで400年にわたって平安貴族が政治を担っていた。そこに武士が現れ、しかも政治を始めた。これって、とてもすごいことなのです。この講座では、幕府樹立のいったいどの辺がすごいのかを明らかにしながら、日本史という学問が現代の私たちになにを伝えてくれるのか、を紹介していきます。日本史は暗記、と認識している(←これ、まちがい)あなたにこそ、聞いてもらいたいお話です。

学問
分野

ウイルス感染免疫学

宮澤正顯先生の写真

ヒトと感染症の戦い
:ワクチンはどのようにして人命を救って来たか

近畿大学大学院医学研究科長、近畿大学医学部免疫学教室主任教授

宮澤 正顯 先生

ご経歴

長野県の果樹農家に生まれる。1982年東北大学医学部卒業。医師、医学博士、認定病理医。東北大学助手、米国国立保健研究所(NIH)客員研究員、三重大学医学部助教授を経て、1996年近畿大学医学部教授。平成14年度ノバルティス・リウマチ医学賞受賞。日本学術振興会専門委員、米国SigmaXi会員。

講演
内容

昭和初期までの日本では、人々が亡くなる原因の第一位は細菌性の肺炎や胃腸炎でした。抗生物質の普及により細菌感染による死亡は激減しましたが、長寿命化に伴ってがんが増加し、ウイルス感染症が人々を苦しめるようになりました。ウイルスは私たちの細胞に忍び込んで自分のコピーを作らせる、「さまよう遺伝子」です。そして、体外から忍び込んだウイルスや、私たちの内部に遺伝子変異で生じるがん細胞を発見し、それらを継続的に排除しているのは免疫反応です。ワクチンがいかに多くの人命を救って来たか、先人による発明の経緯と、ワクチンのはたらくしくみをお話しします。

学問
分野

認知心理学,教育心理学

森田愛子先生の写真

「読む」を科学する
 ―頭の中の音声の機能

広島大学大学院 人間社会科学研究科 教授

森田 愛子 先生

ご経歴

1998年広島大学卒業。大学院進学後、2003年博士号取得。学術振興会特別研究員(PD,京都大学)、福岡教育大学を経て、2008年広島大学准教授。2018年から現職。中国四国心理学会理事長。2019年度教育心理学研究優秀論文賞受賞。

講演
内容

私たちは普段「読む」という行為によって、さまざまな情報を得ています。このとき、視覚や聴覚、知識を使うだけではなく、様々な情報処理を行っています。そして、そのプロセスの多くは、実は、無意識化されて、自動的に行われています。例えば、今、あなたはこの文章を読んでいると思いますが、この文章を「頭の中で音読」していますか?そのことを意識していましたか?「頭の中の音読」は、理解に必要なのでしょうか?ここでは、文章読解時の「頭の中の音声情報処理」を中心に、認知心理学の実験手法を使った読みの研究についてお話しします。