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兵庫県 私立 灘高等学校 卒
東京大学 理科一類

施 開人くん

■共通テスト得点 763点/900点

■共通テスト得点選択科目 物理 化学 地理

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 82 55 38 55 45 =275/440点
自己採点 90 50 40 35 35 =250/440点

■受験した感触・・・ 嘘は書かないようにと意識していたがそれ以外は覚えていない。自己採点は感覚です。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A

成績に拘泥せず本質の理解に努めよ

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 自分は入学後2年間の教養学部を経て専攻を決める方針に惹かれて、高1の初頭に東大を目指し始めました。高校にもよるとは思いますが、高3の1学期までに全範囲が終わるようなカリキュラムの学校であれば、入学後から常にその時の授業の内容を理解して忘れないようにしてさえいれば、「履修が間に合わない」ということはないはずです。

英語

 東大の英語は分量と問題のバリエーションの多さ(敢えて言うと広く浅く)に定評があります。英語で点を稼ぎたい人は、日本語⇆英語の行き来を即座に出来るようにして、問題文を読み終えた途端にすべきことが見えている状態になるようにしなければなりません。そのためにそれなりの単語力とかなりの構文把握力が必要なのは言うまでもなく、英語に触れている時間を出来るだけ増やす必要もあります。出題傾向は一部を除いて大きくは変わっていないので、形式に慣れるためにも過去問を多く解いて、添削(他の人にしてもらうのが望ましいが、自分で辞書を引きつつ添削するのも実力がついて良い)をきちんとするのが結局良いと思います。

数学

 高校数学の公式や定理等は全て把握している前提で。自分はあまり得意ではなかったです。解決の糸口を見つけるのが苦手でした。当時色々考えたのですが、

①問題の構成要素を分析して、問題を問題たらしめている束縛/制限/ファクターを認識する

②問題解決のためにこうしたい、というモチベーションを得て、それに対応する処理を想起する

③それが問いに対する解答として必要十分かを批判的に確認する

④(特に、やりがちな)ミスに気をつけて正確に処理する

というプロセスを毎回確実に踏めるようになれば、演習量に従って徐々に解けるようになるのではないかと今は思います。

国語

 大前提として、「問題制作者の問い」に対して適切に答えられなければなりません。その点が守られてかつ最低限の知識と慣れがあれば、成績が乱高下することはないでしょう。
 現代文は林修先生の授業がかなり良いものと聞いているので、苦手な人、行き詰まった人は受講を検討してみても良いと思います。古文と漢文は、共通テストの対策も兼ねて、単語や構文を英語のそれらと同様に早めに学習するのが良いでしょう。その後、過去問演習講座をはじめとする添削指導を活用して、問いに対して適切に記述できているかを確認しながら慣れていくのが良いと思います。

理科

 時間に対して分量が相当多く、近年はそれがさらに増加しているので、すぐに解ける問題を可能な限り取り尽くすことが必須です。
  • 物理:おそらく内容が現代の学問に一番近い科目だと思われます。物理量と物理法則の正確な理解、およびそれらの効率の良い運用ができなければ芋蔓式に大失点してしまいます。共通テスト程度なら問題ないが2次試験となると振るわないと言う人は、公式の導出過程やその背景、個々の法則の関係性をきちんと理解する必要があると思います。
  • 化学:東大の入試問題の半分弱は知識問題かそこからほんの少し派生した計算問題に過ぎないので、それらを絶対に落とさないためにもまずは盤石な知識網を構築しましょう。アドバンテージを得たい人は、問題演習を重ねる中で素早く正確な計算力を鍛えて少しでも多くの問題に手をつけられるようにしましょう。東大化学は何らかのテーマに則したものであることが多いので、教科書や参考書の「コラム」を眺めていれば親しみのある話題が出てくるかもしれません。

■東進東大特進コースについて

授業に関して

 以下、受講した講座について軽く紹介します。
  • 東大特進数学(テストゼミを受講)

本番よりシビアな時間設定の中で、難易度差のある問題群の中から取り組みやすい問題を見つけ、正確に処理するという実戦的な力がつきます。複数の解法/アプローチが提示されるうえ、復習問題なども充実しています。

  • 東大物理

種々の事項が満遍なく説明されており、その分野の背景を俯瞰することができます。実生活における具体的な事例や、研究や開発への応用例なども説明されているほか、数理的なものの見方を養う問いかけもあり、理系の学生として習得すべき内容が豊富です。

  • 東大特進化学

原理の解説と問題演習のバランスがちょうど良いと感じました。テキスト自体がそれなりにボリューミーなので、授業以外の時間に適宜眺めるのも良いでしょう。

模試に関して

 東進の模試の特長はその回数の多さです。定期的に実際の形式を経験することで感覚を途切れさせずにいられる上、きちんと復習を行えば、長期間モチベーションを維持して学習を続けることができるかと思います。今年に関しては、数学の出題傾向が本試験と合致しており、出題傾向についてもある程度は信頼できるものと思われます。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 共通テストへの移行(英語民間試験の導入に関する騒動含む)や教育課程の改訂(及びその内容)などに示される通り、高等教育は過渡期を迎えているようです。その煽りを受ける形なのかは定かではないものの、(いわゆる“日本最高峰の大学”という性質のためか)東大入試の傾向も、(一受験生として見る限り、少なくとも理系に関しては)揺れ動いているように感じます。この状況でいえるのは、出題形式によらず、確実に点を取ることのできる力が(この力を得るのはかなり難しいことであることも相まって)合格にとって非常に有効だと言うことです。慣れや追い込みも大切ですが、この力がないとどうしようもありません。成績に一喜一憂するばかりでなく、各教科への造詣を深め、自信を持って試験に臨むことを目指すと良いでしょう。