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愛知県 私立 東海高等学校 卒
東京大学 文科一類

石原 威さん

■センター試験得点 点/900点

■センター試験得点選択科目 世界史 日本史 物理基礎 化学基礎

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 90 46 72 45 49 =302/440点
自己採点 70 50 65 40 35 =260/440点

■受験した感触・・・ 全体的に手ごたえは微妙。自己採点はただの感触です。なんとか受かってはいる、と思うんだけどな……

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 総合点 志望学類 総合点 志望学類 総合点 志望学類 総合点
文科一類 184 文科一類 228 文科一類 221 文科一類 215

最後まで、自分と向き合い続ける!

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

  • 国語

現代文は、林修先生の授業の予復習を行いました。あの良質な教材をなんども反芻し、消化しきる作業に徹していれば、学習時間をかなり押さえ込んでも、直前期までにはそれなりの結果が出せるようになると思います。どちらかというと苦手だった僕も、なんとか20点台後半は確保できるかな、という思いで本番に臨めました。古文漢文は比較的得意だったので、単語や句型の確認をたびたび行いつつ、東大特進や学校の授業でセンターおよび東大の過去問を定期的に解いていただけでした。古文は、中学の段階で助動詞などの用法をおさえておくと、相当楽になると思います。僕の場合は接続の形による識別を覚えるのが本当に嫌だったので、様々な文章を現代語訳と一緒に丸々覚えこんで、問題を解くたびにそれらの記憶と照らし合わせて判別していました。相当トリッキーな問題でもない限り間違えないし、色んな文章を読むのは結構楽しいのでお勧めです。

  • 数学

苦手科目でした。高校1、2年の間苦手意識から敬遠し続けた結果、3年の6月の東大本番レベル模試で10点を取って焦りに焦り、参考書を用いて基礎的な解法の確認と問題演習を繰り返しました。夏休みの大半を数学にささげ、夏模試では70点前後をとれるまでになんとかなったので、その後は東大特進の予復習と過去問演習を続け、応用力の養成に努めました。それでも本番ではぱっと見でわからない問題に相当動揺し、凡ミスによる失点が相次いだので、もっと早く苦手に向き合って実力を磐石なものにするべきだったと思います。

  • 英語

東大入試同日体験受験で50点ちょっとしかとれませんでした。基本的に英語の問題演習があまり好きでなくて、気の向くときにしか触れていなかったのが明らかな原因だったので、登下校中に興味のあった洋書を読むことにし、また家ではYouTubeのチャンネル「crash course」等を利用して、無理矢理にでも毎日英語に触れる機会をつくりました。東大特進は、二次型の問題演習のペースメーカーとして利用しました。直前期には過去問で80点台を取れるくらいにはなったので、毎日触れることと、あの形式の問題に慣れておくのが大切な教科なのだと思います。

  • 日本史

大好きな科目でした。一年を通じて、教科書を何度も読んで基礎事項の確認を行いつつ、『東大日本史問題演習』などを利用して過去問・東大系の予想問題の演習を繰り返しました。この科目において大切なのは、時代背景を大まかにつかんだ上で、個々の事項をなるべくそれと結びつけて理解することです。いくらバラバラの知識をたくさん持っていても東大日本史では全く通用しないので、教科書の太字レベルの事項を中心に、主要な知識の結びつき方を意識しながら教科書通読や問題演習を行うと、自然に得点できるようになっていくと思います。

  • 世界史

日本史同様大好きでした。東大特進で過去問演習を行いつつ、家では3種類の教科書を、コラムや傍注にいたるまで読み込みました。教科書によって異なる歴史の捉え方をしていることがあって、第一問で少しでももがくためには、これらをなるべく網羅しようとする努力は有効ではないかと思います。正解だと確信できるかどうかは別にして、本番の第一問で書くことの目途がつくとかなり精神的に余裕が生まれます。教科書を隅々まで読み込むことは第二・三問の対策にも直結しますから、相当時間を食うように見えながら、結局世界史全体の得点を効率よく向上させられると思います。

 長い受験生活において、いくら他人が良いという方法でも、自分的にはいまいち納得できない、モチベーションが上がらないという方法は長続きしませんし、結果も出にくいです。逆に、それは邪道だろうと思われるような方法でも、自分の中では得心がいっていて毎日がんばれるなら、俄然そちらのほうがいいです。あまり頑固になるのもよくない事は確かで、いいなと思う意見は取り入れるべきですが、根拠もなく漠然といい気がするから、というのはとても危険です。自分の特性を冷静に鑑みて、自分流の勉強法を模索し、定着させる作業を面倒くさがらないことが肝要ではないかと思います。

■東進東大特進コースについて

 現代文、古文、世界史、数学、英語と、受験勉強のかなりの部分を東大特進に頼りました。林修先生の現代文では、なんとなくではない、明確な根拠に基づく解法と論理的な文章読解の術を学ぶことができて、大変有意義でした。荒巻豊志先生の世界史では、様々な出来事を大づかみに捉えてまとめ、記述する仕方や、同じ出来事でも文脈によって様々な位置づけができること等を学べ、それまで地歴を単純な暗記作業としてしかみなしていなかった自分にとって目から鱗でした。志田晶先生や長岡恭史先生の数学は、なぜその解法がいいのか、ほかにどういうアプローチの仕方があるのか、またどういう間違いを犯しやすいのかということを、大変整理された仕方で教えてくださって、数学が苦手だった僕も効率的に力をつけることができました。宮崎尊先生の英語や栗原隆先生の古文では、ウィットにとんだ雑談や面白いジョークが多く、力まずに取り組めて、問題演習のペースメーカーとしつつも、長い受験生活における一種の清涼剤にもなりました。東大生担任助手の方々は、とても親切に勉強の相談に乗ってくださり、方向性を誤ることなく学習計画の軌道修正を行えました。東大という敵と戦うにあたり、これ以上なく充実した環境であったように思います。
 少し話は変わりますが、僕は名古屋の人間で、世界史は東京・大阪でしか開講されていなかったので新幹線を何度も使うことになりました。お金もかかったし時間も食いますが、あれで正解だったと確信しています。もし地方の人で、移動にかかる負担を理由に講座受講をためらっている人がいたら、思い切って一度行ってみてください。もちろん不要だと感じたなら継続する必要はないですが、ほとんどの受験生にとって、自力ではおよそ気づき得ないような、新鮮な発見に溢れているはずですから。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 まず、受験は、あくまで更なる高度な学びの場へ向かう際の一過程にすぎない、ということを忘れないでください。合格しさえすればいいとして過度に点数稼ぎに没頭し、根本的な考える力を涵養する努力を怠れば、仮に合格したとしてもその後躓いてしまうはずです。しかし一方で、受験それ自体にも大きな意味があると僕は思っています。それは、自分を知るよい機会になるということです。ここ一番の勝負に臨む時、人間の本性や実力は露わになってしまうもので、受験生活を通じて、自分は何ができて何を外部に頼らなければいけないのか、何に躓き何を改善していかなければならないのか、まざまざと見せつけられることになるでしょう。それらは時に、直視するどころか、意識に上るのさえ嫌になるようなものであることもあります。僕は二次の一週間前にメンタルブレイクして、ストレスから体調不良に陥ったり、眠れなかったり、勉強が手につかなかったりしました。あまりに情けない自分の姿に辟易して、何度も受験票を破り捨てたくなりましたが、周囲の人に支えられてなんとか本番には全力で臨めました。自分の弱さを受け入れ、乗り越えるべく努力するというのは大変貴重な体験です。諦めず、自分の醜いところと徹底的に向かいあってください。合否と同じくらい、途中で投げ出さないことが大切です。頑張ってください、応援しています!