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兵庫県 私立 灘高等学校 卒
東京大学 文科三類

田中 醇之介さん

■センター試験得点 733点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 80 42 38 24 37 =221/440点
自己採点 70 40 55 30 40 =235/440点

■受験した感触・・・ 数学が共通テストに引き続きとてもしんどかったです。国語は古文で苦手な恋愛モノでやられました(外国語科目はドイツ語です)。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科三類 C 文科三類 D 文科三類 C 文科三類 B

文転からの合格体験記

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

文転の厳しさについて

 わたしは中高一貫校という環境を活かして、特に数学で中学生のころからしっかり基礎的な学習をしていたことが高3になって有効だったと思います。実際に高3の時は数学はたまに問題演習をつめておこなう程度で、ほとんど本気で勉強せず本番も何とかなりました。
 しかし、すべてが順風満帆だったわけではありません。その理由の一つには、高2まで理系で大学を目指していたということがありました。言語学なら理系でやるものだろうという思い込みとリサーチ不足が主な原因でした。

 それでも、言語学を大学で学びたいという強い意志があったため、受験勉強は何とかこなすことができ、特に世界史では共通テスト同日体験受験で61点だったのが本番では91点にまで向上したのです。
 また、ドイツ語も大学に入ってから学びたいという強い考えがあったため、意欲を切らさず勉強することで苦手だった共通テストの発音・文法問題では1問ミスにまで抑えて全体で187の高得点が取れ、また2次でも(この体験記を書いている時点で得点開示はまだですが)手ごたえのある形で終われました。

 ここで一つ言えるのは、大学に入ってからやりたいことの明確なヴィジョンを持つことで、たとえ受験の場面で文転したりだとか成績が足らずに志望校を下げる必要が出たりだとか細かな問題があったとしても、意志を切らさず最後まで自分の目標を達成する努力を怠らずにおこなえるということです。ぜひ受験生のみなさまには、そのような大きな夢をもち取り組むという姿勢を持ってほしいと思います。

部活との両立について

 わたしは高校3年生の夏まで陸上競技に取り組んでいて、本格的な受験勉強は2学期から始まったのですが、2学期からも運動習慣は絶やしませんでした。ただその中でも「部活と勉強を両立したい」と意識してスポーツや受験勉強をしたことはありませんでした。
 というのも、人間の集中力は一つのことにせいぜい数時間くらいしか持続しないので、勉強に疲れたら運動して、運動に疲れたら勉強してと自分の感覚に合わせて好きなようにおこなうことで結果的には両立できていたという状態だったのです。なので、部活と勉強の両立については、もっと意識的に上手にできる方法を知っている人はいくらでもいそうなのでこれ以上は言及しないでおきます。

 まあ、これはあとただ一つ言えることなのですけど、娯楽のたぐいは避けましょう。ゲームしないだけで運動も勉強もする時間が大量に生み出せます。

受験期後半・終盤の過ごし方

 高3の時期も後半だ、もう時間がない、などと焦らないでください。まだまだ時間はあります。落ち着いて、基礎が足らないなら「夏までにやったはずだから」と余計な意地を持たず自分の能力の低さを自覚して素直に基礎的知識を固めて下さい。夏までに基礎固めをしたはずと思っていても、入試問題を実際に解いてみるとまだまだ足らないということはよく思い知らされます。地歴や外国語なんか特に。しかし、演習も同時に大事な時期です。なので、入試問題を解いた上で自分に何が必要が明確に見極め、基礎固めに戻るなり演習をひたすら解くなり、トップダウンな学習をこころがけてください。
 冷静な判断力は絶対に失わないでください。

■東進東大特進コースについて

 中学生の時は数学の先取りをひたすらしました。その時数Ⅲまで一通り完璧に学習を終えたことが、文系になったときも、センスも知識も思考力も様々な能力が求められる数学という科目にそれ以上大した時間を割くこともなく高3の勉強をこなせたことにつながりました。
 高2では理科をかなり集中しておこないましたが、結局文系になったおかげでほとんど役に立ちませんでした(共通テストの「基礎」がついた理科くらいかな?)。
 高3では前半のうちに世界史と現代文の受講をしていました。その時の学習はとても基礎的で初歩のものでしたが、先に述べたように数学でほぼ労力を使わなかった分丁寧におこなうことができました。ここが2学期以降の演習にも活きたと思います。
 2学期以降は東大特進の東大世界史に積極的に通うようになって演習をメインにするようになりました。特に世界史で、それまでの基礎知識とは全然違う能力が二次で必要だということに驚きましたが、でも荒巻豊志先生が授業で解説した内容について、どういう思考回路をたどれば同じように答えを導き出せるのだろうと考えながら聞いたことは、本番に通じる発想力を養うのに役立ち、またこの時期も世界史の用語暗記はとにかく集中してずっとおこなっていたおかげで、世界史でかなり良好な手ごたえを残せました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 入試を終え、合格通知を受け取ったことには本当にほっとしました。世界史とか外国語とか、それなりに好きだった科目は来年以降も問題を見てみたい気はしますけど、でも入試のこの緊張感自体はもう二度と味わいたくありません。できたら、この苦しみをなるべくはやく終わらせたい、さっさと華々しい大学生活におぼれたい、という動機も大学入試という面では「アリ」だとは思います。自分なりでいいので、モティヴェーションを切らさないようがんばってください。