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香川県 県立 高松高等学校 卒
東京大学 文科三類

安部 昌悟さん

■センター試験得点 点/900点

■センター試験得点選択科目 世界史 地理 物理基礎 地学基礎

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 83 42 64 41 28 =258/440点
自己採点 70 40 60 35 35 =240/440点

■受験した感触・・・ 前日からの体調不良もあって得意の数学で大失敗。他の教科も失敗したが全教科失敗しても受かるように調整してきたから大丈夫か……?

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 総合点 志望学類 総合点 志望学類 総合点 志望学類 総合点
0 文科三類 262 0 0

塾や学校は自転車の補助輪にすぎない

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 公立中から受験で公立高校に進学した僕は高校入学前から中高一貫進学校の人たちよりも勉強面で遅れていることへの焦りがありました。この焦りのおかげで早いうちから1人で勉強を進めることができました。周囲の環境に惑わされることなく、常に先取りできたことが合格の要因の一つだと思います。僕が東大受験を決めたのは高3の7月とかなり遅いほうです。それまでは京大志望だったのですが、高2の冬に受けた京大模試2つでA判定をとったことでそれ以降やる気がなくなり、高3になって周りの友人たちが全力で受験勉強をしている中で「自分はこのままでいいのか?」とずっと悩んでいました。解決策を考えては実行する、ということを続けていましたが効果はなし。最終的に「東大にすれば受験生としてもっと忙しい生活を送ることができるのでは?」と考え東大に志望変更しました。その結果、今までの悩みが消え去り、やる気も出たので、「これでよかったんだな」と確信して勉強に向かっていけました。かなりギリギリでしたが当時はそのギリギリで追い込まれた状況がなぜか大好きでした(恐ろしいですね)。以下各教科について書きますが、勉強法は人それぞれで大切なのは自分なりの方法を確立することであるということは忘れないでください。
  • 英語:高1の頃はひたすら単語と文法をやりました。使った単語帳は合計8冊とやりすぎました。結果的に受験においてわからない単語はないレベルにまで到達しましたが、現実的に考えて1冊でも十分でしょう。文法は『英文法の核』を中心にやりました。高2は単語帳をやりつつ、参考書を何周かし、後半は京大の過去問をやっていました。基礎があれば英語は読めるので、焦って早いうちから長文読解演習をする必要はないと思います。高3の東大志望変更後は、要約、語句整序、小説の過去問を始め、英作文は東大特進で学んだ方法をアレンジして勉強しました(後で書きます)。夏休み中には東大英語に対応できるようになり、夏休み明け以降はそれほど時間をかけずに済みました。リスニングはセンター後から始め、過去問を2倍速の音声でやりました。過去問はある程度できていましたが、本番ではあまりわからなかったので練習が足りなかったのだと思います。イヤホンを使った演習はお勧めしません。リスニングは得点を稼ぐことができる問題なので、満点を目指して早いうちから勉強するべきでしょう。
  • 数学:得意でした。高1から高2前半に2冊の問題集を3周しました。この2冊をしっかりやったことが数学が得意になった要因だと思います。焦らず基礎を確立してください。高2の夏から高2の終わりまでは、5冊の参考書、問題集の完全攻略をやりました。高3は夏までに一橋大学数学の過去問、京大理系数学の過去問をしてから東大理系数学の過去問をしました。東大文系数学の過去問をやらなかったのは理系数学のほうがやりごたえがあって、楽しかったからです。実際解けない問題もそれほどありませんでした。ですが、本番では文系数学であるにもかかわらず全然できないという結果に終わりました。本番は何が起こるかわかりません。数学は精神状態にかなり左右されます。数学に頼りすぎないように気をつけてください。
  • 国語:苦手でした。現代文は林修先生の授業とその予習、復習に取り組みました。古文は高1からセンター前まで単語と文法しかせず、センター前はセンター古文を20年分解きました。読解力の向上を感じたので、センターの過去問はおすすめです。センター後は東大の過去問3年分をやりました。漢文も古文と同じような感じです。国語の勉強の基本はセンター試験と東大過去問でしょう。あまり時間をかけすぎないようにするべきですが、古典の高得点が安定して取れるようになるくらいには勉強したほうがいいかもしれません。
  • 世界史:荒巻豊志先生の授業で過去問に取り組み、普段は教科書4冊を読み続けていました。使えそうなカッコいい文章はノートにまとめてテスト前などに見直しました。実際、今年の世界史の渤海と中国の問題には帝国書院のお気に入りの表現をそのまま使うことができました。
  • 地理:知識がないとどうしようもないと感じたのでひたすら覚えました。教科書3冊、資料集、参考書、東大特進の地理のテキスト、データブック、センター模試の地理、東大地理過去問40年分、東大模試の過去問など、得られるものはすべてです。地理的に考えることで問題は解けるのですが、それで導いた答えは確実ではなく、覚えることで必ず点が取れるというのであれば覚えるべきだ、というのが僕の考えです。

■東進東大特進コースについて

 地方公立高校の僕は東大特進に通うことで基準を香川県から全国に変えることができ、早いうちから自分がすべきことを見極めることができました。東大特進なしでは東大を受験することすらなかったと思います。東大特進の授業がある日は香川から大阪に受けに行きましたが、授業以外にも美味しいご飯を食べたり、街を歩いたりして気分転換になりました。毎回授業が楽しみで本当に幸せでした。東大特進の授業はどれも素晴らしいですが、ただ受けるだけでは不十分で、先生の方法を分析し、アレンジしながら自分だけの、点が取れる、一般的方法を確立することが重要だと思います。
  • 現代文 林修先生:授業が素晴らしいのはもちろんですが、それ以上に印象に残っているのは僕が初めて東大特進に行った2年の夏の授業でのこの一言。「大学なんて高2で受かって当然だよね?」。高3で受かるレベルにしようと考えていた僕には本当に衝撃的でした。それまでの世界とは全く違う世界。帰りの新幹線でもこの言葉が頭の中で繰り返されました。僕はこの一言のおかげで地方にいながら、成長し続けることができたと思います。
  • 世界史 荒巻豊志先生:大好きでした。前期総集編講座から受け始め、東大世界史の過去問は荒巻先生の授業でのみ消費しました。第1問は荒巻先生の授業とその予習、復習だけで良いと思います。先生の具体的問題の解答を参考に東大世界史を分析し、第1問を解くための方法論を確立しました。第1問の対処法もある程度一般化が可能なので、問題1つ1つの勉強だけでなく、特徴を分析してからそれらの問題全体を眺めて共通点を見つけてみると良いと思います。
  • 英語 宮崎尊先生:夏休み明け以降は先生の授業中心に英語を勉強していました。個人的に英作文の授業はお気に入りの1つで、先生の仰ったやり方や授業を参考に、英作文の勉強法を確立することができました。覚えた表現のみで解答を構成する、というやり方は本当に自分に合っていました。この方法で英作文にそれほど時間をかけることなく、高得点が取れるようになりました。英作文についてどうしたらいいかわからないという人にはおすすめです。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 僕自身、二つの東大模試で一桁順位に冊子掲載する成績を冬にとってから「勉強しなくても受かるんじゃないか?」と思い始め、勉強量が少なくなりました。このような姿勢は絶対にとらないでください。本番では何が起こるかわかりません。僕自身は模試の成績と比べて大失敗しています。模試の成績は良くて当たり前と考えるのが一つの手でしょう。最後にタイトルについて。これは荒巻先生が授業で仰った言葉です。先生がどのような意味でこれを仰ったのか、正確にはわかりませんが、僕は次のように解釈しました。最初は勉強の方法や方向がわからないので、塾や学校を通じて他者の方法や方向の在り方を知り、それを用いる。しかし、それに頼り続けるのではなく、自分だけのそれらを創造し、最終的にはその補助輪をはずして一人で自転車をこぐようになっていく。補助輪なしのほうが早く目的地にたどり着くことができる。その自転車をこぎ続けた先には東大があります。皆様が幸せを手にすることを心より願っています。