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愛知県 私立 東海高等学校 卒
東京大学 理科一類

樅山 叶多さん

■センター試験得点 859点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 83 72 49 35 35 =274/440点
自己採点 85 65 50 30 35 =265/440点

■受験した感触・・・ 共通テストのほうが緊張した。採点次第かなと思いつつ自己採点は結構甘め。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 C 理科一類 C 理科一類 A 理科一類 B

他人の話も聞こう

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

はじめに

 合格体験記を読む際、自分と似た状況から1年勉強して合格した人のものを読みたいと思うので(私もそうでした)、簡単に受験勉強を始めた頃の私の状況を書いておきます。
  • 英語、国語が得意で理数は苦手。海外経験はない。3年になって東大を目指し始めた。
  • 1年・2年でやっていた主な学習内容:英語、国語……学校の授業/数学……網羅系参考書/物理……東進のハイレベル物理/化学……学校の授業と習った範囲の問題集

東大を志望した理由

 漠然とした東大への憧れが一番の理由ですが、2年の教養課程ののちに進路を決められる制度がとても魅力的だと感じました。そもそも当初文系のほうに興味があったのに8割が理系に進む高校で何となく理系に進んでしまったせいで、情報、宇宙、物理、医用工学など興味のある分野はあるものの漠然としており、進路決定を先延ばしにできる東大の制度に魅力を感じたのです。また多くの人が迷うであろう理一・理二の選択ですが、私は東大の公式サイトに載っている各科類からの進学状況や進学先の学部の説明を見たり、東大生スタッフの方の話を聞いたりして決めました。合格最低点を見て安易に決めるのではなく色々調べたうえで総合的に判断するとよいと思います。

共通テスト

 多くの東大受験生はあまり共通テストを重視していないように感じますが、共通テストで高得点を取ることには総合点が上がること(そもそも一点を争う東大入試でこれが最大のメリット)のほかに、「共通テスト利用で私立受験を楽に終わらせられる」、「大学によっては後期試験がほぼ確実に受かるので心に余裕ができる」といった様々なメリットがあります。しかし対策のし過ぎも二次対策に影響が出るのでバランスが難しいポイントになります。そこで参考までに私が行った共通テスト対策を書こうと思います。
  • 地理:学校の授業をちゃんと聞く。模試などで学んだことは必ずメモしておく。過去問や予想問題をできるだけ集めて電車で解く(電車時間が長かったので)。
  • 国語英語:過去問をひたすら解く。英語は意味がないが古漢はセンターも遡ってやれるだけ解く。古文単語帳は気に入るものを見つけ一年かけて完璧に覚える。
  • 数学理科:二次対策をして冬以降に過去問をやる。センターはやる意味がないので予備校が出す予想問題を解く。

 対策開始時期ですが、基本的には冬休みから、特別に地理の問題演習は秋ごろから、古文単語帳は6月頃から行いました。また共通テスト対策の際は気持ちが大事だと思っていて、ケアレスミスをした時などに私は「できるはずなのに失点した」ではなく「これだけの実力しかなかった」と思うようにしていました。計画を立て、謙虚に短時間で集中して対策をしたことが良かったと思います。

二次の各科目について(技術的なことも)

  • 英語:自分に合った解く順番と時間配分を見つけることが大事。私は1A→2A→2B→4B→下読み(3分)→3→4A→5→1B。大問ごとの時間配分は決めず、前半に4Bまで終わらせるようにした。順番決定の際は、リスニングで中断することになっても構わない大問をリスニングの前後に置くべき。例えば5を中断するのはつらい。
  • 国語:現代文は林修先生の授業を一年しっかり受けて復習すれば良いと思う。参考書では曖昧な「解答のその要素をなぜ拾ったのか?」がはっきりするので、私はたどり着けなかったが安定して高得点を取ることも可能なのではないかと感じた。古文漢文は共通テスト同様過去問演習が一番。私は25年分解いた。
  • 数学:解答用紙が足りなくなったり見にくくなったりしないように、解答用紙の使い方(線を引くとか小問をどのように配置して書くかとか)を模試なども通じて考えておくとよい。また普段から、どれくらい途中式を書くか、証明はどれくらい丁寧にかくか、余分な文はないかなどを意識すると部分点の最大化にもつながり良いと思う。
  • 理科:後述の通り東大特進の授業をしっかりとすべて受講したが、そうすれば自ずと力がついていくように感じた。数学同様解答用紙の使い方が難しいので普段から印刷して使っていた。参考書はいくつか買ったが、東大特進のテキストの分量が多く質も上だと思ったので結局あまりやらずに終わってしまった。

■東進東大特進コースについて

東進衛星予備校での授業で特によかったもの

  • ハイレベル物理(苑田尚之先生)

高校2年の夏から受講を始めたのですべて受けた。

  • 数学ぐんぐん応用編(長岡恭史先生)

第1回東大本番レベル模試を東大模試として初めて受けたが、簡単だったのに数学で0完、30点しか取れず焦りを感じて受講し始めた。東大で頻出の軌跡の範囲が充実していて体系的にまとまっているので何度も復習して得意範囲にした。復習問題も本問一問につき一問以上ついているのでこの講座を受けるだけで数学ⅠAⅡBは目途が立った。

東大特進の授業で特によかったもの

  • 東大物理(苑田尚之先生)

学習内容が非常に上手に組まれていて、終わってみればハイレベル物理でやった内容+αがテストゼミも受講すればほぼすべてこの講座で網羅されていた。ハイレベル物理とW受講しても損はない。苑田先生は公式を振り回すのではなく大学で学ぶような物理の基本法則を高校生に分かるように解説してくれるので、理解に時間はかかったが「あの公式なんだっけ」ということは一切なくなった。本当に受けてよかった。

  • 東大化学(大西哲男先生)

相当なボリュームがあるが、すべてこなせば安定して点を取れるようになった。テキストのまとめ方が非常に上手く、特に無機のまとめ方が類を見ないきれいさだと感じた。これは全ての科目に言えることだが、複数の講座がある場合はプレ講座で両方を受講して自分に合っているほうを継続して受講するとよいと思う。

過去問演習講座

 特によかったのは解説授業。解説授業をする先生たちも東大入試に精通した一流の先生たちばかりで、理系科目はその問題に関連した単元の話もしてくれるので過去問演習で一番大切な復習の時間がとても有意義になった。先生方の授業を聞けばより印象に残り納得できたので、過去問集で勉強するより圧倒的に効率もよくためになると思った。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 タイトルに書いた通り、他人の話もちゃんと聞くようにするとよいと思います。こんなことを書くのはこの一年、東大に限らず、学校や塾の授業をあまり聞かずに自己流の勉強方法で合格までの道を遠回りしてしまう人が周りに何人かいたように感じるからです。学校の授業、取捨選択は構いませんが聞くべきものはちゃんと聞いていますか?友達の忠告にも耳を貸せますか?学校や塾、特に東大特進の先生たちは東大入試を私たちより知り尽くした人たちばかりです。私たちが数年しか学んでいない学問を数十年間研究してきた人たちばかりです。多くの人にとって、東大合格までの道を示してくれることは間違いないでしょう。とはいえ、実際に頑張るのは皆さん自身です。一年間体調を崩さない程度に頑張ってください。この合格体験記が勉強方針の参考になればうれしいです。