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東京都 都立 武蔵高等学校 卒
東京大学 理科一類

長野 晋一郎さん

■センター試験得点 805点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 66 42 44 40 30 =222/440点
自己採点 75 35 55 25 25 =215/440点

■受験した感触・・・ 数学で大きなミスをしたが、2日目は気持ちを切り替えて臨めた。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 C 理科一類 C 理科一類 C 理科一類 C

自分の方針を確立し焦らず行こう

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 高1の頃から漠然と東京大学に行きたいと思っていましたが、本格的に受験勉強への意識を持ち始めたのは、周りの友人がだんだんと受験勉強を始めていた高2の夏ごろでした。その頃に東大特進コースに入学しました。授業のレベルの高さを痛感し、もっと早くから受験勉強を始めればよかったと思うこともありました。しかし、急がば回れという通り、焦っても仕方ありません。そこで決めた受験計画の指針は、学校の進度に合わせて各分野の学習を深めていくことでした。スタートを出遅れてしまったと思う方にも参考になれば幸いです。

英語

 東京大学の英語は、分量が多いうえに確かな内容理解が求められる良問が多く、総合的な英語力が必要とされます。中高にわたり学校での英語の勉強を地道に行っていたことが功を奏し、他の教科と比べると得意といえる水準になっていました。受験勉強を始めるにあたって、まず単語力の早期完成に取り組みました。夏ごろから過去問に定期的に触れ、自分に合った時間配分や解く順番を決めました。語学にはやはり「慣れ」が必要で、着実に重ねてきた学習量が結果に出ると思います。得点が安定しやすい科目なので、早めにレベルアップを図ってよいと思います。

数学

 東大入試同日体験受験で最も心が折られたのは数学でした。自分が苦手だったのは、二次試験特有の発想力を要する問題で、これに慣れるようになったのは高3の冬ごろでした。しかし、コツをつかむと指数関数的に学力が伸びる科目だと思いました。数学が苦手な方は諦めずに基礎から着実に身につけてみてください。二次試験特有の発想は問題演習を繰り返せば徐々に理解できるようになると思います。

国語

 相対的には一番得意な科目で、模試の点数は安定しました。
 現代文は林修先生の授業を毎期受講し、丁寧な採点のおかげで伸びました。現代文で最も重要なのは、設問で問われていることに「普通に考えて」適切な答えを書くことだと思っています。抽象的な表現になってしまいましたが、要するに深く考えているうちに設問の趣旨から外れていかないようにするということです。現代文の点数が低いが、あとから見直しても難しさをあまり感じないというタイプの人は、これを意識するだけで大きく改善できる可能性もあるのではないでしょうか。
 古文と漢文は、単語と基礎文法さえ覚えれば定期的な過去問演習で十分だと思います。古漢は、共通テストと二次の対策がほぼ同じベクトルで行えるので、私はそれらを交互に進めるようにしていました。また、例えば古文と漢文が満点だと40点ほどになりますが、これは理科の大問2つ分に相当します。こう考えると理系受験者も絶対に点を落とせない分野ではないでしょうか。

物理

 近年の東大物理は文章量が多く、一筋縄ではいかない傾向にあります。しかし、怖気づかずに一つ一つの条件に注意して丁寧に紐解くと、意外に自然な発想だけで解ける問題も少なくありません。今年(2023年)の第2問がまさにそれだと思います。私は秋ごろから始めて30年分の過去問を解いたおかげで東大物理への耐性がつき、本番も焦ることはありませんでした。また、導出できる公式の背景は必ず押さえておきましょう。導出そのものが問題のモデルになっていることもあります。

化学

 東大の化学で問われる知識は意外と基本的なことが多いので、確実に得点できるようにしましょう。また、厳しい時間制限がある中で膨大な計算量が求められます。残念ながら私は計算力があるとはいえなかったので、計算がややこしいなと思うものは飛ばしていました。過去問演習時には、そのような取捨選択能力も重視するとよいと思います。

■東進東大特進コースについて

東大本番レベル模試

 返却が早く、解説冊子の説明が非常に丁寧なことが一番の魅力だと思います。出題傾向も東大入試とかなり似ているので、その後の勉強方針を決める際にも役立ちます。私は、直前期に4回分の東大本番レベル模試の物理と化学を再度解き、本番の対策をすると同時に、自分が成長したという手ごたえを得ることができました。

過去問演習講座

 私が本格的に東大の過去問を解き進めたのは11月頃からでしたが、勉強方針を決めるにあたっては、東大入試同日体験受験や一年分を春ごろに解いておくことなどが必要だと思います。この講座では、全ての問題に解説授業があり、解説を読むだけでは理解できない部分や補足的な知識の補充にも効果的です。

東大特進の講座

 英数国物化すべての教科で講座を取ったことがあり、中でも現代文は、高2の途中から林修先生の授業を毎期受講していました。論理性を徹底的に重視した講義により、現代文の解き方を基礎から形作ることができ、得意科目にすることができました。度々、読み解いたことを解答に反映できなかったりすると、採点で的確に指摘されるため、自分では気づきにくいミスも改善していくことができました。大西哲男先生の東大化学では、自分が苦手だった無機範囲の授業で、教科書などでは省略されている背景まで解説してくれたことで、様々な疑問を解消することができ、化学への苦手意識を払拭することができました。また、宮崎尊先生の英語では、自分で英語を勉強しているだけでは触れないような知識やネイティブの言い回しなどを学べて、受験の枠を超えて英語への興味を駆り立てられるような内容も充実していると思います。

ハイスクールでの担任助手・チームミーティング

 私は先に述べた学校の進度に合わせた学習強化方針において、担任助手の方とじっくり相談して計画を立てたことが功を奏しました。また、チームミーティングでの仲間はモチベーションの向上や、情報共有の面において重要な存在でした。受験は個人の力量が最も重要な要素であることは言うまでもないですが、周りの環境による好影響も計り知れないと思います。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 合格体験記には、数多の勉強方法や受験計画が載っており、どれも受験生が努力の末に確立したものです。しかし、自分にどの方法が合うかは各個人が試行錯誤を繰り返すことでしかわかりません。その作業中には、時に無駄が生まれることもあるかもしれませんが、その失敗も確実に糧となります。また、いかなる勉強方法より大切なのは、自分を信じて諦めずに努力することだと思います。私は、各教科・各分野の中で克服すべき点を着実に解消することを重ねるうちに、合格するための確かな自信を持つことができるようになりました。本質的な課題改善は、周りの人との比較よりむしろ自分自身と向き合う事にあります。決して焦らずに自分が合格するために必要なことを分析し、着実な一歩一歩を歩んでいってください。