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東京都 私立 開成高等学校 卒
東京大学 理科一類

桒田 大幹さん

■センター試験得点 860点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 76 96 41 43 44 =300/440点
自己採点 75 100 40 25 50 =290/440点

■受験した感触・・・ 物理が難しくて落ち込んだが、化学が感触があり数学もできたので大丈夫だろうと気を持ち直した。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A

自分を見つけた1年間

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

東大と私

 開成中学に入学した頃から漠然と東大という存在を気にしていた。校内の多くの人が目指す、国内最高峰の大学。いつかはそこに行くのだろうという思いは常にあったと思う。しかし本格的な受験勉強を始めたのは高2の夏ごろだった。とはいえ数学に関しては中一の頃から興味をもって高校以降の勉強もしていたため、ある程度は受験レベルの問題に太刀打ちできていた。
 個人的に東大の魅力を語るとすればそれは貴重な人的ネットワークにあるだろう。国内外で幅広く活躍する卒業生ネットワークは将来の自分を支え、より興味深い人生にしてくれると思う。また、絶対的に人生経験の足りない18歳ぽっちの高校生に将来のキャリア形成まで見据えた学部選択などできるわけがないと感じていたため、実際に高いレベルの学問に触れてから決めることができる東大の進振りシステムは魅力的だった。

まず最初にすべきこと

 受験勉強を始めるにあたってまずやったのは、自分の成績、人格などを自分なりに整理することだった。どのような勉強法が合うのか、何が足りないのか、それを明確にしておくと自信も不安も根拠のあるものになって、達成や課題が明確になる。合格までのヴィジョンを立ててしまおう。

教科ごとに意識したこと

  • 現代文

受験勉強という意味では、絶対的な正解の見えない現代文を点数のあてにするような合格計画はしない方がいいと思う。一方で現代文における考え方は他分野の理解や成績に大きく影響するので、解答時に、正解不正解にかかわらず自分がどのような思考プロセスを経て答えにたどり着いたのかを明確にしておくとよい。基本的には本文の論理に忠実に書き、相手にとってわかりやすい解答作成を意識するとよい。

  • 古典

現代文の基礎があれば、後はとにかく知識を入れることが重要になる。漢文は現代の熟語から連想するなどして意味を把握できることがある一方で、古文では現代語が全く異なる意味を持つことが多々あり、漢文以上に単語や助詞、助動詞の知識が重要になる。ここは高い点で安定させられる数少ないポイントなのでコツコツ勉強し、学校の定期試験などもおろそかにすべきではない。

  • 英語

英語は私自身最も苦労した教科だ。この教科だけは兎に角早い時期から始めることをお勧めする。私は高2時点で中学単語も怪しい部分があるときがあるなど基礎がガタガタで、その補填に多くの時間を費やす羽目になった。また英語は結局のところ単語力に大きく左右される。単語と文法をできるだけ早いうちに理解し、そのうえで英作文やリスニングの練習をするようにしよう。

  • 数学

数学は得意不得意がはっきり分かれる教科であり、幸いにも私は得意だったため、勉強時間は最小限にし、他の教科の勉強を優先した。不得意な人がやるべきことはともかく多くのパターンの問題を解くことであり、試験で出題される問題の解法をやったことのある問題から類推できるようなライブラリを脳内に作ることを目指そう。得意な人はさらなる点数アップのために、論理の正当性を意識するようにしよう。記述で十分性しか満たしていない答えを出してしまうというようなことは、たとえ答えがあっていても意味がない。大学の先生方はより抽象的で論理的正当性の求められる学問をやっているのだから、どのような問題でも自分の答えがちゃんと“正しい”か確認すべきだ。

  • 理科

理科系の教科は高校範囲の数学で説明しきれる範囲が限られているので、ある程度腹を決めて暗記した方がよい。物理では特に電磁気の範囲の公式が、直観的に理解しにくいものが多いので、暗記と問題演習を繰り返してきちんと覚えた。波動、熱力学、有機化学は問題の出し方が限られていることからしっかりやっておくと安定する点数源になるので重点的にやった。

理一を受ける人へ

 理一は一教科くらい苦手教科があっても合格できる。とりあえず全教科5割を目指し、5割を切ってしまうところがある場合はどこかで補填できるようにしよう。最近の難化傾向なら5割+10点程度あれば確実に合格できるのでそれを目標に点数、勉強時間を考えよう。

■東進東大特進コースについて

 東大特進コースの良かった点は、ほかの塾に通ってなかった自分にとって、自分と周りの到達度の確認になったことだ。2~3か月に1回講座を受けることで自分の勉強の良かった点と足りなかった点を見直し、次の3か月の勉強の指針とするというような形で使っていた。授業の中では林修先生の授業は受けておくことをお勧めする。現代文は自分で習熟度を上げるのが難しいので、東大特進の授業と学校の授業を大事にすることで実力をつけることができると思う。
 東大本番レベル模試についてはいくつか特徴を上げると
  • 年4回ある
  • 1日で行われることが多い
  • 解答用紙が本番と酷似している
  • 問題の難易度は少し本番より難しいくらい
  • 返却が1週間と早い
 の5点だ。全体的に東大本番に準拠した形になっていて、年に4回開催されることもあり、形式慣れするのに役立った。1日で行われるのはなかなか体力的にきついが、逆に本番で楽に感じられると思うのでいい練習にはなる。返却が早いのは復習によく、自分の解答を覚えているうちに採点との齟齬を見極めることができた。
 全体的に東進のコンテンツは自分で自由に決められる、逆に言えば自分で自分をちゃんと理解して使う必要のあるものになっている。うまく使えば最高効率で最高の結果を出せる。自分の弱点と真摯に向き合い、どの講座、どのテストが必要か判断し、最大限に活用することができたと思う。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 受験勉強は長期戦なので、疲れやストレスのある状態で長く続けているといつか壊れてしまう。私は夏休みは寝る前30分はゲームをしていいと決めることで、一日中の勉強を少ないストレスで続けることができた。皆さんも何でもいいのでリフレッシュできることを持って、小休憩をはさみながらこの1年間を走っていくことをお勧めする。受験勉強を通じて自分と真摯に向き合い、将来像を具体的なものにしていく経験はきっと今後の人生の糧となるだろう。頑張れ!