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東京都 私立 開成高等学校 卒
東京大学 理科一類

大城 由渡さん

■共通テスト得点 970点/1000点

■共通テスト得点選択科目 物理 化学 倫理

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 91 54 52 44 24 =265/440点
自己採点 94 52 43 43 33 =265/440点

■受験した感触・・・ 数学で大失敗し、物理化学もほぼ全部解いた割に点が無い。悔しいが、それでも英語ができて良かった。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A

全身全霊オーバーヒート!!!

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私は東進に非常にお世話になりました。家で受講できるのが魅力的だったため中3で数学特待を使って東進に入学し、高等学校対応数学で高校範囲を習い、高1の始めまでに数学ぐんぐん、微積もぐんぐん、数学の真髄(基本原理追究編)を受講しました。そこからはダイナミック英文法講義、飛翔のための英文読解講義などを受講して英語力をつけ、高二夏からはハイレベル物理・ハイレベル化学を受けて先取りに役立てました。またチラシで東大特進の存在を知り、高2の秋にそれまで開講されていた講座を全部取って短期間で大量に受講し、東大対策を始めました。高2冬には既に理一合格を狙える成績になったのですが、実力維持向上のため高3では難問を中心に練習しました。やりすぎました。今思えば、この計画的な先取り(+学校)のおかげで成績を一切心配せず余裕を持って東大に合格できたのだと思います。最終的には全ての科目で大きなアドバンテージを狙えるようになりました。狙いすぎました。東大では興味のある宇宙分野の話題について見識を深めたいです。

モチベーションが無限にあったワケ(再現性ゼロ)

 私は、学校の成績では全科目評点10を狙っていました。しかし体育が必ず9でクラス順位は2位、2位、2位……校内模試も学年1位を目指しましたが、代わりに2位を2回も貰いました。このような偶然があったからこそトップを目指して自然と自分を律し、量をこなせるようになりました。東大入試も、最低点を目指すより首席を目指す。全完を狙う。このガッツを持ってモチベーションを維持できたことで、受験期後半の間は余裕を持って穏やかな気持ちで過ごせました。1月には2018年の過去問初見で357点を取れるまで伸びたので「ワンチャンこのまま理一首席いける!?」と思いましたが本番は順当にコケました。

うまくいかなかったこと

 このモチベーションの代償だと思います。私は高校では頭を使いすぎてほぼ毎日頭痛に悩まされ、ずっと心身の不調が続きました。頭痛が続くと電車の走行音が無理になったり、人の会話が耳に刺さるような感じがしたりと、日常生活で苦労しました。メンタルも弱い方でした。幼い時から先生の顔色を気にして緊張ばかりしていたので、誰かが変な事をして連帯責任で怒られるのが本当に苦手で、小学校ではそれで精神を壊してしまいました。幸い中高ではそのような事は減ったのですが、それでも人の不機嫌を感じると心臓がバクバクしたり身体が固まったりする癖は抜けませんでした。受験期は気合いと根性で勉強を続け、決して手を止めなかったのですが、これが正しかったかは微妙です。皆さんは不調を感じたら受験期でも立ち止まり、改善を試みるのが良いと思います(そうは言っても難しい話ですよね)。

■東進東大特進コースについて

東大特進英語(宮崎尊先生)

 私の英語は共通テストですら半分も取れない状態から始まりましたが、最終的には東大英語で帰国子女の人と勝負できるまでに成長しました。そんな私の東大英語の大枠を高二のうちから作ってくれた講座です。文章の型(文の並列や段落の相互関係など)を理解し、きっちりと段落の内容を頭に入れることが強調されます。読むスピードが自然と上がります。また、単語の語源やちょっとした教養も雑談に挟まれて面白かったです。何よりも授業全体が大ざっぱで、「東大入試もこんな感じでスイスイやればいいのか」という安心感が得られるのが嬉しかったです。

東大英語 in Depth(駒橋輝圭先生)

 オリジナル問題の質が素晴らしく、演習材として存分に活用させてもらいました。難易度は基本的に高いです。帰国子女(駒橋先生)の目線を自分に叩き込むことで英強になった感覚を味わえます。

ハイレベル物理(苑田尚之先生)

 私が本当にお世話になった講座です。力学は微分積分の導入から始まり、運動方程式は決して天から与えられたものではなく、粒子の運動をモデル化する考察の中で生まれたものだということが強調されました。近似についてもしっかりテイラー展開から説明され、厳密な理解ができるようになりました。電磁気学はまず実験事実と矛盾しないモデルとしてマクスウェル方程式が紹介され、そこから諸法則が導かれました。ここではその厳密な説明だけでなく、位置エネルギーの扱い方・生きた使い方の説明がわかりやすく、新しい発見となりました。混乱しがちな電磁誘導、交流絡みの符号なども完全に理解できるようになりました。熱力学はあくまで統計力学の最初の一部であり、高校範囲は重要でありながらも、ほんの初歩にすぎないということが分かり、気が楽になりました。波動分野は干渉や回折、ドップラー効果の説明が非常に丁寧なだけでなく、気柱の振動の定量的考察など、普段触れる機会のない範囲にも踏み込まれました。どの単元の授業も、自分の物理への理解を大きく深める宝物となりました。高校物理の根幹だけでなく、自然科学との向き合い方、理系に生きる人間の在り方についても得るものが多かったです。どの入試問題も問われているのは基本的なことだけだと実感できました。

東大特進化学(鎌田真彰先生)

 Ⅰ期Ⅱ期の授業がかなり貴重です。初歩の段階から入試の長いリード文付き問題への架け橋となる講座でした。化学反応式リストも役に立ちました。

東大現代文(林修先生)

 実は高2の間は前半で共通テスト対策をしてくれます。これが結構得点アップに繋がるため、不安な高2の人は受けてみるといいと思います。

東大本番レベル模試

 年に4回開催され、わずか1週間で返却されるのがよかったです。英語は基本的に語彙レベルが高く、物理化学も面白い題材が多かったためやり応えを感じながら楽しんで受験できました。

東大特別演習

 東進の東大本番レベル模試の過去問が沢山用意されています。特に理科は、10年以上前の東大過去問はかなり簡単で今の対策としては効果が薄いので、最近の数年分の難易度に合わせた模試過去問を解けるのがありがたかったです。数学は難解な問題が入手できて重宝しました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 私は全ての計画を完遂して勉強面では理想的な受験を体現できましたが、その中でかなり無理をしていました。親や先生は全く何も言わず好きにさせてくれたのですが、謎に逆張りが発動して家でも外でもあまり息抜きをせず、高3の運動会以降は勉強以外の事をすると頭が自己嫌悪でいっぱいになっていました。合格を目指すだけならもう十分なのに、模試や本番で最上位を狙おうというこだわりが強すぎました(そして東大本試は実力を発揮できず……)。どうしてこうなったかと考えると、受験生だから勉強しなければ、と自分に厳しくしていたらどんどん止められなくなったからだと思います。「そんなエンジンかけてたら途中で燃え尽きるよ」級のペースで無理矢理走り切った例が自分だと思います。しかし、高得点を目指して十分すぎる対策をしても、案外私のように本番の緊張や問題との相性で吹っ飛んでしまいうるものです。皆さんは受験期でも楽しめるよう、適度に息抜きをしてほしいと思います。