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東京都 私立 聖心女子学院高等科 卒
東京大学 理科一類

長内 加楽さん

■センター試験得点 849点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 78 56 48 33 25 =240/440点
自己採点 75 75 40 20 20 =230/440点

■受験した感触・・・ 数学以外手応えがなかった。受かる確率60%くらい。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A

受験生活は偶然の連続である

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

東京大学を志望した理由

 父が大学で研究をしていたので、幼い頃から研究室に入れてもらったり、実験教室に参加したりしていたことから、小学校高学年の頃に科学の研究によって人を笑顔にしたい、という夢を持つようになった。父が東大出身だったことや、家が近くてよく東大のイベントに参加していたことによっていつしか自分は東大に入って研究職に就くものだと思うようになっていた。
 もともとは生物系、特に遺伝子と遺伝による病気についての研究をしたいと思い、理学部の生物情報科学科を志望していた。生物系であったので、理科二類にしようかと思っていたが、転機は高校二年の夏に突然訪れた。

二つの海外経験

 高校二年の夏、コロナが収まり始めた頃、海外短期留学に行くことになった。もともとの目的地はロサンゼルス。そこでバイオテクノロジーについて学ぶ予定だった。しかし、定員割れにより、ロサンゼルスではプログラムが行われないことに。急遽ミシガンに行き先が変更になり、ミシガンではバイオテクノロジーが開講されていないことから、「仕方なく」グリーンテクノロジー、つまり環境工学を取ることになった。そしてこの「仕方なく」が人生を変えた。私はもともと地理が大好きで、幼少期から地図帳を愛読していたり、国名や首都を覚えたりしていた。グリーンテクノロジーの授業では、アメリカの地理的特徴を考えながら、その地域での発電方法の考案や環境に優しい建物の設計を行った。国土のほとんどが温暖湿潤気候で山がちな日本とは違い、広大なアメリカでは場所によって気候も地形も全く異なることで、その土地にあった設備も変わってくる。これが地理好きの私にはとてもおもしろく感じられたのである。
 これを期に、もともと考えていた生物系の進路を一回考え直した。その結果、高校二年の2月に、理科一類に志望を変更した。環境工学に出会ったのは「仕方なく」であったが、今は都市環境工学を学び、エネルギーの持続可能で環境に優しい供給について学びたいと思っている。
 もう一つの海外は学校で高三の夏に行ったカンボジア体験学習である。受験真っ只中の高三で海外に行くというのは勇気ある決断だと思うが、これはコロナによってそれまでに行けなかったから「仕方なく」高三の夏になったのである。しかし、高三で最上級生として行ったことで、遠慮せずに質問や体験をすることができ、高二以下で行っていたら得られなかった経験ができたと思う。ここでは、発展途上国の現状を様々な観点から知ることで、インフラや教育施設などの整備に関して、都市工学の観点から貢献できることがあるのではないかと考えた。
 カンボジアでも毎日一問は構造決定をやると決めて行った。最終日が近づくにつれて疲れで頭が働かなくなっていったがそれでも毎日続けた。しかし、ここまでの海外経験を高三にもなってできたのは、それまでにも受験勉強に力を入れ、高二までである程度上位の成績を取れていたからである。

全国統一高校生テスト決勝

 私が人生は偶然の連続だと一番感じたのは高三の夏、全国統一高校生テストで決勝に行ったことである。78位という順位で、国語をあと一問落としていたら危ないのでは、と思っている。決勝での成績は散々であったが、ここは進学校出身でなく、周りに東大理系を目指す人がいなかった私にとって、仲間と出会えた場所であった。決勝で近くの席だった人たちとは終わった後も連絡を取り合い、模試の点数で勝負したり、東大特進の授業を一緒に受けたり、情報共有をしたりした。周りに心強い仲間がいることは受験において大事なことだと思っている。そして無事全員が東大に合格し、祝勝会で集まることができた。

■東進東大特進コースについて

 中二の春から数学特待で東進に通い始めた。中二の3月からコロナで休校になり、時間ができたので数Ⅲの受講を一気に進めた。週一などと決まっているわけではなく、自分のペースで進められることから、このように時間ができたときに一気に進むのが東進の良いところだと思う。数Ⅲまでの一通りの基礎を終わらせた後、受験数学や東工大数学などで演習を進めた。
 高一からは東大特進に入り、授業を受けた。
 現代文は林修先生の授業に毎回出席した。もともと小学生の時から他の科目に比べると国語、特に現代文は苦手科目であったが、授業で学んだ、段落相互の論理関係やテーマの貫通を意識して実践することで成績が伸びていき、最終的には得意科目の一つとなった。林先生の授業は面白く、雑談しているようでもその話が授業と関係しているところに授業の緩急があって疲れずに受けることができた。
 古文は栗原隆先生の授業で、覚えられなかった古文単語の複数の意味を体系的に理解することができた。また、古文ならではの構文や古文常識を知ることで単語だけ覚えても読めなかった古文が読みやすくなった。
 漢文は、12月の寺師貴憲先生の共テ対策の授業を受けてから、共テ模試では9割行ったり10点台だったりと安定しなかった漢文が、過去問では安定して9割前後取れるようになり、本番では満点を取ることができた。
 数学は長岡恭史先生や松田聡平先生のテストゼミを活用して演習量を確保した。松田先生の教材は例題や練習問題の量が多く、各分野の難易度の高い、良い問題を効率的に演習することができた。また、成績優秀者に選んでいただき、頂いた参考書も、苦手な分野の問題を重点的に解くなどして活用した。長岡先生のテストゼミは、復習問題が多く、授業で学んだことの確認とそれを応用する練習ができた。また、毎回成績優秀者を読み上げていただけるので、そこに選ばれることがモチベーションにつながった。
 物理は、苑田尚之先生のハイレベル物理を受講した上で、高二の東大特進の物理も毎週通っていた。苑田先生の授業は一度で理解するのは難しいので、東大特進を復習として活用していた。
 東大入試同日体験受験の成績は英語と化学だけが高く、国語と物理が低かったが、これらの授業などを活用することで最終的に各教科バランス良く取れるようになった。
 また、東進の東大本番レベル模試は、返却が速く、受けた一週間後に自分の答案を見ながら復習できるのが魅力的だった。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 中学生や高一の頃からコツコツ勉強を始めることで、高二や高三の時期にも人生を変えるような貴重な経験をすることができると思います。そして、上手くいかなかったと思って仕方なくやったことがいい方向に向かうことも多くあります。諦めないで頑張ってください。