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愛知県 県立 岡崎高等学校 卒
東京大学 理科一類

池田 滉太郎さん

■センター試験得点 809点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 73 63 47 41 35 =259/440点
自己採点 80 60 45 44 41 =270/440点

■受験した感触・・・ 数学、物理やらかした。あとは普通。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 C 理科一類 A 理科一類 B 理科一類 A

計画と実践

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

受験を終えて

 今回の受験を振り返って思い出されるのは、体調不良です。まず、12月の頭に風邪を引き、その後咳がずっと残りました。コロナ禍で試験官も神経質になっていることもあって、常に試験室からつまみ出されないかドキドキしていました(実際共通テストでは試験官に注意されました)。さらに、試験二日目の朝から緊張も相まってお腹を壊しました。試験中は、集中していたので気にはなりませんでしたが、正露丸をホテルに忘れてしまったこともあって休憩時間中席でずっと苦しんでいました。このように私の受験は決して万全の状態で迎えられた訳ではありませんでした。しかし、このような中でも合格できたのは、それまでの計画と実践が功を奏したからだと感じています。

二次対策の分析

 私は、愛知県の公立高校の出身で東大を意識し始めた高校2年生になるまで、中高一貫の方々のように先取り学習はしていませんでした。それまでは、一応、近くの東進に通い学校の授業は真面目に受けていたものの、学年では真ん中くらいの席次で、自他ともにそのまま行けば名古屋大学に進学すると思っていました。高校2年生に進級してすぐ、コロナウイルスの蔓延に伴う休校期間となりました。私はこの期間で自分の学習習慣を見直し、のちに東京大学を受験する足掛かりを作りました。具体的には、目標の明確化、階層化と現状の徹底分析を行うことです。当時は、長期目標を受験時に中高一貫の生徒に勝つ、中期目標を3年生になるまでに理科の履修完了、そしてコロナ休み中に数学の履修完了を短期目標としました。3年生に入って全教科が一通り揃い、中期目標が達成された後は、本番で合格者平均点を超えることを新たな中期目標に据え、各教科、分野ごとに細かく目標点を定めました。この時点から、過去問や模試があるたびに自分は今目標に対してどの位置にいるのかを把握するようにしていました。自分の目標までの道程を視覚的に把握することで、学習ペースの調整が容易にできたと思います。このように、目標の明確化、階層化そして、現状の把握という作業を断続的に行うことで、二年間の勉強の中の「今」という俯瞰的な目線を手にいれることができ、結果として体調は悪かったものの、自信を持って本番に臨むことができました。

一次対策の分析

 先述のように、私は日々の授業は比較的真面目に受けていたので、二次試験も用いる科目の対策はさほどする必要がないと感じていました。一方、共通テストのみ用いた地理は特別な訓練が必要だと考え、12月に演習を始めました。試しに過去問を解いてみたところ、8割5分くらいで点数が頭打ちしました。地理選択をして若干後悔しました。古文は読むスピード上げるため12月から毎日一年分解いていました。

部活、学校行事と勉強の両立

 高校での生活を豊かにするコツは何事にも全力で取り組むことです。私も、1、2年生のうちは主に部活動、3年生では行事に結構な時間を割いてきました。そうした中でも先に述べたようなある種厳しい目標を達成していくには、計画性が大切になってきます。日々のイベントが流動的な高校生にとって、厳格に計画を立てるのはあまり現実的ではありません。頻繁に予定を変更することになり、目標を見失ってしまいます。大切なのは、ある程度大雑把に課題を設定することです。私の場合1週間くらいを目処にやるべきことを決めることで、比較的自由に、自信を持って学習を進めることができました。また、学習時間を問題にする人をよく見かけますが、不毛な心配をする前に最善を尽くせばいいと私は思います(実際私は平日1時間も勉強できていませんでした)。

■東進東大特進コースについて

東進の授業・講師について

 国語では、東大東進で林修先生の講座を2年生からとっていました。私には読書習慣がなかったこともあって、現代文は苦労しました。実は、林先生のおっしゃっていることは当初全然理解できなくて苦しみましたが、それでもやり続けていくうちにあの方の考え方がわかるようになり、現代文の問題もある程度太刀打ちできるようになったと思います。数学では、通期講座は、長岡恭史先生のぐんぐん、東大対策数学を受講しました。また、東大特進でも長岡先生のテストゼミや講座をとっていました。長岡先生は難問を通じて、それらに立ち向かう精神力を教えてくださるので、ぜひおすすめしたいです。物理に関しては、通期講座でも、東大特進でも苑田尚之先生の講座を受講しました。苑田先生は一貫して、自然科学的なものの見方とそこから自然と導かれる勉強法を基に高校物理の教科書に載っていない内容まで踏み込みつつ興味深い授業を展開してくださいました。私自身、苑田先生に感銘を受けて、理論物理の面白さに目覚めたので、理系の皆さんには(たとえ物理選択でなくても)受講してみてほしいと思います。化学の通期講座では鎌田真彰先生、東大特進の方では大西哲男先生の授業を受講しました。ともに、ある程度高校範囲を超えた深い授業を展開されていますが、大西先生の方がより明確に高校範囲の境界を強調してくださるので、学習の方針が立てやすく、受験向きではあると思います。

過去問演習講座について

 私はほとんど10年分こなしましたが、学力POSですぐに自分の答案を見直せたので、直前期の復習に役立ちました。また、ほとんどのもので採点基準が明確だったので、自己採点も楽にできました。

第一志望校対策演習について

 直前期において、部分的に補強したい箇所の補充に役立ちました。痒い所に手が届く講座だとおもいます。

東大本番レベル模試について

 2年生の頃から受けていました。直前期に見直す時間が作れなかったのが悔しいです。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 これは苑田尚之先生の受け売りなのですが、大切なことは頭を使って、自律的に学習を進めることです。正直そこまで広くもない高校範囲という限られた学習範囲からのみ出題される大学入試のために一年もの時間を集中的に使って全国の受験生が対策するわけですから、その中で自分の優位性を保つためには、学習の効率をあげる必要があるのは言うまでもない事です。その方策として、自分が必要としていることを的確に判断(分析)し、実現可能な計画を立て、実践するというサイクルを成立させなくてはなりません。これは、意識的に経験を積まないとなかなか実現できないことだと思います。もし、この体験記を2年生以下で見られている方がいれば、学校の定期テストや模試などを通じてこうした頭を使った学習の経験を意識的に積んでおくことをおすすめします。